Midsummer New York

白と黒、M~XLのサイズ展開ですよろしく!2022年はAOBAできると良いなあー。その際には是非皆様このTシャツ着用の上でご参集いただきたい!
 
仙台の3月は(仙台に限った話でもないのであろうが)、寒さも緩んで春だねー、という日の直後に吹雪吹雪氷の世界がやってきたり、という落ち着かない日々であるが、着実に冬からの脱却が進んでいるように思われる。
 
そんな中、年度末というくだらないもののせいで職場で毎日朝からイライラして、最早誰も話しかけてくれるな、的な気持ちで過ごしていると、ふと嗚呼こんな3月じゃない3月が良いな、という気持ちになるわけである。そしていつも訪れるとなれば決まってこの季節、のカナダの町のことが思い出されるわけである。
 
よくご存じの通り、私は飛行機も好きではないし、旅も好きではない。なんなら海外も好きではない。それでもちょっとした懐かしさも込めてカナダでの日々が思い出されるのは、日本国内の年度末ではない3月を仕事での滞在と言えども、まあ結構のんびり気楽めで過ごせるから、なのであろう。そして滞在していた町の広大な風景と乾いた空気も同時に心地よく思い出され、生涯のうちもう1回くらいは行きたいものだのう、となるものである。
 
これがもし仕事で3月に結構決まって訪れるのが日本の町だったら、カナダの町ではなくてその日本の町のことが思い出されるのかも知れない。しかし地続き過ぎて、あまりこんな風に思いをはせることもないのかも知れない。海外であるカナダの町故の、現実の暮らしとの乖離、これがここまで私に今思いを馳せさせることの原因なのかも知れない。
 
まあいざ行くとなると仕事なので結構面倒だし、移動だなんだ、というのも大いに大変なものだが、いずれまた行けたら良いな、とぼんやりと思うのであった。と言うか何よりも、私が3年行っていない間にどうもそのカナダの町にはレコード屋さんがもう1軒、新たにできたようなので、これはちょっと確かめに行かないとダメなのではないか、ということがまず第一であって、穏やかな気持ちでいられないのである・・・。
 
Yoko Onoの「Fly」を聴く。

1971年リリースのセカンドアルバム、である。最近彼女のトリビュートアルバムがリリースされて

 

これがまた大変素晴らしかったので彼女のレコードを引っ張り出してきている、というわけである。ちなみにこちらのトリビュート盤、彼女の名曲の数々、と断言できる優しいメロディの歌メインの選曲なので、とても聴きやすくて不思議なくらい癒されている。でこちらの「Fly」は彼女のもう一方の側面、すなわち「新しい楽器」と称された彼女の声を前面に打ち出した、そういや一柳慧の元奥さんでフルクサスの人だもんな、というそもそもの彼女の出どころに思いを馳せることのできる、ヴォイスパフォーマンス要素が強い曲も入っていてなかなかただごとではない。メランコリックな旋律の楽曲に、ロックンロールの伝統にのっとった(パロった)楽曲など、ポップサイドもあるがやはり圧巻なのはフルクサス仲間のJoe Jones制作自動楽器とのヴォイス共演とか、ファンキーなジャムに乗っかる彼女の自在声、という長尺の曲群なのであった。一方でトイレのフラッシュ音のみの曲、電話の音のみの曲、というのもあって、わかりやすく前衛の気合いを感じることもできるアルバム、である。でも、言うほどめんどくさくなくどちらかというとカタルシスを感じることのできる、年度末のサントラに相応しい作品。