The Bloom Is On

今、拙ブログの愛読者の間で気になり指数急上昇中であろう宮城県のスーパーマーケット「つかさ屋」であるが、過日話題にしたのとは別の、我が職場近所の店舗に昼食用に海鮮丼買いに行ったらThe BawdiesからのきゃりーぱみゅぱみゅというBGM選曲だったので逆に何か裏があるんじゃないか、と気になって仕方がない。多分私が店を出た直後から凄惨なBGM大会になっていたのではないか反動で、と思うと今こうしていても何だか落ち着かない。

しかし私の昼食と言えば行きつけのラーメン屋が閉店する、ということになってしまって絶望的に打ちひしがれているのだ。まあもともと趣味の店的な変な店ではあったけれども、週一で通っていたし、挙句の果てには勝手に中盛りにされたりトッピングされたり謎のサーヴィス受けたり、ということであまり認識はなかったが常連化していたので、これは寂しい。そういう変な店だったが故にいつでも余裕を持って座れたし、何よりも美味しかった。嗚呼、お弁当以外の外食日にはかなりの確率で昼食難民決定である。

いやはや、生きるってことは色々なレヴェルでのさよならの連続ではあるのだが、参った。warszawa然り、居酒屋天狗然り。私が必ず安心できて満足できる店がどんどん減って行ってしまう。とくにこの東北の地に於いては震災以降加速している、さよならが。さよならがどんどんスピードアップしている。原発にさよなら、だけじゃないんだ。意志と関係なく生活のささやかな楽しみとか拠り所にもさよなら、になってしまうんだこの街では。

でもまだ私は色々な命にさよならではなかっただけ幸福な部類の人間なのだ。

こうしてFloratoneの「II」にこんにちはできているわけだし。今Vinicius Cantuariaと来日しているらしい(うおおおおライヴ行きてええええ)Bill Frisell率いるバンドのセカンドアルバムである。ファーストFloratoneはどことなく幽玄な、それこそDaniel Lanoisがプロデュースしてもしっくり来るんじゃね、的な音だったのだが、今作はかなり軽やかでさらりとしたアルバムに仕上がっている。Matt Chamberlinとのデュオ、プラスプロダクション担当で2人、というクレジットになっているが確かにMatt(奇遇にも同時に買ったBruce Springsteenの新作でも大活躍)のドラムスの存在感がかなりでかい。勿論変幻自在のBillのギターが全体を締めているのは言うまでもないのだが。加えてゲストのベースに鍵盤にトランペットにヴィオラ、という楽器の構成も華やかさを添えるのに一役買っている。快活な曲が増えたところが今作のポイントであるが、何よりも、こういうインストでこういう音の手触りだと変拍子繰り返してどかーんと盛り上がる、ってなるとよくあるものだと思うのだけれども、どこまでも優雅に緻密にインタープレイを繰り返して空間を「鳴らして」いるような音作りにはさすがだなあ、と感心させられる。そう、隙間が良いのである。それでいてどことなく人懐っこいメロディ、フレーズを織り交ぜて畳みかけてくるのだから、ねえ、何回リピートしてもまだまだ聴き足りない気持ちにさせてくれる傑作なのである。