Harry’s Place

今日はうずらの卵について考えていたんだ。

発端は今日の昼食時。職場近くの中華食堂で五目焼きそばを食べていたのだ。余談だが、この店は、メニューが沢山あって昼時にはチキンカツもトンカツもラーメンも麻婆豆腐もワンタン麺も中華飯もレバニラ炒め定食も酢豚定食も、更にはじゃんじゃん電話が鳴って出前もこなしているから4人で回す厨房はいつでも大忙しなのに、物凄いスピードで注文したメニューが運ばれてくる、物凄く「デキる」中華食堂である。

更に余談だが、私の場合「その店」が好きで行く、ということもあるけれども「その店のアレ」が食べたいがために行く、ということがべらぼうに多い。他のメニューとか色々試したい、と思う時もあることはあるけれども、それよりは自分が前食べて覚えているものを胃袋が、口が、脳が求めている、という状態になってその店に行くことがほとんどである。だから、保守的な奴め、と笑いたければ笑え、私はこれが食べたいからこの店来てるんだよ、と見えない敵相手に威嚇しながら食べているのであった。だからこの店では、あの震災当日も昼食を取っていたりしてこれまでも結構行っているけど、いつも同じ回鍋肉定食しか食べたことがなかった。めちゃ沢山メニューがあるのに。

・・・壮大に話がずれた。ということで五目焼きそばである。これがまあ、軽く失敗だったのでやっぱりこれからはやっぱり回鍋肉定食しか食べない、と決意したのである。ちょっと甘すぎないか、この麺・・・、いや、あんかけのせいか・・・、とか悩みながら食べてしまった。やはり慣れないことはするものではない。

ということでまだ話がずれているのだが、やっと軌道修正できそうだ。その失敗五目焼きそばの上には紅ショウガとうずらの卵が載っていたのだった。いかにもお得なおまけですよ、トッピングですよ、みたいな感じで。で、私は、全てどちらも最初に食べてしまったのだった。何故そのような行動に走ったかと言うと、単純に別にうずらの卵に魅力を感じないからである。

でも皆、好きなのですかうずらの卵・・・?いや、否定しているわけではなくて、皆別に五目焼きそばに限らず、何らかの中華料理の上に乗っかっているうずらの卵って嬉しいものなのですか・・・?ショートケーキのイチゴみたいに最後まで取っておいて食べたりするものなのですか・・・?自分があまり魅力を感じないものだからついついおざなりな扱いをしていたのだが、もしかしたら貴兄貴女にはとても魅力的で、つい微笑みがこぼれて、人生を楽しくしてくれるような、そういう存在のものなのですかうずらの卵って・・・?

The Birthdayの「あの娘のスーツケース」NIGHT ON FOOLというなかなかイカした曲があるのだけれども、その曲の歌詞でも「純粋ぶるのが苦手な女の子」だけれども「うずらのタマゴは いつも僕のために とっておいてくれる そんなとこもあるんだ」というフレーズがあったりするのだから、結構世の男はここに共感して、うずらの卵を取っておいてくれるような女の子が好きだったりするのかな、と思ったりした。ということはやはり、大体の方々にはうずらの卵はちょっとした嬉しいものなのだろうなあ、という結論に落ち着きそうである。あ、私の場合は取っておかなくて大丈夫ですからね、食べちゃってね。その代わり、君のその五目焼きそばのキクラゲ、1個くれないかな・・・?

Bruce Springsteenの「High Hopes」を聴く。意外に2000年代に入ってからハイペースのリリースが続く彼の新作である。今作もソロ名義ではあるが、演奏の要所要所にはThe E Street Bandの面々の名前が見えるのはいつも通りと言えばいつも通りである。今作はカヴァーやセルフカヴァーも含んでいて、ちょっといつもの彼のアルバムのノリとは若干異なる。そしてオーストラリアツアーに参加していたRage Against The MachineのTom Morelloが大々的にフィーチャーされていて、時折彼のトレードマークだったスクラッチ音みたいなギターが入っていたり、ちょっと硬質な音作りがあったり、ということで海外メディアではだっせえプロダクション、もしくはやり過ぎでメロドラマティックな、みたいな感じで評判悪い今作なのだった。しかしそんな悪くない。というか私としては「Magic」Magic以来のすっと入ってくるアルバムだったりする。何と言うか色々な場所でレコーディングされていて、参加メンバーも結構バラバラだったりするし、上述の通りカヴァーとかもあるからとっ散らかってそうなものなのだが、逆に肩の力が抜けた大らかさのようなものがあって、凄く素直に良い曲ばっかだなー、と聴けるのだった。歌詞もぐっと来るのがあるしねえ。ちょっとここ最近狙い過ぎ、みたいな印象が強かった彼のアルバムだったのでこういう感じ、良いなあ、と聴いている。ただ、確かに過剰なプロダクションがあるのは確かと言えば確かなのでそこら辺はちょっと目をつぶりたいところである。しかし今回カヴァーされている曲の中にはまさかのThe Saints(しかもお気に入りのバンド、とか本人がライナーに・・・)があったり、以前10インチDream Baby Dream (10in) [10 inch Analog]でライヴヴァージョン出ていたSuicideの「Dream Baby Dream」があったり(これは以前のヴァージョンの方が良かったな)、とそこら辺もちょっと意外と言えば意外、でも結局思いっきりSpringsteen節の曲にしか聴こえないくらいの消化力が彼のここ最近の多作ぶり、ツアーしっぱなしぶり、更には好調ぶりの表れだと思うのだが。

ちなみにDVD付きエディションはまさかの「Born In The U.S.A.」全曲再現ライヴということだったのだけれども、結局CDのみのエディションを買ってしまったのだった。上の左側がDVD付きです。