Lady Day

この間生まれて初めてネットオークション、というものをやってみた。

私がウォントしていたものが出品されている、という情報が寄せられ、悩みに悩んで、さてどうしよう、やったことないし、と悩み、PCからだと5000円以上はプレミアム会員にならないと入札できない!?はぁ、何だそれは!?と謎だらけの日々を過ごし、最終的に散々っぱら酔っ払った帰りの電車の中で、終了3時間前に携帯を通してスタート価格で入札し、帰宅して、そのまま寝てしまい翌朝そのまま落札してしまったことを知る、という散々緊張して悩んだ挙句の結果にしては実にあっけない、そして酒の勢いありまくりの初体験であった。

まあ初体験というのはそういうものであろう。支払いの手続きに関しても物凄くPC画面とにらめっこしながら、こうか、こうなのか、と悩みながらクリックを繰り返し、出品者とのやりとりを緊張しながら行い、という実に緊張感溢れる時間を過ごしたのであった。もしかしたら皆そうなのかも知れないけれども、私はとくに何事も最初の時にはとんでもなく緊張してしまう人間なので、物凄く疲労した次第である。

しかし今は商品の到着を楽しみに待っているところなので、一段落、である。しかしよく皆ネットオークションとか利用して色々お買い物しているようであるが、よくこんなに凄いことやっているなあいとも簡単に、と感嘆の念を禁じえないものである。私の今回の疲労具合を考慮に入れると皆よっぽどタフなのか、場数を踏んだのか、いずれにせよ大いに尊敬に値するなあ、としみじみ思った次第である。

しかしネットオークション、色々見ていると本当に色々なものが出品されていて、中にはふざけんなよ、みたいな値段のものとかもちらほら散見されるのだが、実に危険である。だから、もう多分オークションはしない、つもり、である。しない、筈である。しない、と良いなあ。しない、筈だったのに・・・。

とならないように、是非皆様私の行動もウォッチリストに入れて動向を見守って、私がふらりと落札しそうになったら是非それを上回る金額を入札して、私の落札を阻止していただきたい、とオークション用語を用いつつ且つ他力本願になっているところが実に危険な感じであるが、是非Stop Meである。Stop Me If You Think You've Heard This One Before、である。

いやいや、本当にネットのお陰でお買い物などが便利になったのは良いのだけれども、その簡単さに比例してその危険さ、そして私の弱さに向き合う頻度が増えてしまったのはいかがなものか。と嘆きつつ(だから人のせいにするのは良くない、というのに)Lou Reedの「Berlin: Live At St. Ann's Warehouse」を聴く。あの名作「Berlin」Berlinはライヴで演奏されたことがないということで有名なアルバムだったわけだが、その禁を破りアルバム1枚丸まるやってしまったライヴをアンコールも含めて収録したライヴアルバムである。これは映像化もされているのだが、我が街では上映されるのだろうか。されないだろうなあ・・・。そのような悲しい状況は嘆いていても仕方がないことは百も承知なのだけれども、嘆かざるを得ないではないか、という思いを強くすること必至の激烈なライヴアルバムである。トータルで見ても、各々の楽曲で見てもとんでもない充実度の大名作「Berlin」が、30年以上前のアルバムの音よりもずっとずっと力強くダイナミックに再現されていくのは実にスリリングである。Fernando SaundersにRob Wassermanはいるわ、バックヴォーカルにAntonyはいるわ、という豪華メンバー(ストリングスが凄く良いのだ)でベルリンを舞台にした悲恋物語が何だかどえらい迫力で目の前にたち現れてくるような、そういう印象である。Hal Willnerは本当に一筋縄で行かなさ過ぎて、呆れるばかりであるが、こういう作品を世に出してくれただけでももう偉人の仲間入りである。アンコールは「Candy Says」に「Rock Minuet」に「Sweet Jane」というサーヴィス精神溢れる感じで、それもまたライヴならではの楽しさに溢れている。秋の夜長にはこれですな、とか言いたくなったりする1枚である。でも、そろそろ新作も聴きたいものだのう。