Forever J

9月25日(金)はcsgb、9月26日(土)はAOBA NU NOISE、それぞれ配信ありの形であります!!

 ということで2日連続、私のDJがネットで観れて聴けてしまう、という世も末な事態になっております。現場でも、そしてご自宅でも、ちょっと気が向いたら是非お会いしましょう!

 

今更だけれどもこの間8月29日の土曜日にRecord Store Day、という企画がありまして。レコード屋さんがそれで盛り上がってくれるというのは本当にありがたいし、大事、なのだけれども普通に土曜日に仕事とかやっていると、全く乗っかれない。

 

今年は疫病のせいでちょっとこれまでとは違って当日の13時からはネットでも買えるよ、という優しい設定になっていたので、まあ仕事と言えどもその日はほぼ午前中で終わりだし、欲しいリリースがその時にネットで買えると良いな、と思っていたのだった。

 

しかし仕事で部下(という言い方も私の職種の場合何か変だが、まあ若者)が信じられない大ミスをその日にやらかしてしまい、それの対応をしなければならなくなったので12時半から14時くらいまでわーわー、と月曜日にやるそれのリカヴァー策を作り周知し、と走り回ってひと段落していたら、ふうお腹が空いた、ということでやっとお昼を食べに出て、定食待っている間に、あRSDのネット販売・・・、とやっと思い出す、という体たらくだった。

 

慌ててネットを開いて、結構3枚ほどお目当てのものが今回海外リリースであったのだけれども、4ADからのPale SaintsとThe Wolfgang Press(!)の2枚は何とか押さえられた。しかしTerry Hallの「Home」

Home

Home

  • アーティスト:Hall,Terry
  • 発売日: 1994/09/08
  • メディア: CD
 

のアナログがない。色々情報を教えてもらってみたけれども、ない。何なら翌日まで待って海外のサイトも見たけども、ない。もしかしたら別に出遅れたから、ということではなくそもそもネットにほとんど出なかったのではないか、とも思うけれども、ない。

 

あんな94年のリリース当時全英75位どまりで、CDだったら中古屋で必ずと言って良いほど信じられない安値で見かけたのに、ない。去年のThe Specialsの復活作が全英1位だった影響からか、ない。バックがCraig GannonにLes PattinsonにChris SharrockにIan Broudieプロデュース、という鉄壁の布陣だからか、ない。Andy PartridgeやらNick Heywardやら、豪華作家陣も参加して、本当に名曲しか入っていないアルバムだからか、ない。もはや歌謡曲かと思うほど哀愁感マシマシ「Forever J」からThe Ligtning Seedsのアルバム 

Sense

Sense

  • アーティスト:Lightning Seeds
  • 発売日: 1992/02/18
  • メディア: CD
 

で先に発表された押韻が素晴らしい「Sense」、そう言ったシングルも勿論のことアルバム全体を通してエヴァーグリーンな強度を持ったメロディにTerry Hallのあの美声が乗っかって、シンプルだけれど飽きの来ない、UKポップスの最高峰のアルバム、だからか、ない。しかし、私もCDでは26年間聴きまくっているからもしかしたらアナログ盤を持っている必要性も、ない、・・・という風に割り切れる人生だったらどんなにかこれまで楽だったのだろうか、ということを振り返る際のBGMとしても最高峰で、やはり非の打ちどころも、ない。

 

ということで今はdiscogs見ては頭を抱えているのであった。そしてRSD当日仕事で大ミスをやった部下には壮絶な呪いをかけておいたこと(使おうとするとボールペンのインクが必ずなくなっている、とか割りばしを絶対上手く割れない、とか暑い日に冷たい飲み物を自販機で買っても必ずぬるいのが出てくる、とか)も追記しておく。

 

 

Tidy Away

昨夜のcsgb、オンラインでご覧になってくださった方々、現場に来てくださった方々、まことにありがとうございました!色々とドタバタとしておりましたが、なんとか楽しくまとまって良かったです。Miqちゃんのばしっと固めてきたイタロ~エナジー交じりのDJは本気で格好良くて泣きました・・・。私は昨日は天邪鬼っぷりを発揮してしまって素直になれない感じでしたが、がたがたの感じを楽しんでいただけたならば幸いです。Primal Scream「Come Together」からJeff Lynneの「Lift Me Up」とか、Lloyd Cole And The Commotions「Rattlesnakes」からGeorge Harrison「I Got My Mind Set On You」とか、ほぼほぼ昨夜はアドリブだったので心臓に悪いつなぎ連発でしたが・・・。9月にもまたありますのでよろしくお願いいたします。

