Way The World Is

そうそう、既にお気づきの方もいらっしゃるかとは思うのですが、今月はなんとDJの予定がないのです。おそらく2011年の8月以来、初めてAOBA NU NOISEがお休みである、というのが大きな理由かとは思いますが、自分でも何だか調子狂っちゃいそうで怖いです。ちなみに来月は少なくとも2回ほどDJする予定がありますので、告知も次のエントリあたりから開始していきたいと思います。しかしDJする機会がないと、部屋のレコードとかCDとか引っ張り出して床に置きっぱなし、ということがないので部屋が片付いた状態が保てるなあ、と思ったりした。それが良いとか悪い、ということではなく。しかし聴いたCDを戻したりするのが億劫で、ついつい山が机の周りにできてしまっているのは私の不徳のいたすところである。

さて、私は「これから大変だね」とか「来年はtdさん大変だなー」とか、仕事で言われるのが本当に嫌いである。それは、「まあ自分にとっては他人事なんだけど」という意識の表れであるから、である。

そもそも私にとっては仕事をする、ということ自体が大変なので何でも大変なのであるが、自分の中ではあんまり大変だなーとか感じない人間なのである。というか、物凄く臭いがきついところを通り抜ける時って短時間息を止めて走り抜けるものだと思うのだけれども、まあ、そういう感じである。だからガスマスクした状態で「臭いよねー」と言われても、なんだとコラ、という気持ちになるわけである。

だから「いずれあんたのガスマスク奪ってそのまま閉じ込めてやる」、とか「あんたには大変かも知れないけど俺にはどうってことないですから」、という気持ちを込めて「そうですかね」と新聞を読みながら応えてやることにしているのだ。

Pale Saintsの「The Comforts Of Madness」を聴く。90年に4ADよりリリースされたファーストアルバムである。ちょっと久々にCD棚を眺めていたら急に聴きたくなったので。まだシューゲイザーとかそういう言葉も発明されていなかったけど、それでも何だかUKのギターバンドは活気が溢れていて、新人も中堅もベテランも皆物凄く良い感じの活動をしていたのう、と振り返ると物凄く自分が歳を取ったみたいな気分になってしまうがちょっとそう思う、そんな時代にリリースされたアルバムである。ついでに某ロック雑誌の過剰なまでの持ち上げ方とか・・・。まあそれは置いておいてこのアルバム、John FryerにGil Nortonのプロデュースという豪華な布陣で制作されたわけであるが、全曲つながってるわ変拍子多用だわ、となかなか一筋縄でいかない感じも新鮮だったが、何よりもタイトなリズムセクションと時にやかましすぎるギターの隙間から甘い歌メロが聞こえてくる、その音が何よりも強烈だった。時にアクースティックな曲とかもあり、何だかやたら混沌としているけれども聴きやすい、という奇跡のようなアルバムである。部分的にはあれっぽい、とかそれっぽい、とか色々言えそうではあるが結果、今聴いても目新しいところがないのにオリジナルな、という不思議な魅力があるなあ。この後はギターヴォーカルで女性が加入、4人組となってすっきり整理されたセカンドアルバムイン・リボンズがリリースされ、オリジナルメンバーのベースヴォーカルのIanが脱退、全く別のバンドのようになったサードアルバムSlow Buildingsがリリースされて消えて行ったのだったが、この刹那な輝き大爆発のファーストはこれからもずーっと聴くんだろうな。