Shutting Down Here

結局いつものことで例年と変わらないのだが、お盆休みと言えどもとくに華々しいことはなく部屋を片付け、ブックオフに本を売り(最安値を更新した)、その3倍以上の値段でCDを3枚買い 、

Emit Ecaps

Emit Ecaps

 
Solid Ether

Solid Ether

 
Space Is Only Noise

Space Is Only Noise

  • アーティスト:Nicolas Jaar
  • 発売日: 2011/11/14
  • メディア: CD
 

お墓参りに行ってまたブックオフに寄り 

ブラザー・トゥ・ブラザー

ブラザー・トゥ・ブラザー

 
You the Night.& the Music +Bns

You the Night.& the Music +Bns

  • アーティスト:Gallon Drunk
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD
 

 という感じである。何だか娯楽=ブックオフ、になりつつあってこんなはずでは・・・、と思うのだが思えば相当昔から、私の場合そうであったということに気づく昨今である。

 

で、そんなブックオフのことを考えることが多い日々の愛読書は、『ブックオフ大学ぶらぶら学部』である。これ、amazonでは扱ってなくて、イカした、こういうお店とかこういうお店とかで扱っていたのだけれどもどうも売り切れているらしく、こんなタイミングで言及するのもどうか、と思うのだがもし再入荷とかした際には是非読んでいただければ、と思うのであった。

 

内容は8人の方による、ブックオフへの想いやまつわるエピソード、転売のためにブックオフでがつがつ買っていた人々の解説など(ネタバレ的なものを避けるためにすごく敢えてうすーく紹介してみました)、ある程度ブックオフに行っていた(る)人間ならばめちゃくちゃすこん、とみぞおちに入ってくる話ばかりで、物凄く共鳴できて、且つ謎が解ける話ばかりなので夢中になって読んでいた。

 

主に本に関してのブックオフユーザーの話なのであるが、CDに関しても同じことが言えるなあ、とか、なんかバーコードリーダーみたいなもの持ってかごに、ちょっとこれ誰買うのよ、みたいなCDをばんばん放り込んでいた人々、確かにいたなあ、とか思い出されるものである。そう、でそういう人々が消えた理由も書いてあって、凄くためになった。

 

私の場合、よその土地に車で行った際には必ず寄るし、何なら市内もまあ、結構な頻度で何らかの心の癒しを求めて行ったりしているのだけれども、本当にCDコーナーが最近ではいつも空いている。いても私くらいかそれ以上の最早初老以上の男性しか見ていない。でしかも、棚を「洋楽A」からずーっと、気が向いたら邦楽棚も見て、という感じで腕組みしながらずーっと見ている人とか、あんまり最近見かけないものである、って書いて思ったけど昔からそうでもなかったかな・・・。いたら大体知り合いだった、ということが思い出されてきた・・・。

 

まあ私にしてみれば、上記転売目的の人がいた頃とか、ちょっと前までの混んでた時期とかに比べて全然見やすいからありがたいのだけれども、CD、本当にあんまり求められていない、のかしらね最近は、とふと思ったりするのである。

 

かく言う私も、最近ではあまり買わずに厳選している、つもりなのだが前のエントリでのRain Tree Crowとか、ついつい「うお!リマスター!ボートラ!救出!」とかなってしまうのであるね。あと、「車で聴きたい!」ってRoberta Flackとか290円だし・・・、って買ってることもあるね。 

Best Of: Softly With These Songs

Best Of: Softly With These Songs

  • アーティスト:Flack, Roberta
  • 発売日: 1995/02/10
  • メディア: CD
 

 

まあ、結局ブックオフは中古レコード屋とかレコードフェアに行く時みたいな「見つけたる!」みたいなテンションではなく、「何かあるかな」的ユルいテンションで行けるから、最近の疲れ気味のアラフィフ突入期の男性には良いのかも、と思うのであった。そのユルさを保ち続けてほしいし、できればネットとかを全く参考にせず、大胆に510円以下コーナーにバンバンCDを投入してほしいものである。

 

あ、ところでCDの整理、というのが実は今我が部屋での結構な問題になりつつあるのだが、そこで頭を悩ませている「私」という人間と、ブックオフに行っている「私」、というのがなかなか同一人物であるとは自分でも信じられなかったりすることもある、ということは一言付け加えておこう。

 

Jim O'Rourkeの「Shutting Down Here」が凄く良い。

Shutting Down Here [Analog]

Shutting Down Here [Analog]

  • アーティスト:Jim O'Rourke
  • 発売日: 2020/08/14
  • メディア: LP Record
 

Editions Mego傘下の新しいGRM Portraitsというレーベルの第一弾としてリリースされた作品であるが、フランスのGRMを彼が過去2回訪れた経験をもとに作られた(ちょっとどういうことなのかわからないが)長尺の1曲、ということらしい。その間には30年という間隔があり、もしかしたらその30年間を振り返ってみて、ということなのかも知れないけれどもやたらと静謐で、ヴァイオリンとピアノ、トランペットもその道中に現れては消え、ヴォリュームのたまにぐっと上がったらまた下がったり、という、そう、なんだか「旅」のような1曲。「Sleep Like It's Winter」

sleep like it's winter

sleep like it's winter

  • アーティスト:Jim O'Rourke
  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: CD
 

よりも更に抽象度は増していて、旅が地上に留まらず宇宙?それとも内面?という道のりになっているような作品で、めちゃくちゃ美しいし、いったいどうやってこんな構造の曲思いつくのかな、と素朴に彼の天才っぷりに感心する1枚。とにかく彼の場合異常に作品が多いけれどもその中でも最高峰かな、と。ちなみに何故か、彼の所謂歌もののアルバムには全然、不思議なことに惹かれないんだよなあ・・・。