 

さて、昨日は凄く夜まで蒸し暑かったし、嫌な事件のニュースもあったし、日本を停滞させ分断させことごとくダメにした奴の辞任のニュースもあったし、今日は今日でRSD狂騒&転売、とか連日のもう日常の通奏低音のようになってしまっているコロナ禍の話とか、本当に精神のバランスを保つのが難しいくらい大変なことだらけの毎日だけれども今週は本当に何だか体調的にしんどかった。

 

とは言え別に凄く深刻な感じではないのだけれども、昼間も眠くて眠くて大変だった。普通に寝て起きても何だか眠くて、午後になるとかなり職場で廃人のようになりながら事務作業したりメール書いたり人と会ったりしててかなり消耗した。

 

午後だけならばまだ良いし、それは結構普通によくあること(こんなにハードに、もう動けない、というくらい眠いのは珍しいことだけれども)なのだけれども今週は本当に、椅子に座るだけでもう眠くて眠くて、という感じであった。ある日なぞパソコン立ち上げてメール立ち上げて、というのを待っている間に何だかうつらうつらしてしまって、途中同僚が、私宛に職場に届いたアマゾンの箱

Lp5

Lp5

  • アーティスト:John Moreland
  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: CD
 

を持ってきてくれたのだけれども、それを受け取って抱えたまままたうつらうつらしてしまって昔の漫画のぐうたら会社員のようであった。まあ、会社員ではないのだけれどもね。

 

何故だろう。今年の夏はニトリのNクール 

導入したので格段に睡眠の質は良くなっているのになあ。確かにここ数日は暑くて寝るの大変だったけれどもNクール以前よりは格段に楽であったし・・・。

 

まあ思えばこの2週間休みなく毎日仕事だったから疲れてたんだろう、と思うのだけれども、何だか、昔は普通にやってたじゃん、でも今は・・・、ということが最近結構多い。で、これが年を重ねるということか、と実感しているわけである。でもそれで昔みたいな感じでいたいものだ、ということは、まあちょっとあることはあるけれども、まあこれからはこういう生き方、というかこういう自分に付き合っていかなければいけないな、と思うようになっている。そもそも昔は良かったか、というとそうでもないこと多かったし。

 

ということでやっぱり職場でも昼寝選択制とか導入してほしいなあ、とか勝手に思うんだけれども。だってあんなにでっかい顔してのさばってたダメ野郎に対しても、辞任するとなったらなんだか皆労いの言葉をネットでかけて、批判とかするとわーわー言ってくるような連中の多い、「優しい」世の中なんでしょ・・・?

 

疲れると嫌味っぽくなったりする。浄化するためにStuart Moxham & Louis Philippeの「The Devil Laughs」を聴くのだ。 

The Devil Laughs [Analog]

The Devil Laughs [Analog]

 

Young Marble Giants~The GistのStuartとThe Border Boys~The Arcadians~elレーベルの代表格のLouis、という結構もう長いことよく一緒に活動している2人の合体名義での新作である。実は私、このお2人のことは大好きだけれども、活動の隅々までフォローしている感じでもなかったので(とくに近作)、このタッグでのアルバムを聴くのは初めてである。で、いつものようになんでチェックをサボっていたのか・・・、と嘆かざるを得ない、珠玉の作品集である。名曲をここまで惜しみなく詰め込んで、でも基本的にギターと声、ちょっとベース入り、という程度の簡素なバッキングなのになぜここまで胸を締め付けるメロディとハーモニーに溢れたアルバムになってしまうのか、天才(達)の一筆書き、みたいな作品である。Kings Of Convenience

Declaration of Dependence [12 inch Analog]

Declaration of Dependence [12 inch Analog]

 

(とくにこのアルバムの感じ)とFantastic Something 

の最高の瞬間をさらっとまとめちゃった、という感じのさりげない風情なのに相当大変なことになっている傑作。

 

