Big Mouth Strikes Again

1週間くらいの休みというものは実にあっという間で、何だかあっさり終わってしまうものなのである。

エイプリルフールの日は、いつどこの誰がウソをついてくるかわからない恐怖感からなるべく誰にも会わないようにして、家の中で、まるで子供が遊び終わったおもちゃを片付けないままみたいな状態になっている我が部屋の片付けに精を出しまくったが、余裕で4時間くらいかかって面喰った。

午前10時くらいから始めて、物凄く積み重なったり、物凄く立てかけてあったCDとかレコードとかカセットとか本とか雑誌とかを棚に戻したり箱に戻したり、という実に単純な作業の繰り返しだったのだけれども、その「遊び終わって出しっぱなし」にしていた量が半端なかったので、大層、本当に大層難儀してTシャツ1枚でどかどかやっていたのだった。

で途中空腹を覚えていたのだが、「ここまで片付けたら昼飯作って食べよう」「もうちょい、この山を箱に戻したら昼飯を作る」とかやっていたら14時くらいになっていて、もう空腹感もとっくにピークを過ぎた状態になっていたのだった。

さすがに片付いた部屋は居心地が良く、ああ、こういうのって良いのう、とかしみじみしていたのだが、じゃあ日頃からそうしておけよ、ということである。いや、仰るとおりなのですが、これがですね、我が家のCD棚の複雑な配置とか、レコ棚の前にもう1つ棚が、とか本や雑誌をどう置けば良いのやらわからない、とか様々な問題点が我が部屋にはあって、それらに細かく対処しようとすれば対処できなくはないのだけれども、いちいち対処してくのが面倒だなー、今日疲れてるしなー、ということの積み重ねがついこの間までの積み重なった山だらけの部屋になっていたわけなのである。

日々、もっと時間と気持ちに余裕があれば、この綺麗に片付いた状態をキープできるのである。そう、この余裕のなさがいけないのだ、と自分のぐうたらさを他のもののせいにしたくなるのだけれども、人間歳を取ると言い訳が増えるものじゃのう・・・。

The Smithsの「Rank」を聴く。解散後の88年にリリースされた公式では唯一のライヴアルバムである。上記片付けの過程で久々に発見されたので久々に聴いてみる。さすがに20年以上前に買って、ノリつきのビニール袋に密封していたら若干のカビというかシミのようなものがあって、あう、となったのだけれども音の方には何ら影響はなくホッとした。あ、アナログなんで。これは「The Queen Is Dead」リリース後の86年のツアーの際のライヴ音源である。この時期、何だかThe Smithsに関するニュースと言えばベースが抜けるだの、結局抜けずにギターがもう1人入っただの、Morrisseyがステージから引きずり下ろされただの、Johnny Marrが事故っただの、レーベル移籍するだの、リリースの予定もわからないままに新曲の情報がばんばん入ってくるだの、結構混沌とした状態だったことが思い出される。実際かなり過酷なツアーになった(結局最後のツアーだった)ものだったようだが、演奏の方はこれがかなり、今聴いてもいきなり格好良い。ギターが2人いることも功を奏したのか、かなりアグレッシヴにジャキジャキのギター音が何よりも印象的である。そして加えてMorrissey氏の変なとこで暴れだす(というか奇声みたいになる)ヴォーカルも荒っぽくて、実にスリリングであった。実は最近83、4年頃のライヴ映像を見る機会があったのだけれども、Morrissey氏の暴れぶりはさることながら、Johnny Marrの大活躍ぶりに衝撃を受けたのだった。本当にあのフレーズを全部1人で弾いているのか!と舌を巻かざるを得なかったものである。それに比べるとこちらのアルバムの方が良い意味でざっくりとした感じで、ライヴならではのエネルギッシュさに溢れているのだった。Presleyナンバーと合体してしまった「Rusholme Ruffians」や、「Rubber Ring」と合体した「What She Said」などのアレンジの妙も印象的。解散から20年以上も経ってから思うことにしては実にアレなんだが、いやーライヴ見たかったのう・・・。