Nothing's Impossible

ちなみにはてなブログのお題が「見つめてみよう、マイルーム」とあったので見つめてみて、ちょっとどうしよう、という気持ちになっている。

 

それはさておき。日曜日の午前中からクソコラかと思ったらそうじゃない酷い動画を見せられて最悪な気分になり、最早憎しみと怒り、そして悲しみしか湧かなかったがLife Goes Onなわけで、John LydonPublic Image Limited「Rise」

ALBUM / LTD.EDIT.

ALBUM / LTD.EDIT.

 

で"Anger Is an Energy"と唄っていたじゃないか、と思い立って縄跳びをしたりした。

 

そう、縄跳びである。この間ホームセンターで200円くらいで買って来てみた。ちゃんと「〇〇年〇〇組 なまえ  」という紙まで持ち手の所に入っているからガチで小学生が使うような、そういう縄跳びである。

 

なんか、縄がないけどどれくらい跳んだかを計測できるようなエア縄跳び、みたいなものもあって、それ良いかもな、と思ったりもしたのだけれども怠惰な私のことだからなんか跳んでないのに腕回して跳んだことにする、とかそういうチートに走りそうだったのでガチの奴にしてみた。

 

で結構毎日やっているのだが、これ意外にしんどいな、という感じである。日頃からよく運動とかトレーニングとかしている人にとってみれば全然何でもないのだろうけれども、ほっとくと全く動きもしない人間が40年近くぶりにやる縄跳び、結構堪えるのである。

 

何となく100回くらい跳んで、という風にぼんやりと考えてやってみると意外に昔のコツはすぐに思い出すもので、楽勝楽勝、とか50回目くらいまでは思っているのだが、そこを過ぎると途端に胸とか腹とか脚とか腰とかキツくなってきてまっすぐに跳ぶだけでも一苦労になってくるし、加えて自分の身体の重さとかそういうものが文字通り重くのしかかってきて、100回くらい跳び終えると、さっきの50回目くらいまでの楽勝ムードから一転して、もういっそ殺してくれ(いや、これはオーヴァーな表現だが)、みたいな息切れと脚の疲労にやられるのであった。

 

ここ数日は200回を自分に課しているのである。もうなんか跳び終えると、俺、偉い、なんかご褒美あげなきゃ・・・、となるくらいであるがまあ、ちょっと身体を動かすのはなかなかに良いものであるね、という、私の口から出るとなんか明日にでも大雪降るんじゃないか、という感じの言葉まで口にしたくなる感じの昨今である。

 

しかし、意外に理想的な縄跳び場所、ってないものである。公園でやろう、と思って近所の公園でやってみたら、地面が草とか砂とかだと意外に縄がひっかかってなかなか難しかったり、かと言って家の前のアスファルトの駐車場でやってみるとちょっと人目が気になったり、とかなので難しい、というか無邪気に校庭で縄跳びしていた自分は幸せだったのかな、結構引っかかったりして全然得意じゃなかったのはもしかしたら自分のせいでなくて、地面のせいだったのかもな、と跳びながら思ったりして、昔の自分にそう伝えてあげたい、とか涙が出そうになったのはちょっと年度末と新年度のどたばたで疲れているからなのかな・・・。

 

というか、なんで突然縄跳びなんかしているのか、というのもコロナウイルスにかかって回復したMarc Almond様から「日本のファンのみんなへ この間は行けて良かった。落ち着いたらまた行くね」というメッセージがインスタグラム上であって、そんで「毎日運動しようね」とかいうメッセージもあったので、Marc様から言われたらさあ・・・、ということがきっかけなのは、ちょっと自分でもどうかしてると思うが否めないのであった。

 

しかしそれにしたって今の国の上の方の連中が考えること、やっていることが「なんでそうなるの!?」ということしかない状態にはほとほと困ったもんだから、支持者と一緒にどっかの島だけで独立国家として「日本」とやらを作ってもらって私らは違う、「昔は日本と呼ばれてた国」に住むよ、と優しく言葉をかけてあげたい。そんで新しい「日本」とやらが海面上昇とかで沈めば良いな。

