Why Does The Rain

とくに何があるというわけでもないけれども、もうすぐ連休か。

 

昨年も今年も何かあまりぱっとしない連休になりそうだけれども、それは別にいつものことか、ということで単純にお休みがある、ということはありがたい。いつもの連休だったら何等かの形で人との集まりがあってそれが唯一の連休の楽しみ、的なものだったけれども、まあいずれ、近いうちに。ところで、集まる楽しみ、というものが程度の差はあれ人間には本能的にあるんだろうな、と何となく思っていたものだけれども、その、「集まる」ということが最も忌諱されることになってる昨今、これから人間ってどうなっていくのかな、という不安もある。でも意外にうまいこと適応できるようになっていくのかな。

 

しかし去年あたりからなんとなく今の時期は「人生(仮)」みたいな感じだな、と言う風に思う。もしくは「生きている(仮)」みたいな。もちろんそれまで100%人生!謳歌してるぜ!なんて思ったこともないし、実際そんなことなかったけれども、少なくとも今ほど色々制約の多い生活ではなかったので、現在の「生活(仮)」状態とはやはりちょっと感覚的に違う感じだったな、と2021年には思うのであった。早いとこ(仮)が取れると良いのだけれども。しかし例えばネットやテレビや本などの中で描かれる世界、と今私たちが暮らしている世界、どちらが「世界(仮)」なのかわからなくなってくるな、こうなってくると。

 

しかしいつだって音楽には(仮)はない、と言うか少なくとも私が好きで聴いている音楽は(仮)なんかではない。もうこれしかないのじゃ、たとえいくら世の中(仮)には音楽(仮)が溢れていたとしても。ということでThe Loftの編集盤が出たのは今年に入って一番の朗報であろう。

Ghost Trains & Country Lanes: Studio, Stage & Sessions 1984-2005

Ghost Trains & Country Lanes: Studio, Stage & Sessions 1984-2005

  • アーティスト:The Loft
  • 発売日: 2021/04/30
  • メディア: CD
 

ご存じPete Astorの率いた極初期Creationレーベルの代表バンドの2枚組CD、である。The Loft時代はシングル2枚しか出ていないし、スタジオ録音はコンピ提供曲含めて7曲しかないが、2006年に復活してシングル出していてだから全9曲、なわけである。今回の2枚組CDには当時のスタジオ録音、Janice Longセッションに加えて、復活後のスタジオライヴ2回分(2005年と2015年)、それに84年のThe Living Roomでのライヴ、ということでこのサブタイトル(1984年から2015年)となっているのである。勿論その間には解散してThe Weather Prophetsになって、また解散して、と言う流れがあってThe Loftが30年以上続いていたわけではないのだけれども。最初期のThe Living Roomでのライヴはブート級の音質ながら各楽器の分離もよく、観客の声がまあうるさいけれども生々しいドキュメントになっているし、復活後の2回の音源も新曲も含めて相変わらずの理想的なギターバンドの姿を切り取っている。しかし復活後の音源はThe Loft名義であるがPete Astorソロ曲とかThe Weather Prophets時代の曲とかもやっていて、要はPete Astorのバンドとしての活動をThe Weather Prophets期抜きで追いかけることのできるアンソロジーである。今はThe Attendant名義でリリースを続けていたりソロ名義でカヴァーアルバム

You Made Me

You Made Me

  • アーティスト:Pete Astor
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: LP Record
 

出したりなんだかんだ言ってずーっと音楽作り続けている彼の、バンド時代の名曲(その第一期)を一気に堪能できるお得なコンピなのである。というか私は彼に関しては大好き過ぎて冷静になんてなれないので、これ聴かないなんて信じられない、(仮)過ぎる人生じゃないの、とか言いたくなるんですよね、はい。