Sisters

私は他の人が編集してくれたCDを聴くのが大好きである。多分普通にコンピ好き、そして友人と音楽の話をするのが好き、というのも影響しているのだろうが、何より自分と若干は音楽の趣味が被るであろう彼や彼女が編集してくれたCDなわけであるから、知ってる曲があろうと知らない曲があろうとトータルで楽しめてしまうのであった。勿論自分で編集するのも最早オブセッションのようなものであって大好きなのだが、それと同じくらい、もしかしたらそれ以上に編集CDを聴くことが好きである。

DJの方のミックスCDも楽しいことは楽しいし好きではあるのだが、それ以上にテーマがあったり、もしくは最近聴いてる奴、みたいな感じのざっくりとしたテーマであっても普通にコンピレーション形式で曲が収められているものには、変にギラっとしたところがなく、それ故に聴いていて楽しいのだろう。

つい最近も10年前に知り合った時には女子高生だった友人と(念のために言っておくが仕事とは全く関係ない)編集CDの交換を行ったわけであるが、こういう風に様々なバックグラウンドを踏まえた上で聴くと、何だか編集CDも大変に趣深いものになってくるから不思議である。そうか、彼女もThe Modern Loversとか聴いてるのかあ、とかこういうソウルっぽいのは自分は全然聴いてなかったから新鮮だし、彼女はクラブで聴いてたのかな、とか色々その人自身に対する思いも沸き起こるし、何より収められている曲、そして曲順とかにも腐心の跡が見えてとても楽しめたのである。

まあバックグラウンド的なもの云々は抜かしても、なんかこうストレートな何かに触れる思いがするのである、毎度毎度。狙ってはいてもギラついてはいない、というのがポイントなのかも知れない。あくまで個人間のやり取りが大前提になっているから当然と言えば当然なのだが、こういうのがある限りはこんな世の中でもやっていけるような気になる。大袈裟ではあるが、そういう気になるのだ。

こういうことがあったから、そしてあるから、ついでにこれからもあるだろうから、私はまだまだやっていけるのだろう。世の中とか人生とかと折り合いをつけて生きていくことができるのであろう。どんどん話が大きくなってきてしまうのでここらへんでやめておこうと思うのだが、何か色々なものとか人とかに感謝したくなってくるような年の瀬である。

Blind Mr. Jonesの「Over My Head」を聴く。92年あたりから数年活動していた、所謂シューゲイザーバンドの全音源をまとめた2枚組CDである。アルバム2枚にシングル2枚程度なのでコンプリートに纏めるのも楽と言えば楽な話ではあるがこうしてまとめて聴けると、心が曇っていた時期に音源手放してしまっていた私としては大層嬉しい。もう手放しません!!最初のシングルが当時SlowdiveのNeil Halsteadがプロデュースしてたところとかも含めて、どうしてもシューゲイザー後発組(他にはRevolverCold Water Flatとか・・・)という印象が強く、また音的にも実は結構表現の幅が広かったバンドなのだけれども最早時代はグランジ系の方向に向っていたわけで何だか緩い、とかそういう印象になってしまってちょっとタイミングの悪いバンドだったかも知れない。実際このコンピで全音源聴くと、ふわーとしたヴォーカルとギターノイズの壁、というのは鉄板であるのだけれども、それ以上にフルートの荒れ狂うような音色が印象的だったり、インストが効果的に挟み込まれていたりとか、当時は気づけなかった魅力があることにリリースから随分経った現在、気づかされるのであった。未発表のデモ音源とかが入っているのだがかなりの完成度で、もっとやっていたらもっともっと魅力的な音になっていったかも知れないなあ、とかまた思っても無駄なことを思わざるを得ない。いや、素直に興奮してしまいました。しかし現在シューゲイザー的とか評される音には全く興味ないのだけれども、この時期のこういう音には無条件に弱いのであった。それは多分ノスタルジーとは全く異質のものではあるのだけれども、一体何故なんだ・・・。