Movement 1

"AOBA NU NOISE" 2008.12.29(mon)@CLUB SHAFT  OPEN: 20:00~  ADV:1500yen(2D) / DOOR:2000yen (2D)

BAND Act : -W-(Waikiki Champions), runny stools, KODA  DJ's : EVOL(Love records), BOW, DROP, RAMBO

お願いします来てください。寒い日々ですが「かっこいいロック」(←そろそろくどいですが、言い続けます)をテーマに頑張りますので。

雪の積もった夜に外に出ると、あまりの静けさに驚かされる。雪には吸音効果があり、とかそういう科学的な話はひとまず置いておいて、何だかほっとする瞬間である。

近くの橋の上をいつもはうるさく通り過ぎるトラックも車も今夜は密やかに、申し訳なさそうな音で走っていく。そして聞こえるのは遠くからの通奏低音のような音。いつも聞こえているはずなのに、そして今日はいつもより小さく聞こえるはずなのに、周りの音があまりにも小さいものだからよく聞こえる。果たしてそれは何の音なのだろうか、と考えているうちに煙草はあっという間に短くなりまた部屋の中に戻るのだった。

ずっとこんな風に雪が積もっていれば良いのに、とか思うがそれはまだ半端な北国である私の住まうところだから平和なことを思いつくのであろう。でもたまには我儘にそういうことを考えたりしたい、そんな夜なのであった。

「Recomposed By Carl Craig & Moritz Von Oswald」を聴く。今年話題のアルバム、と言えばこれに尽きるのかも知れない。デトロイトテクノの巨匠とベーチャンの彼(と言うか私の中ではどうしても元Palais Schaumburg、という方がでかいのだが)、2人がカラヤン指揮ベルリンフィルハーモニーの音源を再構築した何かこんなことってあるんだ、というアルバムである。曲はムソルグスキーの「展覧会の絵」にラヴェルの「ボレロ」などなのだが、かなり(まあ当然と言えば当然の話であるが)断片的にしか使われておらず、思いっきり2人の作風を考えれば無理のない展開に仕上がっていて面白い。フレーズの1音が延々ループしたり、聞き覚えあるフレーズが変容していってキックと混ざりあって、というそういうフュージョンが、実に、本当に冗談みたいに無理なく行われていて何だかのけぞらざるを得ない。しかもアイディア勝ちというのではなく、一級品のミニマルテクノとして仕上がっているのだから誠に恐れ入る。私は何だかジャケのこととかその時の勢いでアナログ盤(これが2枚組でまた音がめっちゃくちゃ良い。一応リンクも貼っておきます)で購入したのだが、これは何かCDでもどーんと通して聴きたい作品でもあるので悩んでいる。何だか世の中すげえことになっているんだなあ、と浮世のことに疎い私でも驚愕させられたのだった。