AOBA NU NOISEのTシャツです!
今週のお題「名作」、とはてなブログが言っている。今日このタイミングで名作、と言えば亡くなってしまったSteve Albiniの話題しかないであろうよ・・・。
とは言えそんなに私はヘヴィなAlbiniリスナーではない。1987年の『DOLL』4月号でBig Blackを紹介する記事に出会って以来、その存在は知っていたけれども気づくとBig Blackは解散、次に名前を見たのはPixiesの「Surfer Rosa」だったか。
まだ"engineer"とか"recorded by"とかいう表記ではなく、"produced by"という表記なのだが、まあドラムの音にびっくりしたよね。からのRapeman
で色々やらかして、でもクレジットに名前があると気になる人だったのは間違いない。それが決定的になったのはThe Breedersの「Pod」
だったかなあ。このアルバムの音には本当にびっくりしたものである。
しかし、Albiniだから聴いてみるか、となったのはCloud Nothings
とNina Nastasia
くらいで、あとは既に好きだったけれども、おおAlbiniがやってるんだ、と盛り上がるくらいの
(↑数曲だけれども)
こういった作品との出会いで長くお付き合いを勝手にさせていただいていた。
その道程で
とかHead Of DavidとかWhitehouseとか、好きじゃなかったけどThe Stoogesの再結成盤とか、色々大事な音楽にかかわっている人だったな、という印象である。
恐らくShellacを除いて私が聴いていた中での彼の最新関連盤はSunn O)))
の2枚、ということで、おわかりのとおりまあそんなにコアな聴き手ではなかった、と言えるであろうが、どれも名作、というにふさわしい作品ばかりで、それはもちろんアーティストのポテンシャルが物を言っているのだけれども、なるべく手を加えずに、でも最高の形で提示する際の陰にはずっと彼はいたはずで、なんだか今日は一日ずっとSteve Albiniのことを考えている日だった。Shellacの新作、どんな気持ちで聴けば良いのだろう、とまだ発売されていない(よね?)のになんだか哀しい気持ちである。
さて、そんな彼の手がけた最高の名作、とは何かといえばThe Auteursの「After Murder Park」しかないであろう!完全に私見!
1995年にレコーディングはあっさりと終わっていたものの棚上げ期間が約1年、ということで1996年にリリースされた3枚目にしてThe Auteurs第一期ラストアルバム、である。これが世の中ブリットポップでわいわい言っている中、苦々しい思いでLuke Hainesがシーンにぶつけた異形の音楽、でその勢いでSteve Albini起用提案、そしたらレコード会社からOKが出て驚いた、というくらいの気概で臨んだ作品である。Abbey Roadでの録音ではあるがドラムはデカく、ギターはやかましく、チェロと鍵盤はこんなに不穏な音の塊になるのか、という不気味な音世界ではあるが、Luke Hainesの書くメロディとその全力で不穏で後ろ向きで、もしくは浮世と関係なし、という詞世界と相まって、あの時期に出たUKの、ギターを擁する所謂メジャーよりのバンドの作品としては、異色で且つぶっちぎりで頭一つ飛びぬけた名作、だと思うのですが・・・(急に委縮)。Steve Albiniが手がけたバンドの作品の中でも、ちょっと異色の1枚だと思うのでこれは全人類におすすめしたい1枚。