 

まあそれにしたってレコードを聴いたりできる時間があるのだけは良いこと。Mei Eharaさんの新しい7インチを5回ひっくり返して連続で聴いたり(ド名曲じゃないか・・・) 

昼間から夜

昼間から夜

  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

ということを土曜日に出来たりしたのは良かった。土曜日、平常時は仕事だからな。そして今日は今日とてCaroline Roseの「Superstar」を聴いている。

Superstar

Superstar

  • アーティスト:Caroline Rose
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: LP Record
 

 苦労してデビューした当時はカントリー~フォーク路線だったみたいだが前作

LONER [12 inch Analog]

LONER [12 inch Analog]

  • アーティスト:ROSE, CAROLINE
  • 発売日: 2018/02/23
  • メディア: LP Record
 

 から大分路線が変わったそうで、私前作はジャケは見覚えあるが結局聴いてなかったので今回が初、なのだが、いやカントリー、フォークの影なぞ全く見えない煌びやかなシンセサイザーと時に打ち込みも普通に導入して、80年代~90年代初頭のSheena EastonとかSheila E.とかみたいな、そんな音楽、である。ところでその路線変わった前作からカントリー色濃い目のレーベルNew Westに移籍しているんだな、謎だ・・・。今作は誇張された自分を主人公にしたコンセプトアルバムらしく、まあ歌詞もタイトルもなるほど、なんか憧れと挫折、的なテーマ、と考えれば良いのかな。しかしまあ、きっついユーモア(曲順も)込みでめちゃくちゃキャッチーな曲がこれでもかこれでもか、と続くのでちょっとびっくりしてしまった。何が良い、って埋め尽くさない音作りが、さっきはSheila E.とか言ったけど、もっと言うとちょっとPrinceとかまで思い出す瞬間があったりして、いやはや本当面白いリリース最近多すぎて大変だな。

 

 

Jim Jim Falls

4月11日(土)に開催予定でしたAOBA NU NOISEは開催延期、になります。

 

日々荒れ狂う波の中にいるような日々である。荒れ狂う自分の中の憤怒の波の中に毎日いる。その波は何によって引き起こされているかと言えば勿論新型コロナウイルスなのだが、それ以上に国によって、職場によって引き起こされているわけである。

 

ということで毎日ばたばたと怒りと憎しみを抱きながら過ごしているのだが、今日単純な仕事を私1人しかいない静かな部屋で淡々と没頭しながら行っていたら、何故だか次から次へと友達のことが思い出されてとても穏やかな気持ちになった。

 

よく一緒に飲む友達、もう死んでしまった友達、よく連絡を取る友達、遠方に住んでいるけどたまに会う友達。老若男女、色々な友達との楽しかったことが次から次へと心に去来してきて実に穏やかな気持ちになり、まだ私もこのように心を落ち着けることができるのだ、と不思議とほっとした気持ちになったものである。

 

でもまたすぐにぎゃーぎゃーな場所に戻らざるを得なくなり、憤怒の時間が始まったりもしたのだけれども、あの不思議に友達とのことを思い出した時間のおかげで、何とか今日も乗り切れた、という感じであった。でも、だからまあメンタルは大丈夫、ってことである今日も。

 

いや・・・、日々地道にメンタルの無事をしつこく確認していかないと、ちょっと本当にやられそうになるからな・・・。で、繰り返しだが今日もちゃんと音楽を聴けているから大丈夫だ。Morrisseyの「I Am Not A Dog On A Chain」を聴く。

I Am Not A Dog On A Chain [Analog]

I Am Not A Dog On A Chain [Analog]

 

このアルバムを聴いて、思えば私はMorrisseyのことはThe Smithsの頃からずーっと追いかけているのだが、Morrisseyのアルバムだー、って興奮しながらリリース待ったりしてたのは「Viva Hate」

