More Brother Rides

2日間、毎晩激しく寝落ちしていたので途中まで書いていたのに更新できなかったのであった。

ということで料理研究家のケンタロウ氏が交通事故で重傷、というニュースが最近一番の衝撃だった。そのニュースを知った日曜日はたまたま彼のレシピの中でも我が家のヘヴィロテ、「もやし鍋」を作ることになっていたので嫌なタイムリー具合だのう、と思いながらもやしを勢いで2袋も我が家では消費したのであった。要はもやし500グラムくらい食べたわけである。

バイク事故、ということで大変な事故だったみたいだし、後遺症が心配、という報道もあった。しかし、Bob Dylanのように(大けがではなかったという噂もあるが)、Marc Almond様のように、バイク事故で死にかけながらも復活を遂げた方々はいる。この際Roy Orbison夫人とかDuane Allmanとか高橋良明の件は考えないようにする。だから私は、ケンタロウの復活を心から待ち望んでいる。何年かかっても良いから(いやもちろん早い方が良いのだけれども)必ずや復活して珠玉のレシピを再び紹介してくれることを待ち望んでいる。初心者にも作りやすくて、手順の書き方が平明で、そして間違いなく美味しいレシピの数々をまた教えてくれることを心から待ち望んでいるのだ。

彼のレシピは本当に、あ、これ作れそう、というズブのビギナーである私にも閃きを与えてくれるくらいわかりやすいし、シンプルである。めんどくさい手順を踏まなければならないものも、説明に従っていくと意外に難なく進めていけるし、しかも美味しいのだ。お陰で私が料理好きになった、というのも言い過ぎと言えば言い過ぎであるが、一因になっていることは間違いないのだ。

彼のレシピには何だかやたらとオイスターソースが頻出するのだが、そんな感じのレシピの新作を心待ちにしているので、ケンタロウ氏にはゆっくり休んで復活を遂げてもらいたい。その際にはためていたレシピが「地下室」Basement Tapes (Reis) (Dig)みたいな感じで世に出ても構わないし、「John Wesley Harding」John Wesley Harding (Reis)みたいなレシピ集でも構わないなあ。

Palace Musicの95年作「Viva Last Blues」を聴く。一時期はちゃんとほぼコンプリートだったのに、私の心が曇っていた頃我が家でCD大粛清の嵐が吹き荒れて、手放してしまっていたものをブクオフで懺悔しながら再購入した。なんで売っちまったのかなー、と思ったりしたのだが今ほど自分が大人じゃなかったからだろうな、という結論に達した。だって、37歳になって改めて聴いたら物凄く感動したもの。これはPalaceなんたら名義では本当は最後のアルバムで(「Arise Therefore」は最初はPalace名義だったけど結局はWill Oldham名義の作品、ということらしい)Steve Albini録音、がちっとバンド編成の音である。PlushさんとかSebadohのJasonが参加していたりするわけで、枯れた味わい、というかかなりヘナヘナなカントリーブルーズが、ここでは結構力強いバンドサウンドになっている。と書くと大げさなのだけれども、枯れまくりな空気はそのままに、どことなくファンキーな色合いもあり、ギターがでかく、ボトムがしっかりしているが故にガレージ的な色合いもあり、の傑作なのだった。Will Oldhamの書く曲は地味ながらもメロディアスでしみじみする曲が多いのだがこういうバンドサウンドでもバシッと映える。っつーか泣ける。ちょっと他のアルバムも探し出して聴きなおすしか2012年に残された道は私にはないな、と決意したので頑張ります。