Life's What You Make It

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

とか新年めでたい筈なのに、いきなり元The Birthday Party、元Crime And The City Solution、元These Immortal SoulsのRowland S. Howard氏が年末に逝去した、とのニュースを知ってしまい、そんな気持ちにもなれないのだった。2009年は来日したし新作出たしプロデュースしたバンドのアルバムも出たし、で活発だなー、とわくわくしていた矢先だったのでなんか呆然と。あの生々しく放電するようなギターが聴けなくなるのかと思うともう何ら言葉が出てこない。もういきなり勝手に喪中な気分である。

かように2009年はこちらが一方的に知っている方々の訃報ばっかりだったような気がして、でもそれは多分今後も続くんだろうなあ、と思うとある意味覚悟みたいなものをしなければならないのだ、ということを元日に思った次第である。何か、気を引き締めていかなければならない、というか何というか。

でも、2009年に出会えた、というか少なくとも私が聴くことができた中で印象的だったアルバムを10枚にまとめてみると以下の通り。
Antony And The Johnsons / The Crying LightThe Crying Light
2 Much Crew / Bubble YouBUBBLE YOU
Moritz Von Oswald Trio / Vertical AscentVertical Ascent
Florence + The Machine / LungsLungs
Norah Jones / The FallThe Fall
Sunn O))) / Monoliths And DimensionsMonoliths & Dimensions
Akron Family / Set 'Em Wild, Set 'Em FreeSet 'Em Wild, Set 'Em Free
Prefab Sprout / Let's Change The World With MusicLet's Change the World with Music
Sonic Youth / The EternalThe Eternal
Devendra Banhart / What Will We BeWhat Will We Be

そりゃあ他にもTortoiseとかLeo今井とかOmとかThe OrbとかCaetano VelosoとかKings Of ConvenienceとかFlorian HeckerとかBob DylanとかSondre LercheとかWilcoとかOs MutantesとかDepeche ModeとかYo La Tengoとか、枚挙に暇がない。ただ、何か「今までと変わらないけど深化した良さ」とか「変わってないっぽいけど新鮮だ」とか「単純に清々しい」とか「なんだこりゃ」とか色々考えてみるとこんな感じだろうか。なんか2009年は新作ではなく再発とか旧譜とかをあっつく聴いていた気がしないでもない。それは今年も変わらないのかも知れないが、2010年も面白い音楽と出来るだけ出会いたいものだなあ、と心より思うのであった。多分、出会える。絶対、出会える。

まあ、上記はあくまで私個人の10枚であるので、「へーこういうのが気に入って聴いてたんだ」と解釈していただきたいものである。決して「2009年を代表する音楽!」とか「2009年の傑作たち!」とかそういう大袈裟なものではないのである。だって、2009年に出てきた全てのアルバムを聴いたわけではないのであるからして。

そういう「極私的」という観点から行くとぶっちぎりで2009年はMarc Almondの「Orpheus In ExileOrpheus in Exile: The Songs of Vadim Kozinがグッと来た。カヴァー集なので何かちょっと違うかなあ、とか思って上には含めなかったのだが、彼の歌い手としての円熟具合が完璧だった。

もう2009年振り返りついでに、2009年聴きまくった曲はSu Kramerの「You've Got The Power」である。1976年リリースのディスコナンバーだから2009年どころの騒ぎではないのだが、このコンピDisco Deutschland Disco: Disco, Funk & Philly Anthemsを入手して以来、嫌になるくらい聴きまくったのだが全然飽きない。しょうもない曲なのかも知れないのだが、聴くたびに肉食系女子アンセムになりうるエネルギーの爆発にやられる。あともう1曲、浅川マキの「にぎわい」DARKNESS Iである。ムッシュかまやつ入魂のワルツと、マキ様の歌詞世界と節回しが融合と分離を繰り返す何とも聴くたびにしみじみとさせられる切ない名曲だった。ってこれも70年代だが・・・。

こんな感じで音楽の面から2009年を振り返ってみたので、今度のエントリでは何か違う観点から個人的に振り返りたいと思います。今日はRowland S. Howardの「Pop Crimes」を聴いていたがこちらを参照してください。今日は冷静には書けません・・・。まあいつもなんですけれども・・・。