Viva Hate: 2012 Remaster [12 inch Analog]

Viva Hate: 2012 Remaster [12 inch Analog]

  • アーティスト:Morrissey
  • 発売日: 2012/04/10
  • メディア: LP Record
 

以来なかったんじゃないか、という恐ろしいことに気づいてしまった・・・。つまりそれは32年も前のことであって、それ以降ずーっと、あーMorrissey出るのかー、とか、出たのかー、とかいうごくごく普通のテンションでいたわけで、それってちょっとどうなんだ・・・。勿論凄く好きなアルバムもシングルもその道中にはあったけど・・・。2012年の仙台でのライヴは、それはそれは勿論興奮したけれども・・・。で、今作も、あー出たのか、という感じで聴いていたのだが、久々に何だか、「おおっ!」というアルバムであった。勿論人それぞれで、賛否両論なアルバムなのだろうけれども。今作、ジャケのダサさとかはもう激萎えで、はいはい、みたいな感じで針を落としたらなんかシンセベース的な音に跳ねるドラム、という、何だかこういう感じ久しくなかった、というスタートで引き込まれてしまって、意外とダルい曲はないし、全体的にちょっとヒリヒリするような感覚を覚えて、次はどんな曲かしら、というワクワクがあったのである。歌詞もまあ、いい加減歳を重ねてユルくなった部分も感じられて、でも相変わらずひねくれているような部分もあって、これまでの歩みプラス新展開、の良いアルバム、だなあ。「Ringleader Of The Tormentors」 

Ringleader of the Tormentors

Ringleader of the Tormentors

  • アーティスト:Morrissey
  • 発売日: 2006/04/04
  • メディア: CD
 

以来の、すこーんと入ってくる感じ、ってまあ人それぞれでしょうが・・・。ちなみにシンセでRoger Manningが参加していて、その意外過ぎる組み合わせもちょっと面白い。あと3曲目でめっちゃソウルフルな女性ヴォーカルが入っていて誰だ、と思ったらなんとThelma Houstonで、それもびっくり(Communardsによるカヴァー

Communards

Communards

  • アーティスト:The Communards
  • 発売日: 1986/07/30
  • メディア: CD
 

で私の10代初期を狂わせた「Don't Leave Me This Way」の原曲の人ですね・・・)。

Direct Sunlight

4月11日(土)に開催予定でしたAOBA NU NOISEは開催延期、になります。

 

我が町仙台でもじわじわとコロナウイルスの感染者の報告される数が増えてきていて、何と言えば良いのかな、そう、感じ悪い日々、である。

 

そんな日々の感じ悪さを軽減すべく、iPhoneから仕事用のGmailのアカウントを削除した。というのも夜の11時くらいに思いつきでメール送ってきたババアがいやがった(しかもccで)ので、怒髪天を衝き、即アカウント削除、と相成ったわけである。そう、何よりもメンタルを保たなければいかん、のであるから。

 

思えば用事でもなければ出歩かないようなタイプの人間故に籠ることもとくに苦ではないので、とくに「おうち時間」的なものを取り立てて意識したこともないわけだが、なんか運動不足だな、とちょっと(まあ別に今に始まったことでもないのであるが)思い始めたので縄跳びでも始めようかな、いやなんとなく。とか、全く楽観的なわけでもないけれども生きてるからには生きてるなりに色々思いつくわけである。

 

でも・・・結局家の中でレコードとか聴いてるわけでこれが一番やっぱり楽しい。最近新譜でめっちゃ良い作品が多すぎて、しかも特に奇を衒ったわけでもない、所謂ロック・ポップスのバンドのアルバムに震えるほど良い作品がここ2週間くらいのリリースで多すぎて、まあこんな時ではあるけれども充実している。Topsの「I Feel Alive」 

I Feel Alive [Analog]

I Feel Alive [Analog]

