Born On The Wrong Side Of Town

mthdrsfgckr2008-11-16


今日はほぼ2週間ぶりの休みであったのだが、昨夜の我が家のアナザー居間、焼き鳥屋大吉に於けるフィーヴァーのせいか何だか知らないが、早くに目が覚めてしまったのであった。

こう、寝坊しても良い日に限って早くに目が覚めるのは何故なのか、という疑問があるのだが、それ以上に疑問なのが今朝目が覚めると同時に脳内のiPodがスタートしてしまったことである。お陰で突如頭の中でThe StranglersGreatest Hits 1977-1990(←こんなに安くて良いのか!)が鳴り始めてしまい、最早いてもたってもいられなくなり、結局静かな休日の朝に1人寝床を抜け出し、The Stranglersをパジャマのままで、寝癖頭のままで聴くことになってしまったのである。何故、と聴きながらも思ったものであるが、その疑問はそれから随分と時間の経った今でも全く解消されていない。ただ1つだけわかっているのは、日曜日の朝6時半に聴いたThe Stranglersの「Duchess」は頭がおかしくなるくらい格好良く響いていた、ということである。

生きていることは不思議の連続、である。Paul Quinn And The Independent Groupの「The Phantoms & The Archetypes」を聴く。90年代に再始動した(そしてあっけなくまた終わった)Postcardレーベルより92年にリリースされた作品である。Paul Quinn自身はグラスゴーシーンでは決して表でどかーんと行くことはなく、寧ろマイナーな存在と言えば存在なのだが、この作品では思いっ切り彼ワールド全開である。そういえば彼は元Depeche Mode、元Yazoo、現ErasureのVince Clarkとワンオフのユニットやったり、と結構活動は幅広いのだがそういうのも私たちが持っているグラスゴーシーンとかに対するイメージとは若干違ったりする。しかしこのバンドには元Orange JuiceのJames Kirkがいたり、元Lloyd Cole And The CommotionsのBlair Cowanがいたり、プロデュースはEdwyn Collinsだったり、と意外に豪華な面子が揃っている。しかしてこのアルバムであるが、実に地味である。ミドルテンポの落ち着いたナンバーがずらりと並んでいて、地味なのである。しかしそれが決して悪いのではなく、どれも非常に深みのある曲ばかりで、じっくりと聴くにはもってこいのアルバムである。加えてPaul Quinnの低い、ヴィブラートする、聴きようによってはちょっと無理してんじゃないか、みたいな渋い美声が全体をびしっと締めていてブレがない。Carpentersの「Superstar」までカヴァーしたり、とか結構意外な展開もあるにはあるのだが、それすらも一要素に過ぎない、という何だか不気味なまでにトータリティ溢れる作品である。まあ、でもこれ当時聴いていたらぴんとこなかったかも知れない。ブックオフさまさま、なのかな。今だからすごくしっくり聴けるのかも知れない。ちなみにChris Isaakを想起する瞬間もあったりするが、イマイチこの喩えが有効な相手がほんの数人しか思い浮かばなかったりするのがちょっと悲しい。