Pop The Glock

我が家駐車場にあった放置車両がなくなっていた。撤去されたというよりは自走していった様子で、全く世の中どてらい奴もいるものだ、というか持ち主は死んでいるはずだ、という私の仮説はどうしたものか、いや死んでも運転はできる、とか何かと混乱の日々である。

ということでその車がなくなってなんかあらゆるバランスが崩れたのか、体調が悪い。否、リンパ腺の調子が悪い。首から顎の下にかけてのリンパ腺が腫れあがってしまった。

最初は虫歯か、と思わせられるくらいの痛みが奥歯の辺りであって、それが実は歯じゃなくて口の中の後部が痛い、と気づき、ふと思えば顎も痛い、ということでこれは驚異の自然治癒力で治してやろうかそもそも何の病院行ったら良いかわからないし、と思ってたが何だか食べ物を噛むのも難儀する、という段になってこれは内科に行ってみよう、となったのだった。

でリンパ腺が腫れている、となったのだが、いまだに腫れは引かないわ、熱は出るわ、まあ痛みが薬のおかげで減ったのが不幸中の幸いか、という状況であって何だかしゃきっとしない。何か身体で心配事があると何とも晴れやかな気持ちにはなれないわけで、全くやってられん。The Raincoatsのためにも完璧な体調にしておかなければならないというのに!それさえ終われば別にどうだって良いのだから・・・。

だから今日は気合いを入れようとDag NastyCan I SayFugaziSteady Diet of NothingにFudge TunnelHate Songs in E Minorに、という1日だったのだが今はUffieの「Sex Dreams And Denim Jeans」を聴いている。最初のシングルが話題になってから随分経ったよなあ、とか思っていたのだがそれは本人も気にしていたようでお待たせしてごめん、みたいなことがちゃんと書いてあって好感が持てる。とは言え、私は全然彼女の作品を追いかけていなかった(というか我が街に彼女のレコード入荷してたところなんてあったのか・・・)し、やっとアルバムが出て「ほほう」程度の興味だったのだが試聴してみたらアリだったので今こうやって家で聴いている。N.E.R.D.Pharrellが参加していたり、元The Raptureの奴が参加していたり、Mr. Oizoがプロデュースだったり、という面子も豪華だったりするのだが、何だか彼女のラップのりのヴォーカルが何よりもキュートで印象的である。なんか突っ張っているわけでもなく、かと言って物凄く自然、という感じでもなくちょっと不安定な感じの落ち着かなさがあって、そこが凄く良いのである。これで自信満々な感じ(いや実際は自信満々なのかもしれないけどそうも聴こえない)だったらちょっと食指は伸びなかったと思うのだが。勿論彼女のヴォーカルのみならず、いやいやこういうの久々に聴いたわ、と個人的には思う強いビートのエレポップ〜エレクトロのバッキングはばしばしで格好良い。Lily Allenのファーストをもっと電化方向に持って行ったような感じ、というと「何もわからないジジイが」と若い人に笑われそうだが、そういう若干の詰め込みました感、無理やり感、が愛らしい傑作だと思う。ついでに彼女のルックスが、いや、こりゃ可愛いですわ・・・。

というか余談だが重要なこと。まずアルバムのタイトルが良いよな、とか思ったのだ。で、そのタイトル曲を聴いていたらこれがまたThe Velvet Undergroundの「Rock And Roll」をまんま使った、むしろ替え歌のようなものでのけぞり、そしてその後Siouxsie And The Bansheesのカヴァーが飛び出すに至って即死であった。まあこのアルバム、聴くのは必然であったのか・・・。