All I Want

車にはほぼ毎日乗っているわけである。まずは通勤で片道10キロくらい往復するわけだし、休みの日に買い物だったり何かあったりすると車を使いがちなので、飲酒の機会以外は大体車を運転しているような気がする。

たまに時間に余裕がある休みの日には電車で街の中心部に出かけて色々と用を足したりするけれども、最寄り駅まで歩いて結構あるので天候に大きく左右されるし、家のこととか色々したり、宅急便の到着を待っていたりするとあっという間に午後の一歩手前の時間になってしまうので、ぱぱっと、という気持ちになって車で出かけることが多い。

まあ地方都市の中心部から離れた郊外だと結構普通のことなのではないかと思う。だから、若者の車離れ、とかいうことがよく言われているけれども私の住んでいる地方都市、しかもリアル郊外になってくると、はて本当にそうなのかしら、とピンと来ないものである。東京とかだったら話はまた全く別なのだろうけれども。だから震災直後のガソリンがない、ということがどれだけ深刻だったのかはもしかしたら都会ではあまりピンと来ないことだったのかもなあ、とふと思ったりもする。

私は車の運転が好きだ。とくに1人で自分の車を運転することが好きだ。まあ、大きな音で音楽を聴けるから、というのが大きいのは何となく察しがつくところだとは思うけれども、実際その通りである。だからもしかしたら車の運転が好き、というのとはちょっと違うのかもしれない。現にCDプレイヤーのついていない職場の車を運転することとか、あまり気乗りしないものだし。毎朝仕事に向かう時にはどれ何を聴くかな、という感じで棚からCD抜いて車に乗り込むのだった。昨日の朝はStruggle For Prideの「You Bark, We Bite」YOU BARK WE BITEで帰りはPublic Enemyの「Fear Of A Black Planet」Fear of a Black Planetだった。大荒れだったことが容易に想像がつくな・・・。

だから私の車のCDプレイヤーはエンジン等の走りに必要な部分と並ぶ、物凄く重要なものなのである。実は今年の元旦、実家に向かう途中でCDが1周するとまた最初に戻ってリピートするはずなのに止まってしまってエラーが出た。で、CDを何回抜き差ししてもエラー、どんなCDを入れても読み込まずエラー、エンジンをかけ直してもエラー、という絶望的な状況になったのだった。

以前もCDによってはたまに同じようなことが起きていたのだが、違うCDとかにしたらいつの間にか直っていたりしたものだが、今回は全くもって絶望的に全然ダメだったので元旦から大いに凹んだ。「ラジオ聞けるから良いじゃん」というのは全くもって見当外れな意見である、私にとっては。そりゃたまに聞きたくなるし、もちろんいつだって面白い(とくにNHKのAM)のだけれども、そういうことではないのだ。

嗚呼修理か、それともiPodとか聞けるようにしないといけないのか、いやiPodでは私の要求に応えられないからダメだな、うおおお、と大いに悲嘆に暮れていたのだがイチかバチか、車のCDプレイヤーが内蔵されているインパネ部分を相撲の張り手の要領で、全体重をかけて手のひらで叩く、というか叩くような勢いで押してみた。元旦の夜から荒療治だ。そうしたらフツーに直って今ではそのトラブルが嘘だったかのような勢いで快調なのだから機械って何なんだろう・・・。そしてのび太のママはテレビをチョップして直したりしていたが、やはりそういった荒療治は有効なのだな・・・。

今朝も気分は最悪(まあ仕事の日は毎朝だが)だったが、車ではThe Lightning Seedsの「Cloudcuckooland」を聴いていた。そうだ、地方ではブックオフ周りとかしないといけないからやはり車が必要だ。今年に入ってからブックオフ、そしてハードオフで熱い掘り出しが続いているのだが、これもそのうちの1枚である。今までThe Lightning Seedsはベスト盤で楽しんでいたものだが、ふと最初期シングル2枚のうち1枚「Joy」がベスト盤に入ってないじゃん、と気付いてしまって、絶対あるはずだ、とブックオフでこのファーストアルバムを安価で探していたところだったのだ。Echo And The BunnymenPorcupineやThe Pale FountainsFrom Across the Kitchen Table、The FallI Am Kurious Oranjにその他もろもろ、一時期良い感じのギターバンド(ほら、The PopinjaysFlying Down to Mono Valleyとか・・・)を聴いていると大体プロデュースのところに名前があった名プロデューサー、Ian Broudieのソロプロジェクト、90年リリースのアルバムである。まあ打ち込みにギターにベースに鍵盤に歌、という非常にシンプル極まりない作りながら、そのメロディの力、というか唄心、というか、で押し切るポップな傑作である。本当にどの曲も素朴と言って良いくらいにシンプルな曲、演奏なのだけれども、とんでもなく素晴らしいメロディのオンパレードに舌を巻かざるを得ない。The BanglesのSusanna HoffsがセカンドソロSusanna Hoffsでカヴァーした名曲もあり。曲は大体彼1人、もしくはThe Lotus EatersのPeter Coyleとか元The SkidsのRichard Jobsonとかとの共作、演奏も彼1人、たまにゲストでThe Icicle WorksのIan McNabb、OMDのAndy McClusky、といったどこまでもリヴァプール人脈で作られたアルバム。なんか、こういう音楽がちゃんと人気出て、その後押しも押されぬビッグアーティストになっていったりしていた90年代って、あんまり悪くなかった時代だったのかもな、UKでは。

セカンドSenseも名作なので、どれまた車のエンジンかけてブックオフに探しに行くか・・・。