  • アーティスト:Tops
  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: LP Record
 

 なんて、こんな化け物みたいなアルバムをよくもまあ・・・、と震えた。思えば5年前には私たちがオーガナイズした仙台ライヴとかあって(もう5年か!!)あの日のイヴェントは凄く楽しかったな、という思い出もあるから特別なバンドではあるけれどもこの、カナダはモントリオール出身の男女2人ずつバンドの自主レーベルからの初となる4枚目のアルバムは、何だか「完璧なアルバム」とはこういうものだ、という凄みのようなものを感じさせるのである。あのJane Penny(ジャケもどどーんと彼女)のなんか加工してんのか、と最初はビビる(でもライヴでもそのまんまでもっとビビった)ヴォーカルも健在、でもこれまではちょっとペースがアルバムの中では弛んじゃうかな、というポイントだったバラードも含めてスピード感が半端なく、気合入ってんなあ、という感じである一言で言えば。シンセもやっぱりふんわりといつも通り優しく全体を覆い、本当に今までとあまり印象は変わらないのに、こんなに何度聴いても飽きないアルバムになっているのは曲が全曲とんでもなく粒ぞろいだから、なのだろうな。何かFleetwood MacAztec Camera筒美京平作品を唄う80年代日本人女性アイドルとを全部同時に再生しているような、そんな、人の心を鷲掴みにしないわけがない大傑作。今週はこのアルバムを聴き続けるだけでも生きていける、って勿論他のも聴くけどそういう風に言いたくなるくらい、ということが伝わるかと・・・。

 

 

 

 

 

 

When The Phone Stops Ringing

4月11日(土)に開催予定でしたAOBA NU NOISEは開催延期、になります。

 

どっちかというとコロナウイルスに対してよりもそれにまつわる日本国のエトセトラに対してとか、また、そんな何だか落ち着かない世の中なのに下らないことだらけの仕事に対しての怒りで発狂しそうな昨今である、つまり、マスクなんか良いから金出せや!とかメール覚えたてのガキじゃねえんだからそんなに仕事のメール、思いつくたびに送ってくんなや!とか言う感じである。仕事に関して言えば、まあこんな事態になってくると色々あぶりだされてくるもので、これからの付き合い方の参考にさせてもらうことができるので良い。

 

とは言えそんな中でも何か変な感じで日常を送らざるを得ない者としては小さな楽しみを色々見つけていかねばならない。人によって色々あるだろうけれども、やっぱり私の場合、音楽だな。最近再発見して爆上がりしたのはEighth Wonderの「Will You Remember?」という曲である。


Eighth Wonder - Will You Remember

この曲のイントロは私の愛するNHKFMのラジオ番組「洋楽グロリアスデイズ」のジングルにもなっているのだが、この間の日曜日の放送の際にはリクエストでフルコーラス流れたのである。久々に聴いたら、あれ、なんで俺こんなヤバい曲を、家にあるにも関わらず長いことスルーしてたんだろうか・・・、と思い我が家のレコード

ブリリアント・ドリームス

ブリリアント・ドリームス

 

を引っ張り出してターンテーブルに乗っけたら、まるで本当に憑りつかれたように聴きまくってしまい、とくに上記の「Will You Remember?」は今の私にとってめちゃくちゃ大事な曲になってしまった。というか、せっかく初めてyoutubeの動画リンクなんて貼ってみたので、是非皆様にも聴いていただいて、この私の熱狂を共有してもらって、いずれ世の中落ち着いた際には私は絶対DJでこの曲かけるだろうから、その際にはもうアンセム化させたい、とか思っているのだが、果たして今の時代にEighth Wonder、とか言っている人間はかなりちょっとどうかしている、というのも薄々感じている・・・。子役出身のPatsy Kensitとそのお兄さんとかを中心とするバンドの、ファーストフルアルバム以前に日本で出ていたミニアルバムである。なんか86年~87年にかけては日本でやたらと盛り上がっていて、シングルだ編集盤だ、とか出ていたわけである。この私が持っているミニアルバムも1987年のカレンダー付、というまあアイドル的人気、で押していこうというノリがよくわかる1枚である。そのPatsy Kensitが後にBig Audio DynamiteのDan Donovanと結婚→離婚、Simple MindsのJim Kerrと結婚→離婚、OasisのLiam gallagherと結婚→離婚、という派手な生き様を見せてくれるわけで、そちらの方がまあ今では有名かな・・・。とは言え、ファーストシングル、セカンドシングル、Patsyの出演していた映画「Absolute Beginners」

