Little Bird

先日のAOBA NU NOISEにお越しの皆様、ありがとうございました!まあ、いつもの感じだったのですがなんだか個人的に(というかEVOLの2人的に)懐かしい感じのかけたりして高まりました。大暴れとかはしなかったんですが、FeltとかPaul Haigとかかけながら「嗚呼俺って一生こういう感じなのかな・・・」とか不意にそういう思いに囚われたりして何だか不思議な気持ちになりました。9月もAOBA NU NOISE、そしてその前日にも(こちらの詳細はまた今度)、という2連チャンDJ稼業があります。仕事の方もたぶん今月は怒涛なのでそのイヴェント2連チャンの頃には単なる廃人になっている可能性大なんですが、生きて乾杯しましょう。

しかし今日から9月ということで、もう夏は終わった、という仮定のもとに今年の夏を振り返ることでもしてみようではないか。

・旧友との再会
2年間音信不通に近い状態だった友人とレコ屋行って酒飲んだ。会うたびにそういうことしかしていないのだが、とても楽しかった。住んでいるところの距離はかなり離れていても、何だか同じようなもの聴いて同じようなこと思って、ということが確認できた。一時期はあまりにも音信不通だったので、実はそもそも存在していない人間だったのではないか、私たちは何か幻を相手に過ごしていたのではないか、と思うことにしていたのだが、きちんと現世に存在していることが確認できただけでも今年の夏は有意義だった。

・虫(蚊)に対する憎悪
今年は刺されまくった。近年にない私に対する盛り上がりが蚊界内であったのかは知らないが、一方的な求愛、そしてキスマーク攻撃を受けまくった夏だった。どうせ片思いに過ぎないのに、あいつらの愛情表現は過激すぎる。おかげでぶっくり刺されたところから広範囲に渡って腫れ上がり、2回も病院に行く羽目になった。そしてそこまでではないものの、家電量販店内で、しかも二の腕の裏側みたいなお前はなんかフェチかよ、みたいなところ刺されたりして本当に散々だった。もっと違う形で愛情表現を受けたい。もしくは殲滅。どっちかというと蚊とかからじゃなくて、もっとなんていうか、魅力的な女子からの上記攻撃とかだったら、今年の夏は秘め事、そしてアヴァンチュール、とかいってまとめられたのに、実に不本意である。当然ながらそういう事例には今年の夏も、まったくもって無縁であった。まあリアル虫からであって、虫みたいな女子からのアプローチ、だったわけではないから幸運だった、とか思うことにしようか。

・PC
4年強使ったPCの電源が急に落ち、修理に出したその足でタダでモバイルノートを持ち帰り、その後修理見積もり6万強という金額に憤りを覚え、ほぼ同額で新しいノートPCを買って帰った。つまりわずか1週間の間に我が家に新しいPCが2台、という本気で異例の事態が起こり、結果、なぜだか知らないが強烈に疲労感・虚脱感を覚える。PCマニアでもないのに・・・、とかデイトレーダーとかでもないのに・・・、とかスーパービジネスマン若しくはできる営業マンとかでもないのに・・・、と己の認識している自己キャラクターとあまりに乖離した事態に対する困惑が原因かと。しかし通信方式も同時に変わったことで遂にYouTubeが普通に見られる環境になっていたことにさっき気づいた。生活のリズムが著しく破綻しそうな予感がひしひしとする。

という夏でした。海とかで水着ではじけた写真とかそういう友人の日記を見た直後だったので、何もなかった夏、という思いがひしひしと。でも逆に言えばいつもと同じような夏だったかと。ちなみにプライヴェートでは県外に全く出ず、であった。あー。

ということで何かMooseの「...XYZ」が聴きたくなったのだ。92年のファーストアルバムである。最近Cherry Redが再発してくれたので簡単に今では入手できるはずである。当時のUKでギター中心バンド、というといわゆるシューゲイザー、とか言う言葉で一まとめにされていたものだが、この連中は初期3枚のEP(今回のCherry Redからの再発ではボートラでほぼ全部聴ける)の時期は比較的そちら寄りだったものの、このファーストアルバムでは全く違う意匠になっていたから当時ぶったまげた記憶がある。まあ、前述の3枚のEPでも3枚目とか聴くともうシューゲイザー的な側面はほぼ皆無なんだが。ということですこーんと抜けた音の感触に(結構凝った音の重なりはあるのだが)セミアクースティックなギターサウンドで出来上がっていて、ギターのフィードバックノイズなどほぼ見受けられず、代わりにアメリカ的なカラッとした爽やかな音作りになっている。Fred Neilの「Everybody's Talkin'」のカヴァーまで入っているし。でまたこいつらのメロディセンスがポップなのに薄味で(良い意味)、すごくあっさりさらりとしたアルバムなのである。プロデュースはREMとかを手がけたりしていた、当時のいわゆるUSカレッジバンド御用達のMitch Easter(私94年にVelvet Crushのライヴで本人を見たことあるな、そういや)だったりするわけで、当時のUKバンドとしてはかなり他と毛色の違う作品である。で、やっぱり時代が悪かったのか、このアルバムの後にHutレーベルをクビになり自主レーベルからシングル出して、その後A Play It Again Samから2枚アルバムを出し、また違うレーベルからアルバムを、と結構息の長い活動をしていたのだが他のシューゲイジングな連中が消えて行く中でしぶとく活動できたのはこいつらの今作に於ける勇気ある決断、音作りのおかげだったのかもなあ、とか今思う。時代が悪かったのだ。だから今時代を超えて普通に楽しむことができるはずである。個人的にこれ以降の作品もアルバム毎に手触りは異なれど傑作揃いだったりするからいまだに結構な頻度で聴いてしまうんだなあ。しかし、どちらかというとそういうカラッとしたサウンドの今作でもModern Englishの元メンバーやCocteau Twins絡みのメンバー、元Dif Juz〜The Jesus And Mary Chainのメンバー、という異常に4AD率が高いメンバーたちが参加しているわけで、実になんと言うか不思議なバンドなわけである。ついでに今気づいたがThe CranberriesのDolores嬢まで参加してるわ・・・。