 

 

 

Creek

csgb Vol. 69 ~Stream~ 2020年8月28日(金)20:00~26:00 

配信:無料 / 入店: 2000yen(1D)*予約制 

DJ: shinshin, tdsgk, 5atoru, hirasho, miq addams

https://www.twitch.tv/barfam 

pcではこのアドレスで、スマートフォンではアプリから視聴可能です。今回は事前にbar famのSNShttps://twitter.com/bar_fam )にDMいただければ予約して、そしてマスク着用の上で入店可能です。

配信もありのcsgbとしては早くも4回目になりました!今回もhirasho君と一緒に、更にはゲストでmiq addamsちゃんも久々の登場、ということでよろしくお願いいたします!私、実はcsgbでかけられそうな新譜、あんまり買ってないのでもしかしたら必殺7インチ縛り、とかで今回はやっつけるかも知れませんがそれはそれで稀有な機会かと思います。つながなさそうだなー今回・・・。何はともあれ、またモニター越しに、もしくはbar famの現場でお会いしましょう!

 

と言うことで暑い暑い言いながらも、朝と夜は秋の気配、そして仕事では相変わらず、いやそんなにあらゆることを俺に相談しないでくれ、って勢いで四方八方から相談事が矢のように飛んできてまるで聖セバスティアンの殉教、の日々である、というかそんな日々になっちまった。

 

だからさしてフレッシュな思考が産まれるわけでもない中こうして筆を進めているわけであるが、柿の種&ピーナッツ、というものが私はかなり好きである。とくにセヴン&アイ・ホールディングスの「セヴンプレミアム こだわりの柿ピー」、これが現状ぶっちぎりで最も美味い。製造元が私の記憶している限りでは2,3回変わってはいるのだが、味わい深い柿の種に、結構バランス的に量多めのバタピー、これの組み合わせ、そして硬さ、辛さ、どれをとっても絶妙なので、まさに「ハレの日」の柿ピー(値段もちょっとだけ高め)と言えるであろう。

 

かように柿ピーに於いては柿の種とピーナッツのバランスがとても大事だと思う。上記柿ピーはその点、ピーナッツの存在感がどしんとあって、トータルで非常に食べやすい、と私は思うのだが、世の中にはそうでもない人がいる、というか柿ピーのピーに関してはかなり嗜好が分かれるのだな、と最近コンビニとかで思う。

 

つまり、柿ピーのピーなし、とかあったりするし(それはチャゲ&飛鳥から飛鳥が脱退したのにグループ名を守らなければいけない、という事態に近いと思うのだが)、こないだは割合が柿の種7のピーナッツ3、ということを大々的に書いている商品を見かけた。

 

一体みんな何を言っているんだ・・・。それが面白いと思っているのだろうか、とくに柿ピーからピー抜いた奴・・・?柿ピーというのはその両者のバランスのせめぎあいを感じるための結構繊細なお菓子、と言う風に私は捉えているし、実家に住んでいた頃、両親が柿ピーのピーだけ選んで食べてしまって、結果私が柿の種だけを食べる羽目になって怒り狂った、というようなそんな陰惨な記憶すら持ち合わせていないような、そう、つまりこれまでの人生斗ってこなかったような人間が柿ピーからピー抜いたり、割合を7対3に固定してしまったりするのだ。

 

まあ日本も大変な状態にあるのは重々承知なのだけれども、今一度優雅に余裕を持って、柿の種とピーナッツのバランスに関しては是非あの芳醇なセヴンプレミアムのこだわりの柿ピーを見習って、参考にしてもらって、もう一度考えてもらいたいものである。まあ勿論柿の種だけでも美味しいものは美味しいのはよくわかっているのだけれども、そういうことではない。柿ピー、という優れた総合芸術的な食べ物を見直す時が来ていると私は思う、ということである。

 

明日の日曜日も仕事なんで全く高揚感もなく、そしてフジロックとかの配信にも全く食指を動かされず、吉村弘の「Green」を静かに聴いている。 

Green [Analog]

Green [Analog]

 