 

Absolute Beginners

Absolute Beginners

  • メディア: CD
 

劇中歌を含むお得な今作、若干80年代後半のPWL的ダンスビートも取り入れつつ、どの曲も凄くポップで実は今だからこそ変なバイアス抜きで聴いて、とっても楽しめるエヴァーグリーンな作品なのである。この後Pet Shop Boysに提供された曲で本国UKでもやっと大ブレイク、その勢いでファーストアルバム

Fearless

Fearless

  • アーティスト:Eighth Wonder
  • 発売日: 2010/01/25
  • メディア: CD
 

 をリリース、で、その勢いで解散、という全く後世には語り継がれることのないようなグループであるけれども、それでも巡り巡って2020年に日本で生きる私に猛烈な興奮と確かな希望を与えてくれるわけだから、何がどうなるか、教科書とかガイドブックではわからないことだらけなのである、この世の中。

 

 

 

The Right Thing

4月11日(土)に開催予定でしたAOBA NU NOISEは開催延期、になります。

 

そうなんです・・・。残念ですが今回はAOBA延期、とさせていただきます。勿論昨今の色々な状況を鑑みて、ということです。ただ直接的には、何よりもAOBAの皆が色々気兼ねなく、わーっとできるパーティが一番、だと思うので今はそういう時では残念ながらないな、ということです。多分またすぐにけろっと、わーってパーティやりますのでよろしくお願いいたします。

 

しかし年度末のどたばたが、今年はとくに凄くどどどどどどどどたたたたたたたたばばばばばばばばたたたたたたたたで、こないだ久々に血圧が上140を超えたりした、ストレスで。

 

でもそれもなんか一段落して、あとは新年度を無事に(無事かどうかは神のみぞ知るが)迎えるばかり、とほっとしたら、嗚呼、なんか温泉行きたい、とか思ったのだけれどもそれも今度は時期的に、そして外因的になかなか難しく、結局何もなく普通に家にいるのであった。

 

現状に関して極度に悲観はしていないが、何か変に楽観的に楽しく、というのも違和感があるのでもう淡々とやっていきたいものである。震災の後は希望でも持たないとやってられん、という状況にこの町に住まう者としては感じたわけだが(つまり結構どん底だったからな)、今は水も電気も物流もあるわけで、嫌な感じではあるし、気を付けながらではあるが、ある程度ノーマルに過ごせる、というのは何らパニックになる必要がないのではないか、と思うのであった。

 

勿論色んな状況の人がいるし政府与党は本当にゴミだと思うけれども、こういう時はYahooコメントなんか見ないで、自分の身の回りのことを色々やっつけていこう、と内省しながら思ったわけである。あと署名したりしながら。

 

しかしこれから、ずっと家にいろ、とかいう風に言われたら、ちょっとなあ・・・。まああくまで私の場合は結構普通に大丈夫なのだが、たまには友達と遊びたいものだ。レコードの話とかしたいじゃないですか、Simply Redの「Men And Women」についてとか。 

Men and Women [12 inch Analog]

Men and Women [12 inch Analog]

