For Beginners

「渡邊琢磨×千住宗臣 special night!!」@pangaea 3月24日(火) open 20:00〜
チケット前売¥2500 当日¥3000 (ドリンク代別途) ※入場30人限定
チケット前売り発売(3/6〜)  store15nov、pangaea、recordshop"S"
チケット前売り予約 pangaea   info@pangaea-sendai.com
DJ / TDSGK(AOBA NU NOISE)、ARAKI(MINIMUM)、HIRANO(palallel music)
Special LIVE/ 渡邊琢磨(COMBO PIANO) 千住宗臣COMBO PIANO、ウリチパン郡、PARA)

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日頃、人間というのは様々な欲に溺れて暮らしているものだと思うのだけれども(否定する連中は偽善者か僧侶かだと断言したい)、当然ながら私もその例外ではなく(というかど真ん中な気もするが)、今強烈な欲望に囚われながら日々を過ごしている。

その欲というのは、最近暖かくなってきたし、というのが大ヒントである。暖かくなってきて、且つ成熟した男性が感ずる欲望と言えば、もうそれは1つしかないではないか。春というのはピンク色も似合う季節である、というのがまたヒントではないが、私の昂ぶる欲望を推測する手助けとなるであろう。そう、つまり私が今感じている欲望というのは、

自転車が欲しい、ということである。

言うなれば物欲である。日頃物欲なぞ音盤にしか感じない私であるが、今は猛烈に自転車が欲しい。ちなみに音盤に対する渇望というのは、物欲というよりも「生きたい」「食べたい」「呼吸したい」というものと同じなので物欲とは違うような気がしているが、まあ、それはこの際関係ない。

一応我が家には10年近く前に購入した自転車があることにはあるが、大転倒8回(1回は転んだらパンクした、ということでその激しさが伝わるかと)とかクラッシュ(電柱とか)など、様々な過酷なトライアルを経て、且つ今の住まいの駐輪場に於ける猛烈な威力の風力に負けてごろごろ転がったりとかして、最早朽ち果て、土に返る寸前、と言っても過言ではない状態なので、ちょっとなあ、というところである。寧ろ乗ることさえ難しい、という状態なのである。乗ってナンボの自転車である、というのに。そこで良い感じの折りたためる自転車があれば風も凌げ、大切に使えるのではないだろうか、と思うのであった。

今、調子の良い自転車があれば結構距離のある最寄駅までもアクセスがかなり良くなり、且つ調子に乗れば職場までも乗っていけるのではないか、という勢いである。そう、たまには何だか前向きな、健全な精神状態というものを手に入れたいものであり、その象徴が職場までの10キロを自転車で、ということなのではないか、という神にもすがる思いからの自転車欲、だったりするのである。

まあ、自転車だけで全てがオールライト、みたいな発想はどうなのや、と自分でも思うのだけれども、それでもやはり何か自転車メインで動いてます、という生活には抗い難い魅力がある。Newest ModelBEAST HITS〜THE BEST OF  EARLY SOUL FLOWERだって「知識を得て、心を開き、自転車に乗れ」と歌っていたわけであるし!

M.Wardの「Hold Time」を聴く。基本車内は最近The Jesus And Mary ChainNina Simoneばっかり、という狂った感じの日々なのではあるが、その間を縫うようにこういうのをヘヴィ・ローテーションするのだ。昨年の女優Zooey Deschanel(今作にも参加)とのユニットShe And Himヴォリューム・ワンも最高だった彼の新作である。まず最近は4ADからのリリースというだけでもかなり私の中ではポイントが高いのだが、こうしてこれまでの作品中、最もポップな新作とか出してこられると更にポイントアップ、というものである。今、ポップ、という言葉を使ったのだがそれは今までの作品がとっつきにくかった、ということを意味しているのではない。今作に於いては華やかさが増し、今までの色使いと基本は同じなのだけれども、そこからのヴァリエーションが広がった、という感じである。メロディアスで唄を大切にした音作り、という点は全く持って不変なのであるが、それに加えてウォール・オブ・サウンド的な感じや所謂60年代ポップス的な人懐っこさがアップした作品なのである。従って、全体的にバンドサウンドっぽさが増した、と言っても良いかも知れない。曲の良さは当然だったわけで、そこに更なるキャッチーさが加わった、ということで傑作ないわけがあろうか、いやない、というもんで愛聴盤になっているのだった。Lucinda Williamsをゲスト迎えた「Oh Lonesome Me」のカヴァーとかがそんな中でグッと輝きを増して泣ける展開になっていたりするのもポイント高し。しかしこのヴォーカルのエコーというか処理具合は、今作のバンド的なダイナミックな音作りと相俟ってGuided By VoicesUnder the Bushes Under the Starsとかを想起させられたりするのだが、私だけだろうか。