最近すっかり一大人気ジャンルになってしまった日本のニューエイジアンビエント音楽であるが、こちらは1986年リリース作品の再発である。珍しく私もちょこちょこ、芦川聡とか

Still Way (Wave .. [Analog]

Still Way (Wave .. [Analog]

 

吉村弘のまた別の作品とか気が向いたら聴いている。そんなにそんなに追いかけよう、深く行ってみよう、というところまでは(ギリギリのところで)行っていないのだが、まあ聴いたことなかったので面白い。こちらの「Green」はFM音源のシンセによる揺らぎに包まれるような、優しく優雅な作品である。吉村さんも、またエンジニアの人も録音中に寝てしまった、というエピソードがライナーにあって、いやマジか、とか思ったわけであるが、それも頷ける非常にゆったりと時間が流れる1枚。

 

 

 

 

 

 

Hyakki Yagyo Part 1

ううう、明日からまた仕事になってしまう・・・。

 

あるだけマシだ、と何度も何度も自分に言い聞かせてもやはり辛いものは辛い。私の場合昔から、「したいこと」よりも「したくないこと」の多かった人生なので、こうなってしまうのだろうか。なんせ話によると幼稚園の入園試験(そんなものあるってどうかしていると思うが)の際には「服のボタンをかけてみて」という面接官に対して「かけて」と言い放ち、「あっちの積み木を持ってきて」という面接官に対して「持ってきて」と言うような、そういう子供だったらしいから、もう今さらああだこうだ言っても手遅れなのかも知れないけれども。

 

と言うか上記入園試験の際のエピソードは母から聞いているだけなので、もしかしたら大分誇張されている可能性もあるのだが、いかんせん自分でも、さもありなん、と思ってしまっているから私という人間を表現するのにはこの上ないエピソード、と思っている。

 

だから、明日からは「〇〇したい」ということを前面に押し出して生きていけば例えばこのように休みが終わる日の憂鬱すぎる気分も解消し、より生きやすい生活が待っている、のかも知れないけれどもこんな年齢になってから急にドラスティックにマインドセットを変えていくこと、なんてできるのだろうか。いや、多分そうそう簡単に私には、否、ひいては人間にはそんなことできないだろうから、だから本屋に行けば何か「△△生き方入門」とか「〇〇な暮らし」と言ったガイド本が跋扈し、宗教は繁栄し、若者に対しては内向きにならずに世界に飛び出して、みたいな何かにすがるような、大人たちのみじめな思いからのメッセージが矢継ぎ早に浴びせられ、若干私もそれに加担しないといけなくなっているのは隠れキリシタンが踏み絵を踏んでいるような気持ちにさせられ、時折、何だかやっていけないな、と言う気持ちにさせられたりするのである。

 

まあ何が言いたいか、と言うと明日からまただりいな、暑いしな、ということと石橋英子の「Hyakki Yagyo」

Hyakki Yagyo [Analog]

Hyakki Yagyo [Analog]

  • アーティスト:Eiko Ishibashi
  • 発売日: 2020/08/14
  • メディア: LP Record
 

 が素晴らしいな、ということである。前のエントリのJim O'Rourkeの作品でも重要な役割を果たしている(ジャケ写まで!ちなみにこちらの石橋さんのアルバムのアー写はJimさんが撮っている)彼女の、オーストラリアでの「Japan Supernatural」展のために制作された音源がベースとなっているようである。それがまあ幽霊とか妖怪とかの話をテーマにしたものだったらしいので「百鬼夜行」というのは実にストレートに合点が行く。一休宗純狂歌のリーディングやらエレクトロニクス、ドラムス、ベース、ヴォイス、シンセなどがドローンっぽく持続し、メロディが現れては消え、何かの気配がぞわぞわと立ち上り、そんな中時折(とくにB面)ハッとさせられるような音が炸裂する、所謂この季節の納涼な感じの「ひゅーどろどろ」という音が、実際には鳴ってはいないけれどもそれに近い空気を全体で醸し出す、納涼サウンドトラックにもなっている。が、それ以上に絶妙なコラージュのセンスが爆発した、純度の高いエレクトロニクスコラージュ音楽になっているから、絶対オールシーズン楽しめる作品でもある。でも、石橋さん本人のライナーとか読むと(2020年4月に書かれている)、このパンデミック下の今年の夏にこそ最もふさわしい音楽、なのかも知れないし、そういうコンテクストから早く解放されて、また純粋にこういうのを楽しめる日が来たら良いな、という思いにもさせられる。この2020年跋扈する「百鬼」とは一体何なのだろうか・・・、ってつい考えてしまいますよね・・・。。

