Small Metal Gods

stereo♪ vol.2 @ pangea  日時:9月26日(土) 20時〜29時  
料金:ADV.1500円(1DRINK),DOOR.1500円(1DRINK) おつまみ持ち込み可!!自由に持ち込んでください!

Genre:Post Rock,Electronica,Indie Rock,Indie Pop,Rock.Pop,J-Pop and more......

仙台の音楽好きの人が集まって DJが流す音楽を聴きながらお酒飲んではしゃごうというイベント。 踊るようなイベントではないし,DJもテクニックも何もなし,選曲するだけの形です。 お酒を飲んで新しいつながりを作ったり,話したりできたらいいなというイベントです。

DJ:MaHiRO、tdsgk、めぐる、ベックジラ、ツカサ、よらよら、わたる、石油王

この日はたぶん、何か夏の終わり選曲パートと緩く楽しむロックポップス、とかかけそうな予感がします。次の日のAOBA NU NOISEもよろしくです!こちらはぎょりんぎょりんで!

私は家にいる時は音楽をよく聴いているのだが、無音の時間も勿論あるわけだ。本を読んだりする時はどうしても音楽とか聴きながらでは無理なのだな。

私が読書したり、こうやって駄文を連ねたりするデスク(とか言っているが単に前まで茶の間で使っていた机をそのまま流用)はベランダの大きなサッシの近くにある。なぜそこかと言うとスピーカーのまん前だから、という理由なのだが、そこに座布団を敷いて色々やっているわけである。

秋と言えども我が家は幸か不幸か機密性が高く、閉め切っているととても暑い。だから今日みたいな若干肌寒さを感じる気候でもサッシを開けている。そうすると外の音が自然と聴こえる。時折今日は道路工事がうるさいな、とか思っていたらそれはターンテーブル上のStockhausenの「Hymnen」の音だったり、という事故もあったりするが、車の音、会話、犬猫の声、そういうものがよく聞こえてくる。

今日もそのような様々な町内の音が聞こえてきた。車の音、廃品回収のスピーカー、猫犬虫の鳴き声、隣の子供、土手を歩く人や向かいの家のおばちゃんの会話、Bon Jovi「You Give Love A Bad Name」の熱唱。・・・ボンジョビ

そう、確かに聞こえてきた。邦題「禁じられた愛」の冒頭の熱唱部分をカヴァーしている誰かの歌声が。しかも延々その部分だけのリピート。間違ってもJon Bon Joviの声ではない。近所の誰かの路上での声だ。2009年のこの時、我が町内では何が起きているのだろうか。

David Sylvianの「Manafon」を聴く。約6年ぶりの新作である。その間にもNine Horsesでの活動とかワールドツアー、リミックス集やインスタレーション作品When Loud Weather...の発表、などあったが彼名義での歌ものアルバムはそれくらい開いていたのだなあ。今作は前作でのDerek Baileyとの共演からの延長線上にある楽曲がずらりと並ぶアルバムになっている。つまりはインプロセッションを加工してヴォーカルを乗っける、という作り方で出来上がった作品なのである。で参加メンバーがまた凄くてFenneszEvan ParkerにAMM絡みのKeith RoweとJohn Tilbury(でも同じセッションでは参加していないのはやはり政治的思想の溝がいまだにある、ということなんだろうなあ)、大友良英Sachiko M、秋山徹次、などなど錚々たるメンバーが参加している。何でもSylvian氏は今までのポップスのフィールドに於ける作曲の仕方とかには最早興味がなく、そのシフトした興味の結実したものがこのアルバムだそうである。それはそれで良い。良いのだが、このアルバム、結局はSylvian氏のヴォーカルと独特の節回ししか頭に残らないアルバムになっているのである、こんなに名うてのミュージシャンが大挙参加しているにも関わらず。時には無音になったりしてしまう異常に静かなバックの上でSylvian氏のまるで孤立しているかのような歌声が響く、というアルバムになっている。まあ彼のアルバムだしそうなっても当然なのだろうけれども。勿論きちんとバックにはギターがサックスがピアノが弦楽器が、と認識できる音は入っているし、時にはヴォーカルとヴォーカルの間で鳴り響いたりもするが、結果としては上記のような印象に落ち着いてしまうのであった。Sylvian氏の歌詞は面白いし、相変わらず低音の震える美声だし、それはとても素晴らしいポイントなのだけれども、いかんせんメロディの印象が薄くて、アルバム全体としてはちょっと単調な出来に思えてしまうのであった。でもそれはもしかして「Keith Roweがせっかくギター弾いてるんだからさー」とかいう勝手なこちら側の予想というか期待というか、そういうもののせいでそう感じられてしまうのかも知れないが、ちょっと残念だったりする。ただ、確実に言えるのはその単調な印象のせいで、思わず何回も何回もリピートして聴きこんでしまえる、という怪我の功名のようなものがあるアルバムだ、ということである。少なくともこの3日で家にいる時はずっと聴いているなあ・・・。しかもそうしたら意外にこれはこれで良いのではないか、という気がしてきた。むむー。ファンにとっても実にチャレンジングな1枚であることは間違いない。