To Climb The Cliff

うわもう来週の話ではないですか!

GASLIGHT Vol.16 @diningbase fam 2013年12月25日(水)21:00〜\1500(1d)
Act: carl / janko / Masaki Saito/ Masumi Horiya / Morio Kamada / 砂
DJs: sasada/tdsgk
死海 鈴木美範

久々の開催です!私も死力を尽くしてDJしますが血を流している弾き語りの音楽を聴きに是非いらしてくださいませ。

そして年末忘年会スペシャル!

AOBA NU NOISE@Club SHAFT 2013年12月29日(日)20:00〜ADV/1,500yen(1D)DOOR/2,000yen(1D)
Guest DJs / Bow ( ZUNDOKO DISCO ), Ryuji ( She Saw Sea / AFTER DARK ), Tsubasa ( She Saw Sea / AFTER DARK )
Live Act/-W-(Waikiki Champions), masaki saito
呑処 / 神×Shi-Su-Shi
DJs/EVOL (from LoveRecords), RAMBO, SISINOBU (ZUNDOKO DISCO), SIF(G.R.U.V / DIABOLO ), KIYO (quat(out ))

いや、2013年も何かと色々あったと思うのだけれども、まずは忘れないことには終れないと思うので今年最高の忘年会をしたいと思うのです。だから皆、今まで日曜日の夜、というハードルのせいで来れなかった人も全て年末モードで是非いらしてくださいませ。あとEVOLも現行2人組体制はラストかも知れないので珍獣の最期を見届けにいらしてくださいませ。来年もこのままの珍獣体制で行きたいのだけれどもな・・・。忘年会が送別会になっちゃうのはちょいと、私は本当に寂しいのだけれども。もしこのままの2人組体制が来年も続けられれば何も言うことはないのだけれども。

ということで年の瀬であるが、私が餃子大好き人間であるのは近しい人々ならばご存じのことかと思う。日頃パラノイアックに餃子餃子言ってるわけではないのだが、ふとした瞬間に餃子のことを考えると止まらなくなるのである。

そんな私であるが、餃子をタネから作るのはこの間までしたことがなかった。今のような暮らしを初めて10年近く、餃子包みの作業は頻繁に行っていたが、ゼロからの作業というのは私は今までしたことがなかったのである。

で、こないだ初めて餃子をゼロから、つまりタネから作る、ということを私がしたのであるがご存じのとおり、挽肉やら何やらを混ぜて作るわけである。我が家ではこれまで大き目のスプーンでタネを混ぜていたらしいのであるが、そうとは知らず料理本の言うとおり、ボウルに挽肉やらニラやらネギやら酒やら醤油やら生姜やらごま油やらをぶち込んでそれを手で混ぜてタネを作ってみたのである。

水餃子にしてみたのだが勿論出来上がりも美味しく、とくに今までとは異なるふんわりの食感具合でこんなになるのか、と感動する具合の手ごねパワー実感の餃子が出来上がったのだが、何よりもこの、色々な具材が入ったボウルに手を突っ込んで混ぜる、この行為が快感、と言っても差支えのない行為だったのである。ある種の背徳の悦び、と言っても過言ではない、「ああああああ」という感じだったのである。

思えば私はパスタのトマトソースを作る時も、ホールトマトの缶詰をボウルにあけて手で潰す、という行為が不思議と好きであった。それが何故だかはよくわからなかったのだが、今私は確信している。そう、そのそこはかとない背徳感、これに尽きる。ボウルに手を突っ込んで混ぜる、その瞬間の「ああああああ」という感覚、これを私は欲していたのだな、と今なら断言できる。こないだの餃子を混ぜた時の「ああああああ」感、これは何物にも代えがたいものだからである。そこにはア・リトル・ビットの背徳の悦び、それが間違いなく存在しているのである。

それで私は思った。世の中、ア・リトル・ビットの背徳感を皆知らず知らずのうちに、もしくはたぶんに意識的に求めているではないですか。でも、結構背徳感を突き詰めていくと家庭崩壊とか人格崩壊とか逮捕とか自殺とか殺人とか、そういう悲惨な末路が待っているわけである、上手くやらないと。だからどうしてもそういう背徳の衝動とか欲望に突き動かされがちな人々には、平和な折衷案として餃子のタネ手混ぜ、もしくはトマトソースをホールトマトから手作り(フィーチャリング手潰し)を強烈にリコメンドしたいものである。そこには今まで知りえなかった背徳の悦びが待っているどころか、美味しい食事も出来上がるのであるから・・・。

少なくとも私はこの「手で潰したり混ぜたり」によって、暴走しそうな時、もしくは横道に反れそうな時は防げるのではないか、と本気で思っている。あとはその衝動を止めてくれるものは、そうだな、ロックンロールか・・・。

ということでこれから自分が、ああ衝動が抑えきれないんじゃないかやばいんじゃないか、と本気でヤバい時には、ロックンロールを聴きながら餃子のタネを混ぜれば良いのではないか、それでかなり背徳の悦びでもって人生を補完できるのではないか、と思っている。本気である。

でもそんな年がら年中餃子のタネを手ごねするわけにもいかないのでロックンロールで補完だ。Antenaの「Camino Del Sol」で補完だ。今まで何度も様々な形でCD化されていた音源の、もうこれ以上はないであろうという拡張版による2枚組である。Antenaと言えば中心人物Isabelle Antenaのソロプロジェクトとしてお馴染みであるが(まあ今もお馴染みか、と問われれば微妙だが・・・)、ここに収められているのは極初期のまだ3人組ユニットだった頃の音源である。正規音源としてはこの3人組は82年のミニアルバムと同年の12インチ、あとコンピ参加曲(「ロシュフォールの恋人たち」とか)、程度しか残っていないのであるがこの拡張版ではそれら全て+お蔵入りのナンバー、更にはディスク2には当時のライヴ音源まで収録、ということで3人組期Antenaコンプリート集、といった趣である。チープな打ちこみにギター、そしてこちらが青ざめてしまうくらいの危ういフランス語ヴォーカル、なのであるが不思議と全体を通しての清涼感が全てを凌駕してしまう勢いなので、リリースから随分経った今でも十分新鮮、そして刺激的なのである。その後彼女のソロユニットになってからのAntenaは洒落たボッサや軽いジャズの感じなどを取り入れた音楽性で80年代のカフェバー(死後?)で人気を得ていたらしいし、その後には様々なDJのミックステープに収録されたり、福富幸宏によるハウスカヴァーとかもあったり(その後彼のプロデュースによるアルバム作ってたな)、という展開があったのだがここで聴けるのはまだまだエレポップ、と形容できるような音世界なわけである。しかしそれでもぶっちぎりの気だるさ、そしてサンバとテクノポップの融合、みたいな不思議な音楽性が全開で、そう、ニューウェーヴってこういう感じなのかな、と思わせられるのであった。ライヴ音源の方では未発表のSuicideを彷彿させる曲があったり、「The Girl From Ipanema」の替え歌「The Boy From Ipanema」はJohn Foxxプロデュースだったり、となかなかに一筋縄ではいかないところも時代の空気なのかも知れない。ライヴの方での危ういなんてもんじゃないヴォーカルの炸裂具合も素朴ながら先走ってる感が最高である。とか色々書いているが、まずはこのタイトル曲のクールさにやられてしまうのだなあ、何回聴いても・・・。