Penpals

白と黒、M~XLのサイズ展開ですよろしく!まだまだ貴兄貴女からのオーダー、お待ちしております!
 
10年目の3月11日午後2時46分は病院の待合ロビーで迎えた。
 
母が昨日転んで肩を打って、昨日は病院3軒回るツアーでそれはそれは大変だったのだけれども、結局骨折していて入院して手術をすることになり、その説明を長男たる私が聞くために病院にいたのだった。
 
かくいう私も先週金曜日に親知らずを抜き(これは個人差があることだと思うのだけれども、痛くなくはないし、楽しくはない経験であった)、何だかどうにもこうにも口の中の奥の方に違和感を抱えたままである。
 
そう言えば、どうにも最近細かい字が見えにくくなってきて困る。私は日中はコンタクトレンズ、家にいるときは眼鏡、なのだがとくに眼鏡の時に難儀するものである。眼鏡を外して対象に思いっきり顔を近づけて見ている様は、The 老眼、という光景そのものであろう。
 
つまるところ、まあ親知らず抜歯はひとまず置いておいて、この10年の間、確実に言えるのは10歳年を取った、ということである。私はもう、10年前よりも若くはないし、それは結局のところ昨日よりは若くない、ということを日々積み重ねてきたからである。なんだか、Some Girls Are Bigger Than Others
THE QUEEN IS DEAD [3CD+DVD BOX] (2017 REMASTER)

THE QUEEN IS DEAD [3CD+DVD BOX] (2017 REMASTER)

  • アーティスト:THE SMITHS
  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: CD
 

的な話、もしくは小泉進次郎(バカ)的な物言いだが、歳を取ることができるだけ幸せ、ということを今日くらいは思ったとしても、それは変な話ではないだろう。

 

節目節目、ということをよく聞く今年だが、結局毎年節目なのである。だからたまたま10回目の節目、というだけで来年は11回目の節目が来る、ということで100年後には110回目の節目が来る、ということである。そのように震災のことを考え続けることが大切なのだと思う。感動的なエピソードだけ、とかセンセーショナルな悲劇だけ、をピックアップして垂れ流すだけではなく。

 

しかしこの10年の間に、震災当日私を実家に迎え入れてくれた父も、地震で地面が割れて家が真っ二つに割れて住めなくなり、その後大慌てで引っ越し先を一緒に探した義母も、石巻で被災して避難所で暮らし、その劣悪な環境が良くないということで、結構な大作戦の末に横浜に移動していったけれども結局地元が良い、と言ってすぐに戻ってきた祖母も、みんな亡くなってしまった。やはり10年というのは、あっという間ではあるが確実にその間にはそれだけの時間が流れたのだな、ということを実感する次第である。

 

Sloanの「Twice Removed」を聴く。

Twice Removed [12 inch Analog]

Twice Removed [12 inch Analog]

  • アーティスト:Sloan
  • 発売日: 2001/03/19
  • メディア: LP Record
 

カナダの所謂パワーポップ、と言っても良いであろう彼らのセカンドアルバム、1994年作品である。最近、ちょっと事情があって車に乗る時間が激増してしまって車内BGM選びを熱心に行う日々なのだが、久々に棚で目についたので聴いていた。メジャー2枚目なのだが、このアルバムでメジャーとは一旦決裂、インディでの活動に戻っていくわけだが何故このアルバムがイマイチ売れずに話題にならず、だったのか不思議でならない、珠玉の1枚である。シンプルなバンドサウンドをベースに、キャッチーで甘酸っぱいメロディにコーラスワークが炸裂しまくる、ポップスの魔法をしっかりと纏った奇跡的なアルバムだと思うのだけれども・・・。The Posies

Frosting on the Beater

Frosting on the Beater

  • アーティスト:Posies
  • 発売日: 1997/10/07
  • メディア: CD
 
Amazing Disgrace

Amazing Disgrace

  • アーティスト:Posies, the
  • 発売日: 1996/04/18
  • メディア: CD
 

も同じ頃同じレーベルにいて、またこのアルバムでの曲作りに於いては上記2枚との類似点も感じられるような気がするから、当時のゲフィンももうちょい両バンドともまとめてちゃんと面倒見てやれば良かったのによ、とか思ったりする。ところでアルバム10曲目、「Snowsuit Sound」は100回以上のリピートに耐えうる永遠の名曲なので何はともあれこの曲だけでも後世に伝えることが私の役目である、と宣言したくなる瞬間が多々あって、それはこの10年変わることはなかった。そしてそれは、多分これからも、なのであろう。