I Believe You


お盆休み明けが怒涛の進行だったのでご無沙汰です。

さて、なんかtwitterでは実況中継に近い(とは言えさほどの頻度ではない)状態で語っていたのだが、仕事でまたしても嫌々山にキャンプに行き、嫌々泊まったらまたしても虫に刺されて大変なことになった。

私と付き合いが長い方々ならご存知かと思うが、5,6年前のこの嫌々行ったキャンプの際に虫に刺されて以来体質が変わってしまったようで、私はちょっとした虫刺されが大変なことになってしまうのである。だからこそ毎回がっつり防御策を講じているのだが、今回はその虫よけバンドをものともせずに虫の野郎が刺してきやがって初めはフツーに虫刺されの薬を塗ってしのいでいたものの、一夜明けたらドカンと腫れてきて、刺されたところは右腕の関節の下の方なのだが最早右腕全体が真っ赤にぶっくりと腫れあがってしまった。イメージとしては、骨付きのソーセージ。その骨が腕全体でソーセージ本体が腫れた個所、みたいな勢いである。しかも美味しくない。伝わるだろうか・・・。

でだんだん痒みも痛みも何だかひどくなっていったのだ。しかし、土曜日の夜だから最早救急病院しか行く場所がなく車飛ばして夜に行ったのだった。その病院の近くの川では灯篭流しやってて夏祭りだった故に、浴衣姿のカップルだの暴走族(思うんですが、昭和っぽい暴走族、最近多くないですか?)だのがうようよいる中を疾走して病院に行ったのだった。

病院に行けば行ったで高圧的な看護師のおばちゃんから「なに、虫に刺されたの?なに、なんで山なんか行ったの?どんな虫に刺されたの?わかんないの?わかればもっと楽なのに、で薬塗ったの?市販の?そういう時は水、消毒しないとダメ」とか言われまくって、待合の椅子に座れば目の前の40代くらいの夫婦が、とくに夫がキモい勢いで甘えるいちゃいちゃぶりを発揮して不快だったから横向いたらマツコ系の奥さんがひ弱な旦那さんにぶわーっと文句言ってるわ、で私の前に診察室に入ったおっさんはめちゃくちゃ喋る人で医者が話す隙を与えない勢いで話してるから長引くは、で診察室に入れば医者に上記看護師と同じようなテンションで同じこと言われるからどんどん機嫌が悪くなっていったのだ、私は。

最終的にはもうどんどん中二病みたいになっていって、浴衣の奴らも暴走族も看護師も待合室の奴らも医者もみんな死んじゃえ消えちゃえ、というテンション、もっと端的に言えばドラえもんの「どくさいスイッチ」が欲しいんだ、的なテンションの醜悪な人間になって帰宅して、薬飲んで塗って包帯巻いて、で寝る前には、皆さんすいませんでした、って心の中で謝って寝た。もう最低な気分だったぜ。

でも昨日の朝のベーグルもコーヒーも、お昼のサンドイッチもコーヒーも、夜のお寿司も美味しかったし、仙台パルコでの岡本太郎展も凄く面白かったし、タワレコでは探してたRicardo VillalobosとMax LoderbauerによるECMのリミックス盤Re: Ecmが発見できたし、夜のyumboとTenniscoatsのライヴは凄く良いライヴだったし、友達にもたくさん会えたからもう良いのだ。

でも腕はまだ包帯ぐるぐる巻きで何だか難儀なんだ。でそれを考えるとやってらんない気分になるからN'夙川BOYSの「Planet Magic」を聴く。キングブラザーズのお二人とモデルさんの女子によるバンドのメジャーデビューミニアルバムである。だいたいこのメンバーの組み合わせだけでおかしいだろ、って話なのだが各曲によって担当楽器とかヴォーカルとか自由に変わっちゃうというのもまた面白い。でも一番面白いのはそれで出てくるのがこの音、というところか。なんかこう、80年代から90年代にかけて少年時代を過ごしてきた私としては、意識的には聴いてなかったけれども耳にしていた当時のバンド群が姿を変えてスピーカーから流れてきているような錯覚を覚える。それは決して回顧的、というのではなく一回りしてこういう表現ってアリなんだろうなあ、という全く嫌味のない感じなのである。まあ、タイトル曲が佐久間正英プロデュースってのはいささか攻めすぎな感じがしないでもないのだが、でもその曲が実に完璧な名曲なのだから参る。というかこれ聴いて反応しないとダメだろう、とか我が地元にありがちな仮想敵作り+上から目線で言いたい勢いである。他の曲もとにかくポップなメロディとキャッチーなフレーズ、女性ヴォーカルの可愛らしいまっすぐさ、男性ヴォーカル(マーヤだしなあ)の荒くれっぷりも含めて何だか愛らしい一枚。音の感じも前作までとはかなり違って整理されているけど良い方向に働いていると思うし、ちょっとくすぐったいけど抗えなくて熱狂的リピート、ってのはThe Bacillus Brainsの「C.O.S.M.E.」C・O・S・M・Eを聴いた時のことを思い出した。音は結構違うけれども、若干のこそばゆさを覚えるフレーズとか歌詞の具合とか、何だかちょっとああいう感じなんだな。