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先日、松尾潔氏がPヴァイン創業者の日暮泰文さんの追悼記事で面白いことを書いていた

 

青春の終わり=好きなロックバンドが解散すること、という定義は聞いたことがなかったけれども、松尾氏のその記事内でのTony! Toni! Tone!の解散と発言した、というエピソードはその場の雰囲気のことも想像して、一人で声を出して笑ってしまった。

 

なるほど、そういうものが青春の終わり、だとすると私の場合、いつが青春の終わりだったのだろうか、と考えてみる。好きだったロックバンドはたくさんあったし、解散してしまったロックバンドもたくさんある。解散したのかどうなのかわからないバンドも多いし、しれっと活動再開したバンド、再結成したバンド、たくさんある。しかしどれが心に残る解散してしまったロックバンドかな、と考えるとそれはThe Smithsかな、と思うのであった。

 

1987年9月1日発売の『Rockin' On』誌で解散、ということを知って、その時期ちょうど祖父が亡くなって葬式だなんだ、という時期だったのだけれども、それ以上に衝撃を受けて悲しかった気がする。だって、前の月、8月には「Girlfriend In A Coma」の12インチとかリリースされたばっかりでウキウキしながら買って帰って来て聴いたりしていたのだから、えー、アルバム

出るのに、と項垂れたものである(そう、解散してからラストアルバムが出たのである。ここが意外に自分の中では大事で、なんならそこら辺の描き方の「?」が映画「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」

に全くのめり込めなかっためちゃくちゃ大きな原因である)。

 

ただ、一つ問題があってその時私は12歳だったのである。つまり、今回の定義に従って考えると、一般的に青春と呼ばれうる時期を迎える前に青春が終わってしまったことになるので、それって結局青春がなかった、ということになってしまうのではないか。

 

いや、振り返ってみて「青春だったなー」なんて思い出もないので、実際なかったのかも知れない。だとしたら青春がなかったか、青春が始まってもいないか、もしくはいまだに、The Smiths解散後に知らず知らずのうちに始まっていた青春が続行中なのか、そのどれかである。

 

どれだろう・・・。ただ一つ言えるのはいまだにポカリスウェットのCMみたいなノリの青春だぜ、ということとはなんだか無縁だったし、むしろ虫唾が走る、という感じなので、単純にそれは私がそういうものを知らないという可能性もあるな、と思い当たったことは確かである。

 

ってことはこれから青春だ!Carole Laureの「Western Shadows」聴いて青春を駆け抜けるぜ!

Western Shadows

Western Shadows

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フランス語圏カナダ出身、女優(「Sweet Movie」とかに出てるので、まあクセつよ系、ではある)でもある彼女のSaravahからのファーストに続く1989年リリースのセカンドアルバム、である。夫である同郷のこれまたクセつよアーティスト、Lewis Fureyがプロデュースを手掛け、故郷カナダへの思いを込めたカントリー風味強めのアルバムである。ということでTammy WynetteとかRosanne Cash、Earl Montgomery(というかEmmylou Harrisヴァージョンが有名な「One Of These Days」)、とか「ラストダンスは私に」のカヴァーとかが入っており、非常にそれっぽい、カントリーっぽい感じではあるが決してそうとは言えないような(Beyonceの「Cowboy Carter」

よりは音的にはカントリーっぽいかな)・・・。シンプルなバンドサウンド主体ではあるが、彼女の良い意味でねばっこい歌唱の醸し出すムードに引っ張られた、北米風のヨーロッパ的ポップアルバム、である。仏語ヴァージョンと英語ヴァージョンが収められている楽曲もあって、その空気をより強く感じる仕上がりになっている。しかしこのカラッとしていない空気が非常に癖になるもので結構な頻度で引っ張り出しては聴いているアルバム、である。やはり仏語圏のカナダの人と言えばこの方、生前親交もあったLeonard Cohenのカヴァーとかもたまらない仕上がり。