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AOBA NU NOISEのTシャツです!

aobanun

7月20日(土)

アルコールパワーのせいか、硬くて寝れないぜ、とか言っていたホテルのベッドで見事にぐっすりと眠る。8時起床。昨日の今頃はもう車で新潟の道を疾走していたものだな、とか思いながらまたロビーに降りて、おにぎりを今日はやんちゃに3種類食べ、コーンスープを飲み、部屋に戻ってパッキング。厳重に梱包した新潟で購入したレコード、仕事の資料、2日分の衣類、お土産の分厚い缶の柿の種をユニクロの形のないバッグになんとか入れて、フロントから宅急便で職場に向けて発送。後日談だが、きちんと品名欄に「レコード、衣類、冊子、柿の種」と実に具体的に書いていたおかげか、まったく問題なく職場に到着。暑さのせいでほっかほかになって到着はしていたが、段ボールと仕切り版のおかげでレコードも全然無事、であった。

 

しかし朝からハードに雨。駅までのレンタサイクル、というプランは立ち消えになったが駅までホテルからシャトルバス(10人乗りのハイエース)が出ているので、それに乗って新潟駅へ向かう。駅に到着し、どれ新幹線の時間、と見ると7分後か1時間20分後、という究極の選択だったので、わーっとiPhoneえきねっとアプリを立ち上げ指定席を押さえて7分後の新幹線に飛び乗る。2日ほど滞在した新潟から、名残惜しい、とかそういう感傷に浸る間もなく移動になってしまったのは心残りだが、また来ることもあるだろう。

 

新幹線のホームで喫煙所以外のところのベンチに座って煙状のものをもくもくと吐いているヘソの出た細い若い女子に怯むが、あれはなんかたばこではなく電子たばことかそういう何かなのかな、喫煙所じゃなくても良いもんなのかな、とか思いながら指定席に座ったらその女子が入って来て、2人掛け席通路側に座る私の、斜め前の3人掛けの席の窓側に座って、座るや否やいきなり椅子をがんっと倒し、入念にメイクをし始めたので、なんというか、ガッツがある、と感じ入った。そう言うしかないだろう。

 

私は新幹線等、車も含めて移動中に何かを読んだりしたりすることができない(なんか具合悪くなる)ので、ひたすら虚空を見つめることをしているのだけれども、そうなると、その女子の3人掛けの席の通路側に座った男性のiPhoneの画面とかが、嫌でもちらちら目に入ってしまう。なんか彼はその女子の写真をこっそり撮ってLINEの相手に送ったりしてて、いや、多分なんかその女子面白いのかもしれないけどさ、そういうのダルいから止めなよ、とか思ったけど、その待ち受けの画面に「強く 美しい 日本」とか文字が踊ってて、あーもうどうかしている感じの人なんだな、なんも通じないんだろうな、と思って不快なので目を閉じた。まあ見ようと思って見てたわけではないのだけれども、そういうのさー、とね。

 

新潟駅の新幹線のホームから、車内でも、うーん、世の中さあ、みたいな気持ちになったけど大宮に到着して、色々経費の都合上そこから在来線で新宿まで移動。あまりの暑さにもうなんか生きてるだけで精一杯、みたいな感じになって記憶があんまりない。だいたいこの俺様が、新宿に着いたのにレコ屋だー、ってならない、フレッシュネスバーガーが限界、って相当だと思うのであった。

 

ただ、休憩したおかげで生き返ったので下北沢のPianola Recordsには行って、前回買わずにおいたレコードを2枚、そして新宿に戻ってユニクロで急遽追加で下着と靴下、安くなっていたショートパンツを購入し、早めに南阿佐ヶ谷のホテルに移動。シャワーを浴び、尋常じゃないほど汗だくになってしまったハンカチや衣類を乾燥機にかけ、ホテルの1階のコンビニで購入したビールと缶チューハイで休憩。

 

6時近くになったのでホテルを出て、目の前のそうめん屋さんで夕食、となったら急に雨がどばーと降り始め、日傘兼雨傘持っていたし、地下鉄で移動だから良いものの、これは・・・、と萎えながら、これではだめだ、やっぱユニオンに気合い入れて行くしかないんじゃないか、と変なベクトルにスイッチが入ったので地下鉄~新宿地下道~ユニオン新宿中古館。80年代以降ロックコーナーの縮小、アヴァンギャルド~ノイズコーナーの縮小、フリージャズコーナーのスカスカ具合、と逆にダメージを喰らう。1枚だけ安いレコードが買えたけれども、なんか・・・、行かなきゃよかった。

