Agitated

私が住んでいる街は、都会っぽいと言えば都会っぽいのであるが、それでもまだまだ地方都市ならではの感じ、がビンビンの街である。大きいと言えば大きいけれども、小さいと言えば小さい。

多分、そこら辺の半端な感じが、若かったり、上へ上へという志向が強かったり、一旗上げたかったり、とか言う方々には物足りないのだろうから皆大きな都市、Bright Lights, Big Cityへと流れて行ってしまうのだろうが、私のようにもう良い加減生まれたときからこの街に住んでいて、良い加減に脂も抜けて、という人間には実に住み心地が良かったりするし、大きい街だな、と感じるよりも、この街は小さいなー、と感じる出来事の方が多くて、しかもその小ささはこの歳になってくると凄く嬉しいことを意味したりしているのである。

勿論、たまに物足りなさを感じたりすることもあるし、こと行政面に関しては苛立たしさを覚えたりすることがあるのだけれども、それでも何だかこの街が良いのう、としみじみ感じた連休の1日であった。

というユルいテンションの今日であったがギンギンにThe Electric Eelsの「In Their Organic Majesty's Request」を聴く。パンク時期前、70年代初頭のクリーヴランドでごくごく短命に終わった元祖パンク的バンドのアンソロジーである。なんかエピソードがどれも暴力的だったり、トホホだったり、という話ばっかりで面白すぎる(ギタリストがメンバー全員ぶちのめしたり、とか客をぶちのめしたり、とかお陰で町で一軒のクラブから出禁喰らったり、とか)のだけれども、音にもそれがしっかりと現れていて、何だか凄くシビれる。録音状態もあまりよくなかったりするのだけれども実にガレージ、というかそういうノリでぶっ飛ばすロックンロールである。まあ、どうにもこうにも下手だったり、何か実験的なことをしようとしているのかも知れないが単にグダグダに聴こえたり滅茶苦茶に聴こえたり、という感じが良い。褒め言葉に聞こえないかも知れないけれども、そういう抜けているところも含めて格好良すぎる。The Dead BoysやらPere Ubuとかとの交流とかもあったらしいのだが、このバンドに比べるとかなり彼等はソフィスティケイテッドされていたんだなあ、としみじみ思わされたりする生々しく荒々しいエネルギーの放電ぶりが最高である。ちなみにYo La TengoというかCondo Fucksもカヴァーしておりました。っていうかAnton Fierが1曲ドラムス叩いていてちょっと驚いたりしたのだった。