Cisco

ところで私がこのはてなダイアリー、というのを利用して(以前のNag3から考えると)結構時間が経つのであるが、いまだに全くこの「はてな」というものがこちらのユーザーに提供してくれるサーヴィスというものを全く、全く使いこなしていない自分に気がつくのである。

何か知らないが色々機能はあって、巷で話題のTwitter、のような(詳しく知らない)ものがあったり、はてな内のお気に入りがあったり、とか星がつけられたりとか(これはできる)、もう様々である。様々すぎて、多分私はそのサーヴィスの25分1程度しか理解できていないし、使いこなせていないのであろう、という気がする。否、使いこなす、という観点から言ったらもう本当4000分の1くらいなもんじゃないのだろうか。「バックアップ機能」があるのに日記消えたりするしな・・・。

これって多分携帯電話の機能にも当てはまる、というか携帯電話の機能の使い方にも当てはまるのではないだろうか。日頃よく使う機能の使い方をまず習得した後に、色々後からいじって勉強すりゃ良いや、とか言ってそのまま何年も携帯電話の多種多様な機能のほんの数分の1程度しか使わないままに死んで行く人間たち(代表者:私)のような感じなのではないだろうか。

もう日進月歩の進化に付いていけないのう、と感じるのはこういう時なのである。もう皆がカタカナのハイパーな言語を駆使して会話している時に、こちとら縁側でお茶啜っているようなものである。えっと皆がウサギのようになっている時に、もうこちらは亀で行きますよ、と宣言できれば楽なものであるが、どうにも無理にウサギになれウサギになれ、と耳元で囁かれているような毎日だったりする。しかも亀が最後に逆転、とかそういう粋な結末を迎えずに、ウサギも昼寝なんかしないからどんどん差を広げられて・・・、という感じに、これからどんどんなって行きそうな気配。ウサギ界に片足を突っ込んだ亀、というのもなかなかポジション的には楽ではないものの、それが浮世の常、というものなのだろうか。

と、今目の前で回っているターンテーブルを見ながら思ったりしたのだった。Lindstrom & Prins Thomasの「II」を聴いている。私、ダンスミュージックの潮流に関しても、完全に亀どころか最早化石状態なんだが、このLindstromというスウェーデンの方の音楽は大変に楽しんで聴いている。最早なんつー呼称のダンスミュージックなんだかわからんのだが(ディスコダブとか言うのか)、その彼とPrins Thomasのタッグによる2作目になる今作も大変面白い。全体としてとてもダンサブルなのでクラブ映えしそうな音なのであるが、BPMが大層ゆったりとしておりじらされているままに終わるような、そして音色もガシガシではなく、非常にほんわかしたシンセの音色が印象的な、あったかいダンスミュージックなのである。何か70年代のNeu!みたいな広がりのある世界をもうちょい現世に近くしたような、そういう印象もあったりするのだが多分そういう観点からこういう音のことを語るのは間違いなんだろうなあ・・・。生ドラムス(サンプルかもしれないが)を初めとした生楽器が覆い被さってきたり後で鳴っていたり、彼方に消えて行きそうな音の抜き差しがあったり、ちょっとハッとさせられる瞬間は多々あるものの全体としてほんわかと聴けてしまう作品である。どことなく懐かしさを感じる空気感なのだけれども、その懐かしさは果たして過去のどこら辺に存在したのか、イマイチ判然としない、そういう実に不思議な感触のアルバムである。だからクラブ映えしそうなのは勿論なのだが、家で聴くのも凄くしっくりくる作品なのである。ちなみに長尺の曲が全8曲なのだが、アナログでは12インチ4枚組、というヴォリュームである。トータルで聴く時にひっくり返すの面倒だよなあ、とかナマケモノとしては最初思ってしまったものだが、同内容のCDもセットになっていて、なんと痒いところに手が届くパッケージングなのだろうか、と感心した。しかし結局、え、次の面はどんな展開なんだろ、とわくわくしながら盤をひっくり返す楽しみがあるので全然アナログだけでも困らなかったりした。ひっくり返すのが良いアクセントになっていたりして、とか。でもCDでどばー、っと聴いたらまた違う印象なんだろうな、とそういう楽しみも新たに生まれてくるのであった。亀は亀なりに楽しみを見つけたりもする。ちなみに上のリンク画像は左(ジャケ写)がCD、右の画像なしがアナログです。