  • アーティスト:Simply Red
  • 発売日: 1995/02/02
  • メディア: LP Record
 

マンチェスター出身の彼らの87年のセカンドアルバムである。当時、とくに好きで聴いていた、という感じでもないのだけれども、ラジオやテレビでたくさん彼らのことは目にしたり聴いたりしていたものである。Duran DuranやINXSとかを手掛けていたAlex Sadkinがプロデュースした今作は、結構煌びやかな音作りがなされていて、なんでもメンバーがあんまり気に入っていない、という話も聞いた記憶がある。でもこれがまた、今聴いてみるととてもよくできたポップアルバム、として後にも先にもこういう作風のアルバムもないので、意外に楽しく聴けるのである、33年くらい経つと。Lamont DozierとMick Hucknallとの共作、なんていうものも入っていてより一層バンド(というかMickかな)のソウル志向が露わになっているわけだが、ちょいと曲が弱めなところとかもあったりする。でも多分バンドの勢いとアップテンポめの曲が多いこともあって、とんがり過ぎず落ち着き過ぎず、という良い塩梅で1枚聞かせてしまうのはさすが、とあんまり彼らの熱心なファンでもない私でも思わざるを得ない。しかしチャラめの歌詞連続の中で、A面ラストのCole Porterカヴァーが染みる。ちなみに当時来日して、外タレは口パクがほとんどだった「夜のヒットスタジオ」でいきなり生歌で歌ってたMick Hucknallのヴォーカルのソウルフル具合は最早言わずもがな、である。

Spring Frost

AOBAに関してはちょっとまとまるまで少々お待ちくださいね。

 

さてこんな時だ。最早恐れと怒りと哀しみしかない、という昨今だが、そういう時は内省に限る。バカ政府にどうこう言われなくてもすぐにできる、内省。でも与党のあいつら本当にクズだ、と思うよ。

 

それはそれで内省すると色々思い出す。思えば私は物心ついてから部屋に異性の写真を貼ったことがあっただろうか、とか。小学校高学年の頃から音楽に夢中になってしまったので、部屋に貼る写真と言えば雑誌の切り抜きのBernard Sumner、Tom VerlaineWire、Johnny Marr。あ、Patti Smithが「Dream Of Life」

ドリーム・オブ・ライフ(紙ジャケット仕様)

ドリーム・オブ・ライフ(紙ジャケット仕様)

 

出した88年くらいには彼女の写真を切り抜いて貼ってたな。あと忘れてはいけない、Siouxsie Siouxの写真も貼ってたな・・・

 

・・・いや、そういうことではないのは重々承知である。もしかしたら私は大事な色々な目覚めの10代初頭の時に、Marc AlmondとかDead Or AliveとかCulture ClubとかPet Shop BoysとかCommunardsとかErasureとかに夢中になってしまっていて、最早異性とか同性とか、どちらが好きなのかよくわからなくなってしまっていたのかも知れない、潜在的に。

 

だから所謂アイドル的な女の子たちのピンナップやらを部屋に貼る、ということはしたことがなかった、そう彼女に出会うまでは。22歳当時、バイトしていたレコード店で、彼女の歌手デビューを告げる告知ポスターをもらってきて、生まれて初めて部屋に所謂「女の子」のポスターを貼った。それは彼女のデビューシングルの写真のアウトテイクみたいなもので、彼女がまぶしそうな表情をして、しかも楽しそうにジャックパーセルを洗う、というもので、所謂「渋谷系」的な表象を通過してきた世代の人間にとってみれば、何故だか凄く新しい時代が始まった感があった。当時彼女は16歳だったわけだが、驚くべきことに彼女の年齢とか、全く把握していなかった。とにかくそのポスター、そこでのショートカットの可愛い女の子、というものが私の中での彼女の全て、だったのである。初めて異性に触れたみたいな感動、それがそこにはあった。いや、勿論異性とのコンタクトはそれまで実世界に於いてはあったし、何なら色々あったけれども、なんとなくそういう感触、だったのである。それ以前とはある面で別の人間になってしまった、というかロボトミー手術を受けたような、というか・・・。

 

