Standing In The Doorway

AOBA NU NOISEのTシャツです!

aobanun

 

地方の小さな郵便局だと、少なくとも私が良く利用するいくつかの小さな郵便局では、大抵なかなかに年季の入ったCDラジカセのようなものでラジオ放送が流れている。

 

ということで先日も郵便振替の順番を待ちながらラジオを聞いていたら、アナウンサーさんが何かの会社の紹介をしていて、「〇〇社は今年で設立50周年を迎えました。50歳、と言えば人間でも節目の年ですよね。」とか言っていて、普通だったらそのままスルーするのだが、ふと気になってずーっと考えている。

 

それは10歳、20歳、みたいな10年ごとの「節目」の話だろうか。それともなんかもっと大きい「節目」の話なのだろうか。なんか色々調べてみても、思わせぶりな「節目」の言説には出会うのに、さっぱり「何の」節目なのかを教えてもらえない。

 

まあね、「五十にして天命を知る」とか言っている孔子という人もいるのだが、それってたまたま孔子さんはそうでしたよ、ということで、彼は40歳の時に不惑だったらしいものだが、私と来たらいまだに惑うことばかりな状態なわけで、そんな10年を過ごしてきたのにいきなりこれから天命を知る、なんてことは多分、ない、だろうよ・・・。

 

とか、色々考えさせられるわけである。だからそんな簡単に無責任に「50歳は節目」とか言わないでほしい。何の節目なのかを言ってほしい。どっかのネット上でも「一つの節目の歳になることは確かです」とか言っているのを見たけど、だから何のよ、と・・・。

 

とかぐだぐだ言っている間にこの間50歳になってしまった。相変わらず世の中、何にもわからないことだらけで大変悩みながら生きているのだが、まあ健康が第一、ということくらいかなあ、なんとなくわかっているつもりのことは。

 

あとはSam Wilkes, Craig Weinrib And Dylan Dayのアルバムがすんごく良い、ということくらいはわかっているつもりだ。

もうSam Wilkesの参加している作品、Sam Gendelも同様だけどリリース多すぎでもうそろそろ追えない、とかいう人もいると思う。私も結構そういうギヴアップ感があったものだが、あきらめる前にこのアルバムだけは聴いておいた方が絶対に良いと思うのよ!これはタイトル通りクレジット通り、Sam WilkesベースとCraig WeinribトラップドラムとDylan Dayギターのトリオ編成で、夕暮れ時の野外セッション、プラス8か月後の屋内セッション、から生まれた全8曲のアルバムで、讃美歌、スタンダードナンバー、フォークソング、という親しみやすいメロディの楽曲に乗った即興演奏も交えながら、非常に穏やかに進行していく作品。これが今からすごくつまらないたとえの話をしてしまうのだが、ギターの音色のせい、フレーズの繰り出し方のせいも大きいけどBill Frisellの90年代のアメリカーナ作品(John HiattとかMadonnaとかBob Dylanのカヴァーやってる頃)のようで、やたらめったら叙情的に響く。そんなアルバムだからこんなちょっと涼しくなったと感じる時もある季節には、凄くじんじんに響くのであった。Sam Wilkesの名前を冠したアルバム、どれも好きだけどこれが今のとこ一番好き、かも。