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そういえば先日、亡くなった祖父が集めていた、という古銭をもらった。

 

一部でカルト的なファンを持つ私の母曰く、「がめつい親戚ががばっと持ってった」らしく、その残りとしてちょいと残っていたものを母がもらってきたのだが、それを私がもらったのだった。

 

古銭、と言ってもそんな〇〇時代の、とかそういうすげえのはないようで、せいぜい昭和の東京オリンピック、とかそういうものが最古なのかな、でもきれいな状態で取ってあって、でそれをもらって帰宅したらばBSで「なんでも鑑定団」とかやってるのを見てしまったので、いや、俄然夢見てしまうわけである、プレミア価格を。

 

でも別にそんな西郷隆盛直筆の掛け軸、とかそういうものではなく、たんなる古い記念硬貨等、である。レコードのプレミアとかミニカーのプレミアとかならある程度知っているものの、記念硬貨ねえ、ということでネットで調べた記念硬貨を高価買取、みたいなお店に持って行って査定してもらって、なんせこちとら昨日見た「なんでも鑑定団」頭になっているのでわくわくしたら、全然額面通り、東京オリンピックのだけ10%上乗せ、程度だったので、ずこーっと椅子から崩れ落ちそうになった。やはり「なんでも鑑定団」プレミア級になるものは珍しいものだからなんだろうなあ。

 

でも、硬貨と言えばお金なだけあって額面を下回ることはない、のが素晴らしい。これがレコードとかCDとかだったらもう悲惨な話で、たとえばディスクユ〇オンとかの宅配買取の明細を見て確認していると、明細の最後に載ってる「まとめて買取22枚=100円」とかそういうずこーっとくる世界が待っているわけで、そういうことがない、というだけでも非常に良いものだなあ、とこれまでレコード売却で結構痛い目に遭ったこともある私としては思うのであった。

 

まあ別に金を作るためにレコード買っているわけではないので、そういうことは気にはしていないのであるけれども。

 

しかし話は逸れるが、最近は前ほどレコードは買っていない。否、買ってはいるけれども「これは買わなくても良いな」とスルーするレコードが増えた。それはまあレコードが高いから、というのもあるんだけれどもガチでストレートに私の心に刺さりそうなレコードだけでこれからの人生良いんじゃないか、こういうのはもう聴かないんじゃないかな、と思うようになったからなのである。で、ある意味純度が高まった結果どうなったか、というと、マジでなんだかよくわからん謎めいたレコードが増えてきてしまっているのであった。

 

しかしこれは試聴して即買いだった。Sam Mortonの「Daffodils & Dirt」をめちゃめちゃ聴いている。

女優として有名なSamantha MortonがXLレーベル総帥のRichard Russellとユニット組んで歌手デビューしたアルバム、である。とか書いているが女優だとか全く知らなかったので、見たこともないんじゃないかな、と調べてみたらあれか、Joy DivisionIan Curtis物語「コントロール

(Anton Corbijn監督ね)に出てて、しかもIan Curtis夫人Deborah Curtis役だったんだ!じゃあ見たことあるな。そんな彼女がラジオで「無人島ディスク」の話をしていて、それをたまたまRichard が聞いて衝撃を受けてコンタクトして、という流れのようである。もともとはRichard RussellのユニットEverything Is Recorded

に参加してもらおうと思ったらしいのだが、結果このように新ユニット誕生、となったのであった。で、これがとんでもなく素晴らしいアルバムなのでぶったまげたわけである。一言で言うと、え、これ宅録だったっけ?というくらいに(実際に宅録とスタジオ録音のデータのやり取りだったようであるが)簡素なビートと演奏に、時に儚げ、時に幽玄、なSamの語りやヴォーカルが乗っかる、感じがメインであるが急激にタイトなぶっといベースとビートがドライヴする曲も現れたりとかする。そして一つ言えるのは全体的に非常にメランコリックである。まず思い出したのはYoung Marble Giantsなのであるが、Ali Campbell(歌詞の中でUB40の話が出てくる)、Laura Groves、Jack PenateやAlabastar DePlume(あの震えるサックスがここでも!)も参加して華を添えていて、実にシンプルながらヴァラエティ豊かに楽しめる2024年型ポップアルバム、である。サブベースの効いた子守唄、的印象もありながら詞は実際問題色々幼少期から大変だったらしいSamanthaさんなので、ヘヴィ要素多め、ではあるが。