Upside Down

「渡邊琢磨×千住宗臣 special night!!」@pangaea 3月24日(火) open 20:00〜
チケット前売¥2500 当日¥3000 (ドリンク代別途) ※入場30人限定
チケット前売り発売(3/6〜)  store15nov、pangaea、recordshop"S"
チケット前売り予約 pangaea   info@pangaea-sendai.com
DJ / TDSGK(AOBA NU NOISE)、ARAKI(MINIMUM)、HIRANO(palallel music)
Special LIVE/ 渡邊琢磨(COMBO PIANO) 千住宗臣COMBO PIANO、ウリチパン郡、PARA)

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ところでNag3に比してこういうのんびり更新になって(否、考えてみればいつもの文字量でだったらこれくらいが実に世間一般の普通のペースなのかも知れないのだけれども)気づいたことがある。

ネタはともかくとして、聴いていた音楽のことを書く、ということに関しては、このペースでは全く遅すぎる、ということである。ここにアップされている音盤の陰にはアップされていない音盤が数倍、下手すりゃ数十倍は犇いている、ということなのである。

これは困った。かと言ってその日に聴いていた音楽のことだけ書くようなものにはしたくないので、必然的に更新ペースは音盤を聴いているペースと比すればスローなペースになってしまうのであった。更新するペースをアップさせれば良いと言えば良いのだけれども、日頃エポケー状態で生きている私としてはなかなかね、こうソリッドなネタがあんまりなかったりするからそうも行かないのであった。

ということで今日は暖かかったお陰で、花粉症の人は大変な思いをしているようであった。私は奇跡的なことに今年もどうやらスギ花粉症とかには無縁のようで、ぼんやりした、赤くなった顔で、潤んだ目で、マスクをしてくしゃみをして鼻水を啜っている人を横目に生きているのだが、たまにはこういう風に優越感にでも浸る機会がないと人間駄目になる、というものである。この季節、実に申し訳ないことなのだが、暖かくなってきて良い季節だなあ、と心の底から思いたい、宣言したい、でも周囲の人が気の毒でできない、というジレンマに悩まされる季節でもある。

しかしこの季節を過ぎれば、大抵の人はその苦しみから解放されるわけであるが、私の場合実はアレルギー性鼻炎を患っているわけで、これは結局年がら年中のべつ幕なし鼻が結構大変なことになっている、ということである。だからスギ花粉症などの爆発的な苦しみに比べればそれほどへヴィではないように思われるが、その苦しみのライトヴァージョンが年間通して持続する、ということだったりするのである。どちらが良いのか。長い目で見れば結局同じようなことなのではないか、と思えてきてしかも実際そうなんだろうけれども、ここは一つ、「優越感」というのがポイントなのでそうは考えないようにしたいものである。

でも良いのだそんなこと関係ないのだ。なぜならThe Jesus And Mary Chainの「The Power Of Negative Thinking」を聴いているから。すげえタイトルのCD4枚組ボックスセットである。シングルのB面やオリジナルアルバム未収録曲、ヴァージョン違い、そして未発表曲などをがっつりと収めた、まあ言ってしまえばマニア向けの企画盤である。かく言う私も、いやいやジーザスB面コンピみたいなのは2種類Barbed Wire KissesThe Sound of Speedとも持ってるからさあ、EPも結構持ってるし、とか言っていたものの結局気がつくと手に取っていた。だって、何せジーザスなものですから、と理由にならない理由で。私、本当にThe Jesus And Mary Chainが大好きなものでして、とても大切なバンドなものでして、ええ。と誰に向けてでもないが言い訳をぶつぶつ言いながら手にとって、そして聴きまくっているのである。83年のデモ曲から衝撃のCreationからのデビューシングルあたりからスタートして、シングルB面ならではの、ど暗い、へヴィな、呻いているような、漆黒の曲群を経て段々打ち込みっぷりが板に付いてフィードバックノイズ色も薄れてきて、という感じで時系列で並んでいるのがありがたい。しかし上記シングルコンピのうちの1枚目、「Barbed Wire Kisses」に収録されている曲とはヴァージョン、(というかミックスなのか)が違ったり、B面曲が完璧に網羅されているわけではなかったり、となかなか痒いところを微妙にスルーしたような、言うなれば100%ではなくて、95%くらいの完全さで網羅した感じのボックスで、そこら辺が歯がゆかったりするものだが、まあ、未発曲群が大きいんだよなあ、とか言ってしまうのは単にジーザス大好きっ子の戯言なのであろうが、こうして通して初期からずらーっと聴いてみると、そういやずっとこいつらThe Crampsが大好きだって言っていたけどわかるなあ、とか初期のアルバムには本当に頑張って作った曲のみが選ばれていたんだなあ、とかそういうことがしみじみと思われるのであった。20世紀を代表する最高のバンドの裏歴史を辿るには実に適したボックスセットではあるが、これを聴くとフツーにまたオリジナルアルバムが聴きたくなったりして聴いてしまったりして、結局最近ジーザス尽くしだったりする結果になってしまったのはいかがなものかと。20年以上ずーっと聴いているのにまた聴いて感激してしまう駄目なファンがここにいるのだった。ちなみにブックレットも含めて凝りまくった構成にも唸らせられる。