AOBA NU NOISEのTシャツです!
暑過ぎだったり地震だったり台風だったり、なんかむちゃくちゃだな、とか思っていると8月はあっという間に過ぎてしまうものであるが、早速なんとなく日の短さを感じるような日々で、このままでは夏が終わってしまう、というものである。
そう、なんとなくご想像の通りお盆休みになっているのだけれども、本を読んだりレコードを聴いたりカレーを作ったり墓参りをしたりとか、そういう風に過ごしているだけで終わってしまうのは重々承知していて、それが良いのだよ、と考える自分と、なんかせっかくの休みなのだからどかーんということがないと良くないんじゃないのか、と昔の若さにしがみつくような自分がいたりして、しかし結局のところ何も起きないままに終わっていくのは火を見るよりも明らかである。
もう50歳近くなってくるとそうそう新しいこととか別にさあ、とか言いたくなるわけで、今日も台風の雨風が納まった頃合いをみて郵便局とか行って荷物を取ってきて、ぶつぶつそういうことを言いながら車で帰宅したら、私の車の駐車スペースの隣の車の下に猫がいて、私の帰りを待っていたのだった。
お帰りにゃ、おやおや待っていてくれたのかい、そうでもないにゃ、と会話したのちに私は家に入り、レコードとか聴いてまた外に出たら、その猫は、じゃあまたにゃ、と私の顔を見てからどこかへ立ち去って行ったのであった。
そう、とくにどかーん、ということはないけれども、こうやって猫からの変わらぬモテっぷりを再確認できたのだから、まあ良いお盆休みなのかもしれない。
Belongの「Realistic IX」を聴く。
なんでも前作は13年前(!)という米のデュオによる新作、である。寡聞にして初めて聴くのであるが、これがですね、今からひどくつまらないことを言うのだけれども、概念としての「My Bloody ValentineとかThe Jesus And Mary Chainの音」をなぞった音楽、なのである。歪みまくったギターとドラムマシンと歌っているのか何なのかわからない声、という92年以降(つまり「Loveless」
とか「Honey's Dead」
が出てから)世界中の至る所で量産されまくったであろうフォロワーの音、みたいな感じ、なのである。私のようにここら辺の元祖にリアルタイムでやられまくった人間としては、そういった世界中のそういう「音」にはあまり、と言うか全く魅力を感じなかったものであるが、こちらのBelongさんは、ある意味徹底的に冷酷なまでにそぎ落とされたMBVやJAMC的な「音」を意外に淡々と、そしてごくごく簡素に鳴らしていて、その潔さ、なんなら自分らで偶然音出したらこういう音になったのを発見したのでリリースしました、みたいなあっさり感が、逆に先人たちの音を上書きするくらいに不思議と「新しいでしょ、どうですか?良くないですか?」みたいな勢いでやっているので凄くすんなり聴けて不思議だ。ギターで歪んだ音出すこととリズムマシンのプログラミングに没頭してたら一周してこうなっちゃったんですけどどうですか、みたいなアンビエント砂嵐みたいな音まで鳴らされていて、バンド編成じゃないが故かも知れないけれどもフォロワー、とか言えない、もう30年以上経ったらオリジナルになってました、的なあっけらかんとした傑作。あえて、もうそういう所謂「シューゲイザー」とかさあ、とか言うお人(私みたいな)にこそお勧めしたい、不思議な1枚、である。だってそういう「音」は、食傷気味だっただけで全然嫌いじゃないでしょ、とか言われてしまったような気さえもするのであった。前作も聴かんとな、これは(同じだったりして)。