There Is A Bed

白と黒、M~XLのサイズ展開ですよろしく!
 
前回の更新から1週間近く経ってしまって、もう6月になってしまっていた。5月は連休が終わった、という絶望感に苛まれたまま1か月を終えてしまった気がする。
 
この1週間はひたすらドタバタと仕事をしながら日帰りで東京出張、なんていうのもあって1年ぶりに上京したりした。しかし秋葉原で仕事をしてから、私の本業のために新宿に行き御茶ノ水に行き、というスケジュールだったのでまあ慌ただしいと言えば慌ただしかった。
 
でも、お店で探していたレコードを4枚くらい発見、とかいうこの令和の、インターネットの世の中では俄には信じがたいことが新宿では起きたので充実、であった。あと日本人レコードコーナーが、どの店舗でも大体より一層拡充していて、私の好きなニューウェーヴとかノイズ・アヴァンギャルドとかいう日陰コーナーは狭くなりつつあって、まあ逆に探しやすくて良い、のかもしれない。
 
という平和な話だけをしながら暮らしていきたいものなのだけれども、どうも世の中嫌なことが多くて、どうしてこんなことをほっとけるのかな、とかどうしてそういう方向に行くのかな、とかどうしてそういうことを、という感じのことを毎日ニュースを見ながら考える。それは世界中でもだし、日本でもだし、皆生きていたくないのかな、もしくは他人が平和に生きているのが許せないのかな、とか本当に素朴に思うことだらけなのだけれども。多分人間色々進化したつもりになっていることの代償として、想像力を失ってしまったのかな。でもそれは昔からなのかも知れなくて今に始まったことではないのかも知れないし、もともと人間自分さえ平和ならば他人を攻撃したい生き物なんだな、ということをこのネット上でのやり取り花盛りな昨今よく感じるので、ある意味、人間らしく生きているんだな、皆、ということなのかも知れない。なんか後天的に色々身に着けて人間生活って成立しているようにずっと思ってたんだけどもな。
 
でも少なくとも若い人がちょっとでも心配なく暮らせる世の中になってもらいたい、とジジイども(そうジジイ、なのだ)が好き勝手やってる世の中で切に願うのだった。一応仕事がら、柄にもなくそういうこと思ったりもする昨今なのよ。私ですらそんなこと思うくらいの体たらくなんだから、世の中、かなりどうかしている。
 
ここに来てMarc Almondの「Mother Fist」を安かったからってアナログで買ったりしている私もどうかしている。

87年リリースのアルバムである。彼の場合Soft Cellと並行してThe Mambasやってたり、それ以降もソロと言えばソロなんだけれどもバンドの名前がちゃんとあったりしていて、これはThe Willing Sinnersとのアルバムである。ソロ3枚目、と考えられるのかな。Virginからの最後のリリースとなった今作は誰が何と言おうと彼の最高傑作である。もうジャケからして炸裂しているが、内容も暗い輝きを持ったメランコリックな楽曲がぎゅうっと詰まった1枚である。ムード歌謡一歩手前的美メロを美声で、というと陳腐な感じがするやも知れぬがそれを高次元でやるとこうなる、という見本なわけだが、歌詞も含めて濃密に妖艶すぎて窒息しそうなくらい、である(誉め言葉)。タイトルはカポーティの作品から取られこのアルバム自体も彼に捧げられてて、最早ツッコミようがないくらいに完璧な世界観、ってやつである。無人島に持って行くレコードは?と聞かれたらこれ、って答えます。