Dead Trumpets

もう10月になっていた。

何だか近年私の業界は秋口が忙しいことになっているみたいで、ここ最近目が回るような進行具合過ぎてですね、毎日機嫌悪く過ごしているのだが、なんか今年の夏に虫に刺された腕の傷口からはまだ膿が出やがるし、今度は反対の腕が謎の腫れ具合だったり、ともうめちゃくちゃである。

これはやはり白いシャツ着て高原のサナトリウムで余生を、とか思いながらいたりするのだが、どんなに忙しくても毎週必ずタワレコのダブルポイントの日にはタワレコに行ってしまうのは何だ、性(さが)のようなものなのか。なかなかまとめて聴く時間が取れないのが悩みの種ではあるが、そういうことやってるうちはまだ正気でいられるのだと思う。さすがにそういうことしなくなったらやばいんだろうな、とまたしても己を正当化するのであった。

でも昨夜は実に2,3年ぶりに焼き肉食べて、しかも何だか凄く美味しくて大満足してもう死んでも良い、的心地になったから頑張れそうな気がする。今日も今日とて家で仕事してたりしたけれども、かせきさいだぁのライヴが凄く良かったから頑張れそうな気がする。

Pete Astorの「Songbox」も凄く良かったから頑張れそうな気がする。2005年の前作は未聴ながらまあ、いずれにせよ久々の、The Loft、The Weather Prophetsの彼のアルバムである。Twitterやって良かった、というのはこれがリリースされてる、という情報をゲットできた点か。もっと言えばそんな凄い情報を呟いてくれる高校の同級生に恵まれていた、という事実か。しかしアマゾンの保険でUKに注文してたらすんなり届いた。頑張れアマゾン。さて、The Loftも再始動していたのだが聴いていなかったから大分久々に彼の声に触れるのであった。あ、旧作には毎年必ず何らかの形で触れるから全然彼の当時の声自体にはご無沙汰ではないのだけれども。ここで聴けるのは管楽器も入った、実にシンプルな歌と演奏で綴られる11曲である。昔から哀愁のメロディを呟くように囁くように歌う彼だったわけだが、その魅力はここでも全開で、最早Leonard Cohenの域に達しそうな哀愁具合の曲達である。しかしこうして考えるとThe Loftのセカンドシングルとか、The Weather ProphetsのセカンドJudges, Juries & Horsemenのイキの良さが逆に何だか不思議に思えるくらい一貫して、一歩引いたような感じで音楽を奏でてきているんだなあ、としみじみする。ソロになってからの方が歌には艶やかさがあるように思えるし、なんかしっくり来るような感じでやっているのかも、という気がする。そりゃあ派手さはないのだけれども、これは今年一番の心への切り込み具合の作品である。とくに最終曲「Mistress Of Song」など、もう歌詞全部書き起こして日本語に訳してここにのっけたいくらいの感動的な歌詞だし、また名曲であるからして。いやいや、もう泣かされましたよ・・・。ちなみに段ボール箱に入って、バッジ入り、各曲毎に歌詞とアートワークのついたカード入り、という体裁は面白いのだが、限定300枚とかいうのはキツすぎるぜ・・・。

ところで去年の10月はどうやら私はLloyd Coleの当時リリースされたソロアルバムを聴いていたらしい(参照)。どうやら10月はそういう月なのかも知れない。