Crossing The Sword Bridge Of The Abyss

前エントリで体調悪くて、みたいなことを書いたら更に輪をかけて悪くなって風邪をひいた。ボックスティッシュ一箱使うんじゃないか、って勢いで鼻をかんでるのに鼻が詰まりまくって呼吸困難に陥る感じだ。

風邪薬飲んでゆっくり起きたら鼻の通りはよくなったものの、なんかこう、イマイチパッとしない感じだ。そんなパッとしない感じで窓から外を見ればぽかぽか陽気であったかそう。これは洗濯物を干すしかないだろう。で、干したら今度は遠くからゴロゴロと雷鳴が。これはヤバイ、とすぐに取り込んだら一気に雷をフィーチャーした暴風雨になってしまって唖然とする感じだ。

そして自転車用と物置用の鍵の合鍵を作りに出かければ、各々理由があって作ってもらえず。そんでもって鼻喉の違和感と頭の重みは拭えず今夜のイヴェント参加は断念。なんかこう、何もかもうまく行かない日は誰にでもあるものだけれど、こういう致命的でないけれども、なんかかけ違えたような感じのことが連発すると何だか疲れるものだ。でもこれは自分だけではないはずだ、うむ、と前向きにまとめようとしたら今度はまた地震が来やがった。

こんな世の中全てに裏切られた気分になる(←もちろん大袈裟)夜にはRhys Chathamの「Outdoor Spell」がしっくり来るものだ。Table Of ElementsとかNonesuchからのエレクトリックギターX重奏Guitar Trio Is My LifeCrimson Grailでお馴染みの彼のアルバムである。でも実は彼はゴングだけを用いたまるでフルクサスのPhilip Cornerか、みたいなヒプノティックな作品Two Gongs (1971)もあったりするわけで、今作はそっち路線である。ここでは彼はトランペットしか演奏していない。あとは声か。A面(アナログだと)2曲は本当に彼の声とトランペットしか入ってなくてそれがエフェクターを介してラーガのような持続音がドローン化して延々続いたり、マウスピースを鳴らす音がループしてそこにJon Hassellばりの音色でトランペットが入ってきてそれらが表になり裏になり、という非常にこれまた瞑想的ながらマウスピースの音でビートが感じられる不思議な世界だったり、一転B面(アナログだと)2曲ではカホンと延々ループするトランペットがカオスな世界を作り出し(カホンが入ってるのにビートはマウスピースという・・・)、最後はギターとドラムスと共にインプロに突入、という結構A面B面で趣の異なる音が繰り広げられているのであった。これはまあ、彼のトランペットによる実験をまとめた作品、という解釈で良いのかと思うのだが良い意味でユルくて何だか愛らしい作品なのである、ってこの感想はおかしいのかも知れないのだけれど。でもなんか高音で蠢いているトランペットの音色が非常にクセになる。多分これからも色々なレーベルから色々なアプローチの作品を出してくるであろう彼だけれども、この路線も希望である。