Move Away

まあ我が職場でもこのようなご時世なので動画を配信する、という話になりつつある。ちょっと私の職業が何なのか、ということをご存知ない方には申し訳ないのだけれども、それはちょっとまあ言わんでおきたいところである。

 

この件に関しては私は非常に言いたいことがあって、それは別に世の流れに対して、ではなく、何も考えないままにこの世の流れのごくごく浅い表面的なところだけに乗っかっていこうとする我が職場に対してなのだが、まあ・・・、それは毎日職場で激烈にぶちまけているから良い。

 

でも動画、である。と言うか、「動画を作る」という前提のもとに考えるから私もおかしくなってしまうのであって、「何かを伝える、達成する→その手段として動画とか」と考えたら大分気も楽になった(本搾りとビールを各々500mlずつ摂取したから、というのもあるかも知れないが)、というかそれがごくごく当たり前の話であってそれをすっ飛ばしているのがおかしいわけだが。でまあパワーポイントに音声でもつけてやるか、とか考えたらごくごく自分にとってすんなりと腑に落ちる感じになってきたのでまあ、それも良いだろう(それは1lのアルコール飲料がまわったから、という説もある)。

 

まあ、もちろんまだ着手なんかしていないのだが(大体コンセンサスもへったくれもあったもんじゃないので明日まで職場のわたわたとした動向を傍観しておこうという気持ちからなのだが)、なんか真面目に作る気持ちよりは私の天邪鬼な部分、というか、飢えて涎を垂らしている、なんだろ、心の奥底にあるなんかやったれや、的欲望、みたいなもの?を満たしてやりたい気持ちにもなりつつあるので、なんかこう、激ユルなものを自宅で撮影して作ってそれを配信でもしてやろうか、とかいう気持ちになりつつある。もうコーヒーでも飲みながら語り掛けるような感じで、私が前面に出てきて解説とかしちゃうような、そういうものを作ってやろうか、と。

 

多分職場的にはそういうものを望んではいないだろうが、視聴する側にとってはまあユルく観れるから気晴らしにもなるだろうし。ただ、レコ棚の前はちょっと情報量が多すぎるから避けるべきだろう、とわかっているのはさすがの私にも少しは残されていた優しさ、とでもいえるだろうか・・・。

 

となるとDavid Bowieのポスターの前か横尾忠則のフライヤーの前か・・・。まあなんか絶対面白いもの作ってやる、とやる気が逆の方向に暴走する夕べの音楽はCulture Clubの「From Luxury To Heartache」である。

86年にリリースされた4枚目のアルバム、そして解散前の最後のアルバム、である。その後99年に再結成してアルバムが出るわけだが、それは聴いてない、というか聴こうという気にならなかったのでこれが私にとっても最後のCulture Clubのアルバムである。私がそもそも音楽にのめりこむきっかけになったのはCulture Clubのせいで、とくに最初の3枚のアルバムからの目くるめくような煌びやかなシングル曲群のせいである。

キッシング・トゥ・ビー・クレヴァー+4

キッシング・トゥ・ビー・クレヴァー+4

 
Colour By Numbers

Colour By Numbers

  • アーティスト:Culture Club
  • 発売日: 2003/10/07
  • メディア: CD
 
Waking Up With the House on Fire

Waking Up With the House on Fire

  • アーティスト:Culture Club
  • 発売日: 2003/10/07
  • メディア: CD
 

 で、この「From Luxury~」は「レコードを買う」ということをするようになってからリリースされたアルバムであるが、ちょっとそれまでとはノリが違う感じ、というのは当時11歳の少年にも感じられたものである。今にして思えばArif Mardinプロデュースでよりソウル~ファンク~ダンス、とでもいえるような路線に舵を切った曲が多く、ソウルフルなコーラスとかけあい、とかそれまでもちょいちょい見られたノリを強めた感じで、まあ渋いアルバム、と言えるだろうそれまでに比べれば。なんでも当時からドラッグで大変だったBoy Georgeの歌入れが難航、とか今にしてみれば不本意な作品(それまでのアルバムに比べればあまり売れなかったみたいだし)とは言えるのだろうけれども、ブルーアイドソウルのポップにかなり寄った作品、という捉え方で今では他のどのアルバムよりも聴きごたえがあったりするので、食わず嫌い聴かず嫌いは危険だ。やっぱりそんな風に全然バンドとして良くない状態だったにも関わらず、こんなにメロディアスで、出会いがしらに全てさらっていくようなポップソングだらけのアルバムでもあるわけで。しかしこの後Boy Georgeがドラッグで逮捕、解散、翌年ソロデビューで全英No.1、ともう明らかに生き急いでいるような具合の駆け抜け具合だったので、まあ何か色々音楽の魔法が各方面に効いていた幸福な時代の産物かな、とか思ったりもする。っつーかアルバム真面目に聴くの30年ぶりくらいかも知れなかったけれど、ちょっと泣いたっすね、正直言って・・・。