Hello

先日のAOBA NU NOISEにお越しの皆様、ありがとうございました。チームEVOLのみならず、かなりの人が轟沈していたのだが(私は奇跡的に無事)、これくらいの無軌道な感じがないともう感動しなくなってきている自分がいたりして、AOBA NU NOISE、面白いなあ、としみじみしました。大体イヴェントの最後に主催者の1人が「男汁全開!これがAOBA NU NOISE!」とか絶叫しながらESGの「UFO」で暴れているのを見て、このイヴェントに死ぬまで付き合おう、と目頭が熱くなったりしました。

来月も既に、ANNともう1つDJ業がブッキングされていますので、また詳細が決まりましたら告知いたします。しかし10年前にはいまだにこんなに色々楽しいことわいわいやってるとは想像もできなかったなあ。仙台にいて良かったかも。

ところでホームセンターに行くと業務用ののぼりを売っていたりする。よく飲食店の外に「味自慢 みそラーメン」とか「こだわりのやわらかとんかつ」とか色々立っているのを見ると思うのだが、ああいう類ののぼりである。

私はそのようなのぼりは、ホームセンターで見るまで各々の店が独自に作っているのだろうと思っていたのだった。それにしてはどこか似通った部分が多いのが不思議ではあったのだが、そういうものなのだろう、と思っていたのだった。ところがホームセンターでそのようなのぼりが売られているのを見て、あ、なるほどー、となったのだった。

しかしそういう売られている、共通した「こだわりの〜」とか「味自慢」とか書かれたのぼりって、全然自慢でもないし、こだわりでもないよなあ、というのが正直な感想である。否、その店で出しているお料理自体はそれぞれ美味しいだろうし、オリジナルなものなのだろうけれども、思いっきりのぼりがどこかの店と同じ、とかってそれで良いのかなあ、どうなんだろう、と常々大きなお世話ながら思っていたのだった。

そのような疑念を抱きながら結構な時間を過ごしていたのだが、今日車で通りかかった店の前には、白い布に思いっきりしょぼい黒と赤のマジックで、まるで学校での模擬店(しかも小学校くらいか)レヴェルののぼりが立っており、「味自慢 カツ丼」とフツーに2行に渡って、しかもその布の面積を持て余すような感じで書かれているのを見た。

あ、やはり市販ののぼりの方が良いのかもな、と長い間の違和感が消えうせた瞬間だった。

The Belovedの「Happiness」を聴く。今、この2009年には誰も聴いてないだろうし覚えてもいないであろう(覚えているのは「さっぱり売れねえなあ」とか苦々しく思って値下げしてやろうと目論んでいる中古盤屋の店員くらいであろうか)、UKのダンスポップユニットのセカンドアルバム、90年リリースである。あ、ちなみに誰も望んでいない情報だと思うのだが、初期はギター中心でNew Orderみたいな音楽性であって、ファーストアルバムは初期のシングル4枚をコンパイルしたものだったので実質的なファーストがこちらの「Happiness」かと。その初期の音楽もスウィートなメロディと若干ダンサブルなビートで実に格好良かったのだが、本格的にアシッドハウスの洗礼を受けてしまって生まれ変わった姿がこのアルバムでは見て取れる。ということで「ああ、あの時代の音ね」と皆様納得なさると思うのだが、まあそういうことである。しかしこの連中はビートに於ける探求のみならず、スウィートなメロディの探求も同時に怠らずに行っており、ここに収められた曲はどれも美しいメロディを持った曲ばかりで、ポップスとして一級品である。中心人物(後の唯一のオリジナルメンバー)Jon Marshの柔らかな歌声と相俟ってそのメロディが聴こえてくると、なんだかほんわかしてしまうのである。久々に聴いたが、物凄いフックのあるメロディ連発、且つダンサブルなビート、ということで軽く新鮮に聴こえて衝撃であった。一時期は飽和状態にあったこういう、「ロックバンドからダンスユニットへ転身インUK」の音って今聴くと凄く荒っぽさと洗練具合のバランスが面白くて、大いに新しい気持ちで聴く価値があるんじゃないかと思うのだが。どうせどこでも安いし。話が逸れたが、実は普遍的なポップスを知らずに作り出していたThe Belovedも今一度聴かれるべきである、ということを言いたいのだった。何か広がりがあるのだなあ、曲に。この後の2枚のアルバムも傑作だが、一番バランスが取れているのはこのアルバムだろうと思う。