だからそのデビューシングルが短冊CDシングル(最早知らない方々も多いかとは思いますが、昔CDというものがありまして、しかもそのCDの普通よりも更に小さい3インチの大きさのCDシングルがありまして、日本では何故だか縦長のパッケージに入っていたものだから短冊CDシングル、と呼ぶ向きもあったのですよ)で発売された時にはすぐに買って、しかもその楽曲にはめちゃくちゃノックアウトされたものである。まるでIggy Popの「Lust For Life」

Lust for Life [12 inch Analog]

Lust for Life [12 inch Analog]

  • アーティスト:Iggy Pop
  • 発売日: 2017/02/17
  • メディア: LP Record
 

のようなモータウンビート(勿論誇張しすぎているのは認める)、更には当時の風俗を織り込みながらめっちゃ初々しいデートの模様を若々しく、変に癖のないまっすぐな歌唱法で、あのショートカットの可愛い女の子が、まるで笑顔を湛えながら歌っているかのような姿が思い浮かび、胸を掻き毟りながら夢中になったものである。

 

また、イントロで彼女は囁きながらカウントを取るのだが、曲の本編に入る際には男性の声で「Brothers and Sisters!」という叫びが入るわけである。それは私が当時大好きだったMC5の「Kick Out The Jams」 

Kick Out the Jams

Kick Out the Jams

  • アーティスト:MC5
  • 発売日: 2000/03/13
  • メディア: CD
 

のタイトル曲の冒頭の叫び声「Kick Out The Jams, Motherfucker!」が「Kick Out The Jams, Brothers and Sisters!」に差し替えられたりもした、ということへのオマージュか、と思い込み、これはThe Stooges(というかIggy Pop)とMC5へのオマージュソングなのではないか、だって曲は「Lust For Life」だし曲名略したら「MK5」だし!やばい、デトロイトの血がここに・・・!とかいうくらい聞き込み過ぎて妄想爆発してて、MajiでKi狂う5秒前だったものだ・・・。

 

ということでその後の彼女の音楽活動もフォローしていって、まあ佳曲が続いたりもしたし、アルバム

ARIGATO!

ARIGATO!

  • アーティスト:広末涼子
  • 発売日: 1997/11/19
  • メディア: CD
 

だってまだ当時フロアがめちゃくちゃ広くて最高だった仙台駅前のHMVでFlying Saucer Attack

New Lands

New Lands

 

 と一緒に買ったし、なんならそのアルバムの後に出たシングル

ジーンズ

ジーンズ

  • アーティスト:広末涼子
  • 発売日: 1998/10/07
  • メディア: CD
 

 はかなりの名曲で当時サポートでドラムを叩いていたバンドでコピーしてライヴで披露する一歩手前まで行ったし、ということでかなり熱いことは熱かったのだが、やはりデビュー曲「MajiでKoiする5秒前

MajiでKoiする5秒前

MajiでKoiする5秒前

  • アーティスト:広末涼子
  • 発売日: 1997/04/15
  • メディア: CD
 

(おい、画像!レンタル落ちだぞ!)には敵わなかった。

 

なんならその後作者である竹内まりやの唄うヴァージョン、などというのも聴くことができる世の中になったりもしたが、世の中全部敵に回す勢いで言うけど、やはり広末涼子のヴァージョンには敵わないよな、と思っている。だからそんな曲が2020年にアナログ7インチでリリースされる、とかってもう、まあ、私に言わせてもらえれば、今更、だよね・・・、とかスカしたいところなのだが本当はそのニュースを知って、うおおお23年待ったよ!一体何回DJの際に、あーこの曲を7インチでスピンしたい!と思ったことか・・・、と人知れず涙し即予約したのだった・・・。生きてるとこんなこともあるからこれからも頑張って生きていこう、ってちょっと思ったりもしたことは内緒である。

 

あれ・・・、広末涼子の可愛さを語るつもりが結局音楽の話に・・・。ということで#StayTheFuckHomeの中、長文でグダグダ失礼いたしました。Roger Eno And Brian Enoの「Mixing Colours」

