Anhedonia

月初めからいきなりリアル師走の洗礼を受けて走り抜け、且つ最近同居人と90年代ドラマとその主題歌等の話で盛り上がってしまって、関連して夜な夜な佐野元春聴いて間髪入れずにesrevnocによる佐野元春カヴァーs.s.t.を聴き、挙句の果てにはドラマとも何とも関係ないのだが岡村靖幸のクリップ集DVD見てしまってもう発狂寸前なので告知等はまた明日以降でご勘弁を。頭が痛い・・・。

しかし岡村靖幸のダンス、というか動きは「ただリズムを取っている感覚に装飾をつけた感じ」「しゃくれ顔な感じ」「手持無沙汰な感じ」という三本柱が根幹を成すのだな、という新しい発見があったのでよしとしよう。あと顔の大きさが(絡んでいるモデル女子がまた皆小顔なのも影響しているかと思うが)最早スピリチュアルな大きさだ。間違いない。

否、本当はどっかのバンドによる、「ロックンロールは生きている」なんて曲がまかり通るこの世の中で一体どうやって生きていったらよいんだ、という悩み相談をしたかったんだ!切実に!そんな発言して良いのはギターウルフのセイジさんだけだ・・・。というか死んでる生きてるとか何言ってんだよ、ロックンロールイズヒアトゥステイなんだよ、とか無性に腹が立ってきて仕方がないんだ・・・。

と「ロックンロールという言葉に過剰に敏感に反応する病」と「文章とっちらかり病」にかかってしまった私はThe Third Eye Foundationの「The Dark」を聴く。この名義では約10年ぶりの作品ではないですか・・・。Matt Elliott名義でのウタモノ3部作(なんだろうな多分)Songsは傑作だったし、Gudrun GutI Put a Record onやYann TiersenDust Laneとの絡みなど、凄くフットワーク軽く動いているような彼だったから名義を変えて良かったんだな、とか思っていたのだがCoilトリビュートアルバムThe Dark Age of Love: +7にThe Third Eye Foundation名義でリミックスを提供して(アナログのボーナス7インチ。ちなみに本編では本名名義で参加)、これは動くのか、と思ったらアルバムが出た。で、これが第一期The Third Eye Foundation名義での末期に感じられた煮詰まり感がなくなった、傑作なのである。濃密ではある。更には全5曲が切れ目なくつながっており、そして全体としてクレッシェンドしていくような盛り上がりを見せる作品である。本名名義でも物凄く不穏な荒れ狂う音の上でヴォーカルが載っている感じだったが、今作ではやはりヴォーカルはないものの、やはりこの名義ならでは、の暴力的なブレイクビーツ、というかドラムンベース調、というかあれ、ダブステップ?調まで、ビートが効いている。ただ、全体を覆う不穏さとそれと同じくらいのロマンティックな哀愁まで感じさせるところが今までと大きく違っていて、私としては第一期よりもすっと入りこめる作品になっていた。あのウタモノシリーズの延長線上で捉えることもできる新たな出発に相応しい重量級の傑作。しかしそれでも姿勢は一貫して昔からウタモノ期を経ての今も変わっておらず、なんせ最終曲のタイトルは「If You Treat Us All Like Terrorists We Will Become Terrorists」なんていうものだったりする。頼もしいブレなさだ・・・。