Everybody's Got To Live

今週は風邪だか何だかわからんが、鼻水と共に歩む、鼻水ウィークであった。

もう朝から鼻をかみまくり、出勤途中の車内でもかみまくり、出勤してからもかみまくり、帰宅途中でもかみまくり、挙句の果てには眠る前まで上間久里、という日々であった。もう脳味噌溶け出してるんじゃないか、という疑念(もしも脳味噌というものが私の頭の中に残っているならば、の話であるのは間違いないが)と共に一週間過ごしたようなものである。

元々鼻炎持ちであるが、それも多分影響しているのだろう、何だか今日は落ち着き始めたように思えるのだが、鼻の中が大変にこう、違和感ありまくりの状態である。しかしそれにも負けず、なじみのラーメン屋に行って鼻をかんだりしていたら、店主が話しかけてきた。「風邪ですか?」「はあ、どうやらそうみたいです・・・。」しかし、その後間髪入れずに彼はこう言った。

「いや、だったらウチの店とかじゃなく、もっと栄養のあるもの食べたほう良いですよ」ってそれを言っちゃあお終いよ!ってなもんである。

まあそれに対しては「いやまあ、ここのはドーピングみたいなもんだから」とウィットに富んだ返答で対応したのだが、確かにそうだよなあ。つけめん食ってる場合じゃないのかも、とか思いながらいたが、期せずして私が放った一言は意外に核心を突いていたのではないか、ということにもはたと自分の発言ながら気づいてしまった。

栄養価の面ではよろしくないし何よりもバランスが悪いが、ついついラーメン食べてしまうのは、これは最早クスリのようなものなのではないか。所謂「冷たいのキメる」ということなのではないか。そうだよなあ、じゃあしょうがない。常習者になっちまったのかなあ、まあ良いか、などと思いながら食べ終わって店を後にした、何だかストンと何かが腑に落ちたような気分で。

しかしその数時間後、こってりのエビ油で胃がやられてしまってつらい思いをしたのだが、これもまた「ラーメン(主にこってり)=ドーピング説」を裏付けるものであった。いや、こんなオチは自分では望んではいなかったのだけれども!

Optimoの「How To Kill The DJ (Pt.2)」を聴く。何だか荒んだ1週間を過ごしていた中で、この2枚組のミックスCDは私の心を実に癒してくれた。スコットランドグラスゴーの同名長寿イヴェントのレジデントDJ、Optimo(大体この名前の由来からして素晴らしいではないか)がジャンルも時代も全ての括りをぶっ壊してミックスし続けるのであるが、その選曲が素晴らしいし、またミックスの技も素晴らしい。VillalobosもAkufenもThe CrampsもBlondieもLiaisons DangeureusesもLoose JointsもThe RaptureもThe Mo-Dettsも、全てがつながったビートの上で出会ってしまって化学変化を起こして、強烈な目眩を覚えるほどの眩しい輝きのダンスフロアが幻視できるほどの至福の時間が過ごせること間違いなしである、っていや、そこまでではないか。しかしビートが効いているしミックスはスムーズだしで、実に心地よく身体を揺らせてしまうのである、たとえNurse With Woundなんてのが織り込まれていようとも。でもそんな中でぶっこみで突如Gang Of Fourの「Damaged Goods」が切り込んでくる瞬間はマジ泣ける。そして最後の最後にはクラウドの「もう1曲」コールに応えてLoveが投入されるのであった。嗚呼、行ってみたい。グラスゴー移住、か。しかしこのCDはノンミックスのディスクも付いていて、それは本編のミックスCDで使われた曲、ということだけでもなくトータルでずーっと聴けてしまうコンピ、という感じに仕上がっていて、これがまた。20th Century Steel BandもLee Hazlewood & Nancy SinatraもThe Only OnesもOs Mutantesも全て並列で聴けてしまう、何だか雑食性という言葉はよく聴くのだけれども、ここまでグルマンな雑食系は新鮮である。2 Many DJsも勿論良いのだけれども、スタンス的にはこちらの方が何だかスリリングだなあ、ミックスCDを聴く限りでは、という超主観的なまとめで閉じたい。いや、癒されました。