そしてこちらもまだまだ!
前作
も大変すばらしかったので楽しみにしていた。チェロをメインにしながらも彼女のヴォーカルやエレクトロニクス等との融合具合も、実に涼し気で、この手の音にしては珍しくVirginia Astleyにも通じるめんどくさくないポップさが最高だったのだ。故に、今作もわくわくしながら引き取りに行ったのである。
実は、注文した段階ではアナログで注文していた。注文していた、と思っていたのだが後に注文履歴を見たら、CDになっていた。あれ、俺、なんか焦って間違って注文してしまったかな、いかんな、でももう入荷して発送されているから変更もできないので、うん、今回はCDで良い。いや、彼女の音楽性だったらむしろノイズもないようなCDで良いじゃないか。いや、CD「が」良い。CD「が」良いんだ、本当は最初、アナログが欲しくて注文していたわけだけれども・・・、ファーストもアナログだから揃えたかったものだけれども・・・、いやCDで!アナログより安いし!
と、アナログに後ろ髪をひかれながらもCDでこのアルバムを買うことの積極的な理由を見出し、自らを「この作品を最初っからCDで買おうと思っていた男」という風に作り上げ、セブンイレブンで引き取ってきた。
引き取ってきたのだが、なんか箱が大きい。アナログ用の箱である。あれ、箱大きい奴で送ってきたのかな、とその大きな箱の中央にちまっとCDが鎮座している光景を想像しながら、車に乗り込んで気になったのでその場で開封してみたら、アナログ大のジャケットのものが出てきた。CDのでかジャケって昔あったけど、いや、日本だけだよね、と思いながらその大きいアナログ大のジャケットのシールドを右手の薬指の爪でぴーっと切って開封してみたら中から、薄い肌色っぽいピンクのカラーヴァイナルのアナログ盤が出てきたので、大いに混乱した。
えっ、と思って伝票を見てもやはり「CD」になっている。もはや何がなんだかわからなく、大いに混乱しているままなのだが、一つ言えるのは、私の元々の狙い通りの結果に収まった、ということである。
多分私がサイトで注文した時はアナログだったのだが、その後何等かの手違いでサイト上でそれがCDという扱いに変わってしまい、私の注文した商品もCDという扱いになって、本当はアナログなのにCD扱いのまま私のところに来た、ということなのだろうか、ってそんなことある、のか?
多分レコードの神様がいたずらをした、ということなのだろうか。レコードの神様、いたずら好きでお茶目で楽しいんだけど、お金の神様と仲が悪くていつも喧嘩してレコ神様が追い出しちゃうんだよな・・・。
夏!猛暑!と来たら(前のエントリに続き)熱い音楽を聴いて乗り切るしかない!ということでThe Sisters Of Mercyの「Some Girls Wander By Mistake」を聴いている。
これもレコ神様の粋な計らいで拡張アナログ箱で再発とかされたんだよな、金神様はしばらくの間行方不明になってしまったが・・・。メジャーと契約する前のインディ時代の音源をまとめた1992年リリースのコンピの拡張再発、である。と言うかこの箱は「Some Girls Wander By Mistake」がアナログ2枚と92、3年リリースの12インチ2枚、という内容なので、まあ「Some Girls Wander By Mistake」本編の話をしよう。ごく初期の1980年から83年の間の6枚のシングル、EPを網羅した、メジャー前の彼らの姿がよくわかる好コンピ、である。以降はどんどん突き詰めていってハードロック~メタル一歩手前まで行ったりもしたわけであるが(それも勿論最高)、ここではまだ何か手探りでやっている感もあって、初々しい音楽、ではある。あるのだが、さすがのゴスロックと言えば、ってバンド故、ドラムマシーンのビートにギターやベース、そして地を這うAndrew Eldrichのド低音ヴォイスが暗く展開するたまらんメロディを初手から歌っているわけで、最初っからその世界観は一貫していたのだなあ、と本当に感動するし、興奮する。ごく初期の日当たりの悪いあばら家がどんどん漆黒の大豪邸へと変貌していくような、スリリングなドキュメント、である。