Shutting Down Here

結局いつものことで例年と変わらないのだが、お盆休みと言えどもとくに華々しいことはなく部屋を片付け、ブックオフに本を売り(最安値を更新した)、その3倍以上の値段でCDを3枚買い 、

Emit Ecaps

Emit Ecaps

 
Solid Ether

Solid Ether

 
Space Is Only Noise

Space Is Only Noise

  • アーティスト:Nicolas Jaar
  • 発売日: 2011/11/14
  • メディア: CD
 

お墓参りに行ってまたブックオフに寄り 

ブラザー・トゥ・ブラザー

ブラザー・トゥ・ブラザー

 
You the Night.& the Music +Bns

You the Night.& the Music +Bns

  • アーティスト:Gallon Drunk
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD
 

 という感じである。何だか娯楽=ブックオフ、になりつつあってこんなはずでは・・・、と思うのだが思えば相当昔から、私の場合そうであったということに気づく昨今である。

 

で、そんなブックオフのことを考えることが多い日々の愛読書は、『ブックオフ大学ぶらぶら学部』である。これ、amazonでは扱ってなくて、イカした、こういうお店とかこういうお店とかで扱っていたのだけれどもどうも売り切れているらしく、こんなタイミングで言及するのもどうか、と思うのだがもし再入荷とかした際には是非読んでいただければ、と思うのであった。

 

内容は8人の方による、ブックオフへの想いやまつわるエピソード、転売のためにブックオフでがつがつ買っていた人々の解説など(ネタバレ的なものを避けるためにすごく敢えてうすーく紹介してみました)、ある程度ブックオフに行っていた(る)人間ならばめちゃくちゃすこん、とみぞおちに入ってくる話ばかりで、物凄く共鳴できて、且つ謎が解ける話ばかりなので夢中になって読んでいた。

 

主に本に関してのブックオフユーザーの話なのであるが、CDに関しても同じことが言えるなあ、とか、なんかバーコードリーダーみたいなもの持ってかごに、ちょっとこれ誰買うのよ、みたいなCDをばんばん放り込んでいた人々、確かにいたなあ、とか思い出されるものである。そう、でそういう人々が消えた理由も書いてあって、凄くためになった。

 

私の場合、よその土地に車で行った際には必ず寄るし、何なら市内もまあ、結構な頻度で何らかの心の癒しを求めて行ったりしているのだけれども、本当にCDコーナーが最近ではいつも空いている。いても私くらいかそれ以上の最早初老以上の男性しか見ていない。でしかも、棚を「洋楽A」からずーっと、気が向いたら邦楽棚も見て、という感じで腕組みしながらずーっと見ている人とか、あんまり最近見かけないものである、って書いて思ったけど昔からそうでもなかったかな・・・。いたら大体知り合いだった、ということが思い出されてきた・・・。

 

まあ私にしてみれば、上記転売目的の人がいた頃とか、ちょっと前までの混んでた時期とかに比べて全然見やすいからありがたいのだけれども、CD、本当にあんまり求められていない、のかしらね最近は、とふと思ったりするのである。

 

かく言う私も、最近ではあまり買わずに厳選している、つもりなのだが前のエントリでのRain Tree Crowとか、ついつい「うお!リマスター!ボートラ!救出!」とかなってしまうのであるね。あと、「車で聴きたい!」ってRoberta Flackとか290円だし・・・、って買ってることもあるね。 

Best Of: Softly With These Songs

Best Of: Softly With These Songs

  • アーティスト:Flack, Roberta
  • 発売日: 1995/02/10
  • メディア: CD
 

 

まあ、結局ブックオフは中古レコード屋とかレコードフェアに行く時みたいな「見つけたる!」みたいなテンションではなく、「何かあるかな」的ユルいテンションで行けるから、最近の疲れ気味のアラフィフ突入期の男性には良いのかも、と思うのであった。そのユルさを保ち続けてほしいし、できればネットとかを全く参考にせず、大胆に510円以下コーナーにバンバンCDを投入してほしいものである。