 

となんかずーんとなりながら(私は本当に天気に色々左右される、1人だと)東高円寺に移動し、雨の晴れた隙を衝いてWaikiki Championsのリリースパーティの行われるUFO Clubに移動。入るや否やIan F. Martin御大が珍しくアナログでWireの「Drill」を流してて、気分が晴れる。そして東京なのに仙台なのかここは、しかも数年前の、という懐かしい来場客や、Deadfish Eyesことカイさんやスミレさんなどお馴染みのDJ出演者とも話し、ビールを飲み、P-iPLE、YOKUJITSU(特にギターの爆音でスミレさんのApple Watchから100dbを超える音量です、と警告が)、Anisakis、と爆音アクトが続くライヴで(どれも最高)気分も更に上がり、キンミヤレモンサワーをすこすこと飲んでいた。IanさんはUltravox流したり、ワイキキのアルバム

街 -MACHI- [CAR-32]

街 -MACHI- [CAR-32]

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にちなんで「今回の選曲テーマは街、です」と私に話しながらKraftwerkの「Metropolis」

Man-Machine -Coloured- [Analog]

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流したりNeu!流したり、Deadfish Eyesカイさんは新旧織り交ぜたキレのある選曲で、とどめで最後バンシーズかよ!と鼻血出そうになったし、いきなり14 Iced Bearsからかよ!と倒れそうになったスミレさんの選曲など、どのDJもめっちゃ楽しんだのであった。

 

そして何よりも、リリースおめでとう、とどのアクトからもお祝いされながらトリに出演したWaikiki Championsは結構マジでかっこよくて、もう長い間、それこそ確実に120回以上は多分ライヴ観てるけれども、ベストだったかも、というくらいの、ちょっとヘンテコなノーウェイヴ感、そして疾走感とファンク感とサウナ感、が融合していて、言われてみれば、まあ冷静に考えてちょっと他にはない音かもしれないなあ、と今更思わせられる具合のハッとさせられ具合で、また今後とも末永く遊んでくださいな、よろしく!と思ったのであった。

 

ということでリリパを大変楽しんだのだけれども、スミレさんと共に帰ろうとUFO Clubから外に出ると、またしてもゲリラ豪雨的大雨で水たまりにドボンとはまったりして、這う這うの体で地下鉄でホテルまで戻り、さっきは汗のせいだったが今度は雨のせいでまたもや乾燥機を借りたのであった。

 

その後部屋で、スニーカーをドライヤーで無理やり乾燥させたり、乾燥機から洋服持って帰ってきたりしてなんだか疲れてしまって、あとはどーんと就寝し、長い1日も終わりを告げたのであった。

 

ちなみに翌日は、狂気の熱気の中大宮まで行ってレコード屋2軒回って見事に何も欲しいものがなく、行かなきゃよかった、となったりしながら仙台に帰って、私としては珍しいロングジャーニーは終焉を迎えたのであった。概ね順調だったし、仕事後の高円寺でのワイキキリリパも凄く良かった。ただ、雨とか暑さとか、本当に天気はしんどかった。なんとかならんものかのう。

 

と仙台でも大雨とかに慄きながらLamusa IIの「Don't」を聴く。

DON'T

DON'T

  • Extended Techniques
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Jay Glass Dubsのレーベルからの初のフィジカルリリースとなる、ミラノのDJのアルバムである。日頃あんまり急にこういうの聴いたりしないのだが、たまたま聴いてみたら良かったのであるこれが。地を這うぶっといベースラインに、遅めだけれども攻撃的なドラムパターン(なんかCut Handsみたいな乱れ打ち楽曲もあったりするけど)、そこに英語、中国語、スペイン語等の女声ヴォーカル(Marie Davidsonまでいる)が艶やかに、しかしどことなくパーツ的に無表情に華を添えている。この全体的にもわーんとした、どこか甘めなんだけどヘヴィなビートの感じ、これはそう、ちょっと古の「トリップ・ホップ」、しかもTrickyとかRuby(覚えていらっしゃいますか、元Silverfishの、です)とかを思い出させられるなあ。そして時にLocust(Mark Van Hoenの方)

まで頭をよぎったりして、丁寧にアルバム全体も構成された、今だからこそ新鮮に響く音楽。