Past Lives

アロハ。

ということで早いものでハワイ生活が1週間過ぎた。早いと言えば早いのだが、この間の月曜日にしたこと、とかを思い出してみると凄く昔のことのように思えたりもするから何だか不思議である。この土日が初のフリーデイズだったのだが、初めてハワイの日差しって強いんだな、暑いんだな、と感じた。昼間は毎日大学の中にいるものだから。そしてその室内は鳥肌が立つほど、具合が悪くなりそうなほど冷房が効いていて長袖を着ねばならないほどだから。

あと大学からの帰り道、散歩がてらバスではなく徒歩で帰ってみたら道を間違えて、さびれた住宅街を抜けて1時間半も歩いたりもした。途中住宅街の楽器屋で道を聞かなかったら多分帰るのはもっと遅くなっていたかも知れなかったなあと思うのだが、まあ勉強というか冒険というか経験というか。

しかしそんな中でネットが通じるのは大変心強いし便利である。土日の予定を考える時に色々ネットで見ていたらハワイのレコフェアが現地の高校の食堂で行われる、ってのを見つけた時は衝撃だった、というか信じられない、というかハワイは俺を待っていてくれたのか、とか頭おかしくなりそうなくらい興奮した。

ということで行ってきたのであるが、まず入場する際に3ドル払って日本のクラブのように手の甲に再入場用のチェックをされる。されるのだが赤マジックでされたのでまだ全然落ちない、というかこれ結構落ちないんじゃないか・・・。まあ、それは良いがそれで入場すると中には人がわんさか、本当にわんさかいて、もうレコードの箱にみんな張り付いているから隙を突いて箱に辿り着かねばならない。

前日の土曜日に行った地元の中古レコード屋さんはビニールなんてものにはレコードは入っておらず、結構ジャケのダメージはでかいのばっかだったから覚悟していったのだが結構ビニールに入れて売っているところも多い。新品屋もあってBurialとかThe Smiths再発とかRadioheadとかAphex TwinとかMogwaiとかの新品のアナログ売ってたりしてたのがまず驚きだったが、個人での出品も多く、大雑把に角やらジャケやら擦れたレコードをどばーっと並べて売っているところもある。そういうところで1ドルとかだったりすれば良いかな、とか思うのだが半端に7ドルとかつけてるのを見るとどういうことなんだ、と混乱する。

でも一番混乱したのは何故ここで・・・、というレコードが結構見受けられたことだ。The FallやらThe Wild SwansやらFeltやらThe Weather Prophetsやらが、EaglesとかGenesisとかFleetwood Macとかに混ざって箱から発見された時には、くらっと来たりした。まさかこんなところで会うとは思わなかった、俺を待っていてくれた!とかラリって全部抱えそうになったが冷静に考えて持ってるじゃん、となったので戻したりもした。

結局商品的には結構少ないので1時間半くらいで出て来てしまったのだが、なんか面白かった。お弁当とか売ってたりして本当にお祭りみたいな感じであった。話によると(現地人の会話盗み聞き)、昨年のフェアの際には出店があったりしたようなのでもっとお祭りみたいなものだったのかな、と夢想する。日曜日の昼間に老若男女が高校の食堂に集ってレコード探してたり、白髪の老人が「Route 66」入ってるからといってDepeche Mode買ったりしてるのを見ると、なんか良いものである。

でもお店の人が客との会話で、うちみたいにCDとかレコードとか売ったりしてるなんて時代遅れだからさー、みたいなこと言ってたりするのを聞くとちょっと寂しくなったりするのだな。実際上記、大学からの帰り道に歩いたのも古本とレコード売ってる店あるはずだから覗こうと思ったからなのだが、看板と店の外側だけそのまま残った状態で潰れてたし。そういう波は早く引いて欲しいものだが、こういうレコフェアみたいなのも、本当に骨董市みたいなものになって細々となっていくのかな。

それでも続けば良いとは思うのだが、こうしてDIIVの「Oshin」をPCで聴いたりしているとこういうPCに入った、というかフィジカルじゃない状態でしか音楽聴かない人もいるのかもな、とふと思いいたって何とも言えない気持ちになる。私はアナログ盤に入ってたダウンロードクーポンを使って取りこんだのだが。Beach Fossilsのメンバーのソロプロジェクトのファーストアルバムである。昔は完全に1人ユニットだったようであるが、今作ではバンドとなっている。何と言うか不思議な感触の音楽である。ギターのふくよかで細やかなフレージングは何だかねねねネオサイケという感じなのだがメロディはどこまでもメランコリックで、しかしフックがない感じで反復に次ぐ反復でミニマルだったりする。ヴォーカルも入っているのだがやたら遠く、シューゲイザー的な感じだったりするわけで。つまり各パーツ的には聴いたことある感じだなー、という印象なのにそれらが全部合わさった最終形は全くありそうでなかったような音になっている、という。でもこの低音が薄い感じとかイントロに曲の全て入っちゃってるような感じとかシンセの薄い層の具合とか、聴いてて気持ち良すぎるのでこれは危険である。Captured Tracksは良いレーベルだのう、本当に。