 

あ、ところでCDの整理、というのが実は今我が部屋での結構な問題になりつつあるのだが、そこで頭を悩ませている「私」という人間と、ブックオフに行っている「私」、というのがなかなか同一人物であるとは自分でも信じられなかったりすることもある、ということは一言付け加えておこう。

 

Jim O'Rourkeの「Shutting Down Here」が凄く良い。

Shutting Down Here [Analog]

Shutting Down Here [Analog]

  • アーティスト:Jim O'Rourke
  • 発売日: 2020/08/14
  • メディア: LP Record
 

Editions Mego傘下の新しいGRM Portraitsというレーベルの第一弾としてリリースされた作品であるが、フランスのGRMを彼が過去2回訪れた経験をもとに作られた(ちょっとどういうことなのかわからないが)長尺の1曲、ということらしい。その間には30年という間隔があり、もしかしたらその30年間を振り返ってみて、ということなのかも知れないけれどもやたらと静謐で、ヴァイオリンとピアノ、トランペットもその道中に現れては消え、ヴォリュームのたまにぐっと上がったらまた下がったり、という、そう、なんだか「旅」のような1曲。「Sleep Like It's Winter」

sleep like it's winter

sleep like it's winter

  • アーティスト:Jim O'Rourke
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: CD
 

よりも更に抽象度は増していて、旅が地上に留まらず宇宙?それとも内面?という道のりになっているような作品で、めちゃくちゃ美しいし、いったいどうやってこんな構造の曲思いつくのかな、と素朴に彼の天才っぷりに感心する1枚。とにかく彼の場合異常に作品が多いけれどもその中でも最高峰かな、と。ちなみに何故か、彼の所謂歌もののアルバムには全然、不思議なことに惹かれないんだよなあ・・・。

 

Big Wheels In Shanty Town

全然暑くないなあ、思えば去年も7月は雨ばっかりでひんやりしてたな、とか思いながらいたら8月に入った途端急にあっつくなって、そんでもってまたちょっとひんやりして、とかもう無茶苦茶で身体がついてこれないな・・・、とか言っていたら短い休みに入ったのだが、急に疲れが出たみたいで機嫌も悪く体調も怠く過ごしていたけど、今朝久々にめちゃくちゃゆっくり起きたらやっとすっきりした。

 

で、窓を開けたらリアル熱波が入って来て一瞬で今日はヤバい、と悟ったので今日はできることならずっと家にいよう、と決心して片づけ(勿論終わるわけがない)やら読書やらお料理やらやっていたのだが、我が家に心強い秘密兵器が導入されたのでそれを紹介したいと思う。 

Bose Wave music system III(パールゴールド)WMS III GLD

Bose Wave music system III(パールゴールド)WMS III GLD

  • メディア: エレクトロニクス
 

いや、実際はこんなに新しいものではない。多分このWave Music Systemの一番最初の、結構古い奴だと思う。CDとラジオしか聴けない奴、である。

 

何故これが今我が家にあるのか、と言うと3年前に父が亡くなったのだが、彼が生前実家で使っていたものを持ってきていたのであった。で、なんか使い道ないけど勿論捨てることはしたくないな、とずっと放置していたのだがふと思い立って我が家のお茶の間の窓際に、ちょうど台所に向くようにセットしてみたら、凄くこれが塩梅良いので大いにここ数日感動している。

 

私のレコード等を聴くためのコンポはまた別の部屋にあって、スピーカーがまた違う方向を向いているから台所作業の際に音楽を聴くのはなかなか難しかったわけであるが、これで台所リスニング問題、一発解消、である。しかも、凄く今更の話なのであるが、これ、めっちゃくちゃ音が良い。こんなにコンパクトな、いわば往年のラジカセにちょっと毛が生えたくらいの大きさなのに、凄い迫力のある低音とバランスの取れた高音がぐわっとこちらに迫ってくる音、なのである。イコライザーとかないのだけれども、全くそれを必要としない、もう完璧、と言っても良い音なので、ここ最近では一番衝撃を受けた体験であった。我が家の多分最初期のモデルでさえそうなのだから、現行のめちゃくちゃオンラインにも対応しているモデルとか、凄い音になっているんじゃないか、と思われる。