ミキシング・カラーズ

ミキシング・カラーズ

 

を聴く。弟Rogerが弾いたピアノ音源を兄Brianに送り、Brianが加工したりして、またRogerに送り、とかそういうやり取り(何か15年くらい前のもあるとか)を経て生まれた、初の兄弟名義のアルバムである。リリースがDeutsche Grammofonなのにはちょっとびっくりしたが、まあ関係ないか。音的には意外性の全くない、というと聞こえが良くないが、期待を全然裏切らない、静謐なアンビエントのりの18曲が収められている。意外性のない、と書いたが実はこんなにメロディアスな楽曲だらけのアンビエントノリのアルバム、というのは少なくともEnoの名前ではなかったように思う。Harold Buddがからむと結構これに近いノリはあったけれども、ここまでクラシカルな雰囲気の漂うほどに、鍵盤のメロディが際立つ作品もなかったなあ。というのが実に面白い。またいつもの感じでしょ、というのりを実はいつも軽やかにさりげなく裏切っているEno(兄)だがここではEno(弟)と一緒にさらりとやってのけているのが痛快である。って言うかちょっと沁みる、んだなこの季節には。

 

 

Toucan Ocean

AOBA告知は少々まとまるまでお待ちくださいね。

 

さてワニが死んだり(一昨日初めてこのワニのこと知ったんだけれども)、聖火が我が町にやってきて物凄い人だかりになっていたのだけれども、まあ私とは全く何もかも関係のない世界の話である。

 

関係のないものが関係あるものになってくるとこのご時世ちょっと困るので、ずっと関係のないものであってほしいわけである。だから関係のない世界のことにはとくに口出しをせずに、私はワニが死んだことよりもGenesis Bryer P-OrridgeやKenny Rogersが亡くなってしまったことを嘆き、Psychic TVを聴き倒したり、『となりのサインフェルド

となりのサインフェルド DVD-BOX 1

となりのサインフェルド DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: DVD
 

 のKenny Rogers Roastersの回とかを観て爆笑とかしていれば良いわけである。

 

でもなかなか口出しせずにはいられなくなるよね、いきものがかり、ってさあ・・・、とか、まったく、たかが火だべや!とか。

 

でもぐっとこらえてより内省的に過ごす年度末、なのである。私が私に関係あるな、と考える世界は相変わらずこんな世の中でも、そして未来永劫にわたっていつも面白いはずだから。

 

Jon Hassellの「Vernal Equiknox」とか。

昔はとくに高いレコードでもなかったから、まあいつか買えるべ、と思っていたらなかなかチャンスを逃し、ヤフオクで競り負けたりする事態になっていたから、嗚呼もう時代が変わったんだなあ、とか嘆いていたら再発されたので嬉し泣き、であった。La Monte Youngとかとの共演を経た、異色の電化トランペット奏者の1977年リリースのファーストソロ、である。何でも原始と未来をつなぐ「第四世界」を探求した最初の作品、ということなのだが、まあめんどいことは置いておいて(それがなかなかできない作品であることは重々承知だけれども)ここではPandit Pran Nathの唱法に影響を受けた這うような彼のトランペット、Nana VasconcelosやDavid Rosenboomらも参加して、どこの世界にも属さないのに不思議とアンビエント民族音楽っぽい世界に身を任せるのが正解、であろう。とくにタイトル曲(春分の日、ですね)はまあ春になると蛇も出てきますよね、と感じられるような彼のトランペットが堪能できるし、他にもドローンシンセの上で突然変調するトランペット、とか摩訶不思議な世界が繰り広げられていて、内省的に過ごす、と決意した夜のBGMにはピッタリの瞑想系名作、である。そういえばLloyd Cole And The Commotionsの「Mainstream」

メインストリーム

メインストリーム

 

内で彼がTracey Thornと一緒に参加した曲名は「Big Snake」だったな、とか思い出されるわけである。