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先日は節分であった。暦の上では春になるわけであるが、まだまだ寒いのう、とかいう話は置いておいてTL(←言ってみたかった・・・)上では「恵方巻がどうこう」という話題が大層多かった。

そうか、もう恵方巻が日本全国津々浦々メジャーな節分アイテムになっているのだね。確かに節分前にはコンビニに寄れば様々な種類の恵方巻の予約受付中の文字が躍っていたわけだし。ということは、もう若い世代の方々だとどこでも「節分=恵方巻」となっているのかも知れない。「ヴァレンタインデー=チョコレート」と同じようなものである。いつの間にか金絡みのアイディア(というか普及活動)もそこそこ長い年月をかければ定着してしまうものなのだなあ(ちなみにこちらのウィキペディアはかなり腹に一物ある感じの書き方で結構好きだ)。

しかし我が家ではまあ、とくにそれほど恵方巻だなんだ、と盛り上がらなかったので普通に豆をまいた。落花生をまいた。とりあえず鬼役がいた方が盛り上がるだろうと思い鬼を設定しようとなった。しかし鬼の面も用意していなかったし、近くに鬼がいるわけでもなかったので鬼代役、ということでドラえもんの大きめのぬいぐるみに赤いひざかけをかけて鬼代りにして豆をぶつけた。実にいたたまれなくなって予定より早く終了した。ちょっと途中からぶつけられるドラえもんaka鬼が可愛そうになってきてしまったので・・・。

してその後は歳の数だけ豆を食べる、という儀式に移行したのだがそろそろこの年齢になってくると結構キツイ行為である、落花生を37個食べる、というのは。そろそろある程度年齢を重ねた人がバースデーケーキの上のローソクの数を簡略化するように、はしょるべきなのだろうな、豆の数も。しかし本当に鬼は外に出て行ってもらわないとそろそろ困るし、何より福がウチに来てもらわないと困るのでやはり簡略化したら鬼になめられたりしてしまうからダメなのだろうか。恵方巻を鬼にぶつけて歳の数だけ恵方巻食べる、とかすれば完璧なのかコマーシャリズム云々は置いておいて。それは最早フードファイトだな、しかし・・・。

今日は休みだったからDomeの「1-4 + 5」を全部聴いた。WireのGraham LewisとBruce Gilbertのユニットの4枚のアルバムプラス、確かWMOからCDで出ていた色々な時代に録りためていた音源を集めたアルバム、という全5枚のアナログの箱フロムEditions Megoである。まあ、普通に4枚のアルバムはCDになっているから聴けると言えば聴けるのだけれども最新リマスタだしまとめて聴けるし、ということでこの箱は素晴らしい。「2」「3」あたりは凄くよく聴いていたのだが機会がなくて「1」「4」は初めて聴くのだった。もちろん「5」も。「2」「3」の印象はインダストリアル一歩手前のシンセ多用のインスト多め、という感じだったのだが、この80年から82年あたりの4枚の音源を箱でまとめて聴くと、結構ヴォーカル入りでバキっとしていた「1」から徐々に曖昧な音になって行って密やかな工業ノイズみたいなものがループしたりしていく状態にまで突入する様が一気に聴けて面白い。36時間のスタジオワークでばっと作った最初の音源から時間をかけてこねくり回した音に変化していく様、というか。とはいえもともとのリリースのペースを考えると、また資料とか見るとせいぜい一週間かそこらで作っているみたいなのだが。何だか結構ビートは入っているし、単なる適当な垂れ流し的音響とか何だかめんどくさいような音楽からは程通く、全体に緊張感が漲っている様は凄く格好良いし、This Heatとかジャーマンニューウェーヴ辺りの音とも近いもんなんだなあ、と改めて発見できたので今日は実に充実していたと言える。というか4枚通して聴いて興奮しっぱなしだったのは言うまでもない。「5」はバラバラな時期の音源にも関わらず、意外に統一感があって面白いし、90年代に入ってからの音源がべらぼうに格好良いのはさすが、と思ったのだった。アートワークも素敵(クウェイ兄弟だのダグラス兄弟だの絡んでるし)だし、ちょっと高めだけれどもこの箱は家宝。