 

で、そのめっちゃ良い音のこのシステムでRain Tree Crowとかを聴きながらカレーを作っていたわけである、熱波の中。

Rain Tree Crow -Hq- [12 inch Analog]

Rain Tree Crow -Hq- [12 inch Analog]

  • アーティスト:Rain Tree Crow
  • 発売日: 2019/03/28
  • メディア: LP Record
 

 当然このリンクのアナログではなく、昨日ブックオフで290円で購入した2003年リマスター盤CDを聴いていた。何でお前はまたアナログ原盤もCDも既に持っているのにそんなものを買っているのか、と言われればそれはこの2003年リマスター盤だけ1曲多いのである。まあそれとて我が家にある12インチシングルのB面の本当に1分ちょっとの小曲なので、そんなに大声で言わなくても良いことだけれども・・・。ということで元Japanの4人が新たに集まってインプロヴィゼーションを積み重ねて作った音源をまとめた91年リリースのこの名義では唯一のアルバム、である。David Sylvian対他の3人、というえぐい対立の末にワンオフユニットになってしまったわけだが、本当はもっとポップなものを目指そうとしていた、という話もあって意外だった。でも、インストと歌入りが良いバランスで配置され、歌入りはとてもメロディも美しく、ポップな作品を作ろうとした断片が窺える。まあ、David Sylvianがめっちゃ全面的に最終仕上げをやったらしく、彼のソロに近い色が濃いのはしょうがないとは言え、バンドでのこういうセッションの末にどことなくエキゾティックな空気も取り入れつつ、他にはどこにもない不思議なポップミュージックが出来上がっているので、今聴いてもとても新鮮で大好きなアルバムである。しかもこれが我が家のBoseのこのシステムで聴くと、いやー聴いたことのないような音のアルバムになっていて、2020年ではあるけれどもまるで初めて聴いたような興奮、を覚えた次第である。

A Hundred Words

昨夜のcsgbの配信ありイヴェント、ご来場の皆様、ご覧になってくださった皆様、ありがとうございました!昨日はTシャツでブリュッセルより愛をこめてみたのですが、結局Crepusculeレーベルのものはかからず(関係者としてThe Durutti Columnくらいですか時代も全然違いますが)、相変わらずの感じ、でしたが楽しんでいただけましたでしょうか。何か思いついた曲の並びがBPMを媒介してつながったりすると面白いな、とこの3回の配信を通して思いました。まあなかなか我が家のようなタンテ1台の環境では準備も大変(ネットの情報、iPhoneBPMアプリ、妄想、あらゆるものを駆使して選曲)ではありますがまた機会ありましたらよろしくお願いいたします。

 

さて別に夏だからと言って祭、とかフェス、とか旅行、とかいうことをとくには楽しみにはしてこなかった人間としては何ら苦はない今年の夏、ではあるが、これらを楽しみにしていた人にとってみれば今年の夏は想像を絶する辛さだろうなあ、ということは想像に難くない。

 

まあそんな私だけれども「なんか違うだろ」というままに今年過ごしている感じはある。2020年早送りしたいですね、そんで気づくと2022年とかそこらへんとかで、まあ私がその時点で元気に生存しているならそっからまた生活したい、とか思ったりもする。何だっけ、アメリカの・・・、バーガーキング、だっけ・・・、まあそんな感じのハンバーガーチェーン店が、もう2020年を早く終わらせよう、とか言って7月の時点でもうクリスマスの飾りつけとか店舗に施して、Bye Bye 2020、とかやってたらしいが、めっちゃその気持ちわかる。

 

でもそんな2020年でも、まあ良かったことはあって、一つは配信で自分のDJとかをなかなか会えない友達のところにまで届けることができたこと(内容はさておき・・・)。もう一つはくどうれいんさんの文章や発言がたくさん読めるようになっていること、かと思う。今日本屋でちょっと立ち読みして彼女のエッセーを読んで、それを確信したのであった。

 

