Where The Time Went

現在カナダにいるのでアレなのだが、一言だけ言わせてもらえば、私は日本にいない間に録りためてあるはずだった「ピエール瀧のしょんないTV」を帰国してからまとめて観ることだけを心の支えにしていたので、どうしてくれるのか、ということだけは言っておきたい。

 

さてそういうわけで今年も2年ぶり4回目のカナダ滞在なのである。ご存知の通り私は旅というものが苦手、なのでこういう仕事に向いていないのは明白なのだがどうもそうもいかないようでまたしても登板、ということになった。別に海外には自分からは行く気持ちなどさらさらないので、実はスーツケースも持っていない。置き場所にも困るし。だから毎回同僚から借りて済ませているのだがそろそろ、もしまた海外滞在を余儀なくされるような事態になったら今度こそ自分のを買わねばないのかな、とハラハラしている。観光では絶対海外など行きたく(あ、現状だと来たく)ないし、個人的には他の用途にも使い道がないので全く必要ないのだけれども、どうもここまでの流れを考えるとあと数回はありそうなので・・・。

 

でもまあ、来てしまったからには前向きにやらんといかん、ということでホッケーの試合とか観たりした。試合観るのは2回目なのだがホッケーってあのパックが小さいし、スピードがとにかく速いので結構追いかけるのが大変だったりするが、まあ面白い。肉弾戦もあったり、見所は多い。また試合の要所要所で爆音で「アゲ用」の音楽が流れるのも面白い。だいたい15秒しか流れなかったりするのでイントロでドカドカの曲ばかりなのだが、2年前に観た時と比してEDMみたいなのが増えていて、うーん。今回は「I Love Rock’n Roll」のイントロくらいだろうか、おー、ってなったのは。あとMJの「BAD」イントロのみ、というのがなんか諸行無常な感じで・・・。

 

そんな中Queenの「地獄へ道づれ」が、もちろんイントロのみだけど流れて、そういえばこの間飲んだ時にAOBA NU NOISEに於けるEVOLの相棒大久氏が、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観てQueenに興味を持った奥さんに、なんかQueenのレコードとか持ってないのか、と聞かれてこの「地獄へ道づれ」しか持ってなくてそれをしょうがなく家でかけた、という話を聞いて爆笑したことを思い出したりした。さすがEVOLの人だ・・・。もっとも私は1枚も持ってないんだが・・・。あ、David Bowieとの「Under Pressure」だけか。そう言えばQueenを全く通って来ない人生だったな、King

Bitter Sweet

Bitter Sweet

 

 とかPrince

LOVESEXY

LOVESEXY

 

 はあるのにな・・・。

 

とか、くだらないことをつらつら考えることができるくらいの時間があるのは良い。さすがに4回目の滞在なので大体の土地勘ができてきて普通にバスに乗って動いたり、歩いてなんか食べに行ったりできるし。ということで、今日は仕事が午前中で終わってしまったのでいつもの仕事場の食堂は使えず、今お世話になっている家にも誰もいないので近くのカレッジまで行って1人で食べて帰ってきたりした。

 

ということでこちらではiPodで音楽を聴いているのだが、Ex:Re

 

Ex:Re [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (4AD0132CDJP)

Ex:Re [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (4AD0132CDJP)

 

 を今日は聴いていた。4ADにDaughterという地味ながら良いバンドがいるわけだが、そこのヴォーカリストElena Tonga のソロアルバムである。バンドも物憂げなノリがあってとてもメロディアスで好きなのだが、こちらのソロは主にギターにチェロ、ドラムにベースという空間を活かしたバックで非常にシンプルで、すごく親密な感じが全体を支配していて、何だか声質も相まってCat Powerの新作

WANDERER / DIGIPAK

WANDERER / DIGIPAK

 

 を思い出す瞬間が多々ある、というかCat Powerのアルバムですよ、と言ってもなんか納得されてしまうような、そういうノリである。なんでも失恋もこのソロに関しては大きな要因だったようだけれども、決してリラックスして聴くことはできないような、ひたひたと迫り来る凄みみたいなものはそう言うところにも拠る所が大きいのかな、とか納得できてしまうような、そういう密やかながらテンションの高い1枚。しかしこんなにメランコリックな音楽も珍しい、というくらいの切ないメロディ連発なので逆にそうかい、という稀有なアルバムでもある。