He Is On His Way Home, We Don't Live Together

AOBA NU NOISEのTシャツです!

aobanun

 

気がつくともう6月になっていた。仕事柄例年5月から7月くらいまでは結構旅人になっていることが多いのだが、ご多分に漏れず今年もそんな感じである。

 

ところで車の運転はコミュニケーションだ、とよく言われる。確かにこちらの動きを相手に知らせながら、そして相手の動きを見ながら車を走らせるわけである。ずっと自分の車しか走っていない道路を走り続けるなんてことは不可能なので、相手とのある意味でのやり取りが必要であるわね。最近幸運なことにあんまり遭遇していないがたまにとんでもないコミュ障カーとかと出くわすと嫌な気持ちになったりするものである、ウインカー出さずに急に車線変更されたり急に止まられたり、とか。そういう運転の人って、やっぱり実生活でもなんか、なのかな。

 

で、公共交通機関の乗り方、これもまたコミュニケーションだと思うのだよね。マナー、とよく言われるけれども相手方のことを考える力があればそんなに公共交通機関の中で嫌な気持ちになったりさせたり、ということも減ると思うのだけれども。

 

要は何を言いたいかと言うと、先週土曜日の夜に出張帰りで我が家に向かう電車に乗っていたわけだが、先週末の仙台はポケモンで大変なことになっていたようで、ただでさえ時間と行き先で混む最寄り駅を通る電車がさらに混み、そこに途中の駅には球場があるので試合終わりの観客も乗り込んできて、車内はかなり大変なことになっていたのである。でもそんなぎゅうぎゅうの車内でリュック後ろに背負ったままなんかニタニタしながらスマホでゲームしている人とかいて、まあコミュニケーションをとる気がないのかなあ、と非常に嫌な気持ちになったぜ、ということである。

 

そしてついでに、列車の扉が開く度にそいつのリュックを掴んで駅のホームに連れ出して、U2の「With Or Without You」のMVの最後、アクースティックギターを振り回すBonoのように、うおおおお、とぶん回して投げ出したい気持ちになった、とか思う人もいるんだろうな、と思ったりした、ということである(以下のMV参照)。


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いやいや、あんまり下手なこと言うと無駄に炎上するらしいからそんなこと言わないけれども、穏やかに羊のような感じでめえめえ生きている私であるが、コミュニケーションが取れないってのは困りもんだな、と日頃思っているわけで、それはそんな局面でも、ということである。

 

Anastasia Coopeの「Darning Woman」を聴いている。

Darning Woman

Darning Woman

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Jagjaguwarからのメルマガでその存在を知って、ちょっと聴いてなぬ、となってアルバム予約して、と届いたので聴いている。まだ21歳、という女性シンガーソングライターのデビューアルバム、である。とはいえ「45回転だよ」というステッカーがジャケに貼ってあって短い、多分9曲で22分くらいである。そしてその短さがこの音楽の奇妙奇天烈さに拍車をかけて、こちら側に実に魅力的な「?」を投げかけていくのであった。一応フォーク、っぽいのだが、曲の構成がなんだかとち狂っていて1曲目とかよくわからない声の多重録音なのか合唱みたいなところにエレクトリックギターが乱入、してきてよくわからないうちに終わる、ということでもうアヴァンギャルドフォーク、と言い切っても構わないアイディア一発を全部ぶち込んだような、そういう濃厚なアルバムである。それでいて穏やかなアクースティックギターと多重ヴォーカル、とかそういう曲も出てきてアルバムとしては「この曲を完成させる」というよりは「この雰囲気を完成させる」ということにすべてをかけたような感じ、であるが実に魅力的なのである。Miranda Sex GardenとBrigitte FontaineとJoanna NewsomVashti Bunyanのことを思い描きながら大五郎の大瓶を囲んで飲み会をしているような、そういう光景が思い浮かぶ(ってそれはそうとうおかしい)。Daneshevskaya

のデビュー作を昨年聴いたときにもジャケのように鼻血出るくらいびっくりしたけれども、こちらもそれに負けず劣らす強烈な一撃。