本当に面白い文章を書く人である。ショート、シャープ、って感じなのに微笑ましくてでも同時に物凄く何か触れてはいけないような冷たい何かが渦巻いているような、そういう文章。でもとにかく、とんとんとん、と読みやすい。読みやすいけど抉られる。結局どういう感じなのか、と言われてもまあとにかく最高ですよ、ってあんまり語らないでも済むような文章。やはり言葉の紡ぎ方が非凡なのだろうな、っていうことなのかも知れないけれども。

 

私は大体6、7冊同時進行でのんびりのんびりと本を読むのだが、彼女の

うたうおばけ

うたうおばけ

  • 作者:くどうれいん
  • 発売日: 2020/04/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

は、リズムに乗せて軽快に、でも冷たい何かを感じながら、そして粘つく何かも感じながらあっという間に読んでしまって驚いた。思えば前のこちら

booknerd.stores.jp

もそうだったなそういや。多分これからもたくさん文章を読める機会ありそうなので、それだけだな、2020年の良かったことは。

 

・・・って8月になったばかりなのに総括するのはおかしい。大体今年はMarc Almond様のライヴだってあったし、ってこれはもうなんか別格過ぎて生涯の良かったことレヴェルになりつつあるな。

 

でも2020年、最近まで知らなかったけどとんでもなく良いことが起きていて、それは何かと言うとThe Belovedの「Where It Is」がリマスター拡張されてCD2枚組になって再発されていたことである。 

Where It Is -Spec-

Where It Is -Spec-

  • アーティスト:Beloved
  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: CD
 

大体The Beloved、と言ってこの2020年に喜んでいる人が果たしているのかどうなのか怪しいのだが、私は90年くらいに、もうその時にはダンスエレクトロニックポップバンド(デュオ)になってしまっていたけど、出会ってからずーっと愛しているのである。たとえ96年以降アルバムが出ていなくても、である。で、今回の再発になったアルバム、これはそのダンスポップバンドになってメジャーに行くまでにリリースされていたシングル4枚を集めたコンピ、である。そういえばこのアルバム、今までの人生で出会った中でThe Belovedが好き、と言っている人は1人しかいなかったけれども、その彼が20年くらい前にCDを焼いてくれてそれを聴いていたなあ。その後中古でここに収められているシングルは全部入手出来たし(信じられないほど全て安かった)、このコンピ自体もある日盛岡の厨川ブックオフに行った当時盛岡在住だった友人(というか高校時代の同級生の例のMurder Most Foulな彼)から「なんかレコード一杯置いてるんだけど」という電話をもらい、その場で1枚ずつ電話で「あ、それはいる」とか「それは持ってるからいらない」とリモート買い付けを行った際に入手できたし、何ならそれから数年後自らまさにその厨川ブックオフに行った際にまさかのCDで発見、とかしたので我が家には既にもうたくさん、というくらい、ここに収められている音源はある。でもね、やはりここに収められた瑞々しいメロディのバンドサウンド、そしてインディ時代最後のまさかの打ち込みダンスナンバー、とか通して聴くだけで80年代後半のイギリスの音楽シーンを追体験できてしまうような歩みをしたバンドのアンソロジーだったら、しかもレアトラックまで付いてるんだから、って買ってしまうのである。なんかディスク2のデモトラックとか聴くとベースのエフェクターのせいかも知れないけれどもSiouxsie And The Bansheesみたいに聞こえたり、Joy Divisionみたいに聞こえたり、という瞬間があって80年代前半にバンドを結成する、ってこういうことなのかな、って見えて面白かったし、更にそっから進化した時点でディスク1のシングル集を聴くと今度はNew OrderっぽかったりWild Swansっぽかったり、ということでもしかしたらやっぱりインディヒーローにはなれなかったバンドなのかも知れないけれどもそこそこ地道にギターバンドとして開花したかも知れないバンドをいきなり方向転換させてしまったアシッドハウス、というムーヴメントは本当にとんでもないショックウェーヴだったんだな80年代後半のイギリスでは、と本気で思うのであった。ちなみにThanks欄にはNew Order等のマネージャーだった故Rob Grettonの名前もあって、あーやっぱりね、と何となく感じていた初期New Orderっぽさに合点が行ったのであった、ってあー思いが強すぎて書き過ぎた・・・。