Big Wheels In Shanty Town

全然暑くないなあ、思えば去年も7月は雨ばっかりでひんやりしてたな、とか思いながらいたら8月に入った途端急にあっつくなって、そんでもってまたちょっとひんやりして、とかもう無茶苦茶で身体がついてこれないな・・・、とか言っていたら短い休みに入ったのだが、急に疲れが出たみたいで機嫌も悪く体調も怠く過ごしていたけど、今朝久々にめちゃくちゃゆっくり起きたらやっとすっきりした。

 

で、窓を開けたらリアル熱波が入って来て一瞬で今日はヤバい、と悟ったので今日はできることならずっと家にいよう、と決心して片づけ(勿論終わるわけがない)やら読書やらお料理やらやっていたのだが、我が家に心強い秘密兵器が導入されたのでそれを紹介したいと思う。 

Bose Wave music system III(パールゴールド)WMS III GLD

Bose Wave music system III(パールゴールド)WMS III GLD

  • メディア: エレクトロニクス
 

いや、実際はこんなに新しいものではない。多分このWave Music Systemの一番最初の、結構古い奴だと思う。CDとラジオしか聴けない奴、である。

 

何故これが今我が家にあるのか、と言うと3年前に父が亡くなったのだが、彼が生前実家で使っていたものを持ってきていたのであった。で、なんか使い道ないけど勿論捨てることはしたくないな、とずっと放置していたのだがふと思い立って我が家のお茶の間の窓際に、ちょうど台所に向くようにセットしてみたら、凄くこれが塩梅良いので大いにここ数日感動している。

 

私のレコード等を聴くためのコンポはまた別の部屋にあって、スピーカーがまた違う方向を向いているから台所作業の際に音楽を聴くのはなかなか難しかったわけであるが、これで台所リスニング問題、一発解消、である。しかも、凄く今更の話なのであるが、これ、めっちゃくちゃ音が良い。こんなにコンパクトな、いわば往年のラジカセにちょっと毛が生えたくらいの大きさなのに、凄い迫力のある低音とバランスの取れた高音がぐわっとこちらに迫ってくる音、なのである。イコライザーとかないのだけれども、全くそれを必要としない、もう完璧、と言っても良い音なので、ここ最近では一番衝撃を受けた体験であった。我が家の多分最初期のモデルでさえそうなのだから、現行のめちゃくちゃオンラインにも対応しているモデルとか、凄い音になっているんじゃないか、と思われる。

 

で、そのめっちゃ良い音のこのシステムでRain Tree Crowとかを聴きながらカレーを作っていたわけである、熱波の中。

Rain Tree Crow -Hq- [12 inch Analog]

Rain Tree Crow -Hq- [12 inch Analog]

  • アーティスト:Rain Tree Crow
  • 発売日: 2019/03/28
  • メディア: LP Record
 

 当然このリンクのアナログではなく、昨日ブックオフで290円で購入した2003年リマスター盤CDを聴いていた。何でお前はまたアナログ原盤もCDも既に持っているのにそんなものを買っているのか、と言われればそれはこの2003年リマスター盤だけ1曲多いのである。まあそれとて我が家にある12インチシングルのB面の本当に1分ちょっとの小曲なので、そんなに大声で言わなくても良いことだけれども・・・。ということで元Japanの4人が新たに集まってインプロヴィゼーションを積み重ねて作った音源をまとめた91年リリースのこの名義では唯一のアルバム、である。David Sylvian対他の3人、というえぐい対立の末にワンオフユニットになってしまったわけだが、本当はもっとポップなものを目指そうとしていた、という話もあって意外だった。でも、インストと歌入りが良いバランスで配置され、歌入りはとてもメロディも美しく、ポップな作品を作ろうとした断片が窺える。まあ、David Sylvianがめっちゃ全面的に最終仕上げをやったらしく、彼のソロに近い色が濃いのはしょうがないとは言え、バンドでのこういうセッションの末にどことなくエキゾティックな空気も取り入れつつ、他にはどこにもない不思議なポップミュージックが出来上がっているので、今聴いてもとても新鮮で大好きなアルバムである。しかもこれが我が家のBoseのこのシステムで聴くと、いやー聴いたことのないような音のアルバムになっていて、2020年ではあるけれどもまるで初めて聴いたような興奮、を覚えた次第である。