買って以来我が家にはCDもレコードも何ら新入荷がない、ということにも気づいて、何だか人生の新たなフェーズに入ったんじゃないか、という気もしている。
新たな、と言えばいつの間にか10月になったりしていた。緊急事態宣言やらも急に解除されて、無理やり、ガス抜けやー、と指示されているような感じでもあるのだが、多分このウイルスって奴は区切りとか日付ってやつとはとても相性が悪い、というか関係がないものと思われるのだけれども、人間、区切りとか日付で動くことが(もしかしたら日本人が?)めっちゃくちゃ得意と思われるので、何だか今後もどうなるのかしら、と不安でもあるし気をつけないとな、と思うのである。
そりゃあ普通の(というか去年の2月くらいまでの)暮らしには戻りたいものではあるけれども、あんまりそんなにすぐにはな、と思うわけで。ウイルスも私たちと同じように区切りとか日付で動く習性があったらとても良いのだけれども。だからあんまり色々期待しないで生きていこう、と思うのであった。期待しないで生きるのは、まあ結構得意な方なんでなんとかなるかな。
この1週間、月曜日から金曜日まで見事にThe Cramps
とThe Gun Club
しか聴いていない、しかも両者とも初期2枚だけ、という実に危険な日々を過ごしていたのだが、やっとレコードをターンテーブルに載せる余裕が出たのでCleo Solの「Rose In The Dark」を聴いていた。
Sault
やLittle Simz
との共演でお馴染みの、スペイン、ジャマイカ系のUKシンガーソングライターによるアルバムである。当然ながら私も上記SaultやLittle Simzとの共演で知ったクチなのだが、意外にキャリアは長いようである。で、このアルバムであるが、まあアナログ盤が非常に高額で、何だか欲しいけどなー、どうなんだろうこの値段はなー、と長いこと悩んでいたのだが、もう高いから欲しいのか欲しいのに高いのかよくわからなくなり、そしてこの歳になったらもう、あらゆる障害はクリアせねばならんのではないか、とかよくわからなくなって買った。私の盟友が酒の勢いで注文して買った、というのも大きい要因ではあったのだが。で、内容は激最高なのである、Apple Musicでも勿論聴けるんだけれども、大枚はたいた甲斐があった、っていう勢いで。ソウル~ファンク、というよりはよりシンガーソングライター然とした感じで、勿論ビートが入ればぶっとくうねるのだが、もっとシンプルなバッキングで、鳥の声が入ってくるようなそういう感じだけれどもヴォーカルは何層にも重ねてあって、そこらへんの聴かせどころのバランスが凄く良くできている。何よりもメロディの良さも際立つ音作りなので、それが何よりも強いなあ。Massive Attack等でお馴染みShara Nelsonのソロ
をもっとすっきりオーガニックにさせた、という感じでスウィートなのだけれども、まあ彼女の透明感あるヴォーカル、これがまあ飽きずに聴ける最大の要因、であるんだな。