「渡邊琢磨×千住宗臣 special night!!」@pangaea 3月24日(火) open 20:00〜
チケット前売¥2500 当日¥3000 (ドリンク代別途) ※入場30人限定
チケット前売り発売(3/6〜) store15nov、pangaea、recordshop"S"
チケット前売り予約 pangaea info@pangaea-sendai.com
DJ / TDSGK(AOBA NU NOISE)、ARAKI(MINIMUM)、HIRANO(palallel music)
Special LIVE/ 渡邊琢磨(COMBO PIANO) 千住宗臣(COMBO PIANO、ウリチパン郡、PARA)
よろしくお願いいたします!限定30枚、ということなのでお早めにー!
今日も今日とて半日強仕事だったのだが、最早仕事そっちのけでコルタサルの短篇集にどっぷりと浸ってしまった1日だった、という印象の方が強い。これが読み出したら止められないのである。
所謂ラテンアメリカ文学、って奴に対する私の興味と、短編好きという嗜好から行くとガチで間違いない本なのだけれどもそういう客観的な話じゃあなくて、何より凄いのがここに収められている話の突拍子のなさ具合である。それがとんでもない奇想、というものではなくて日常から1センチくらい右か左かにずれて進行していく具合が実にスリリングでグイグイ引き込まれてしまうのである。
まあ全部が全部そういう話ではないのだけれども、この短篇集でも物凄い印象を残すのは上記のような日常(現実と言っても良いか)から1センチずれた話だったりする。おそらくその「1センチ」というのがありそうでなさそうな、実はあるんじゃないか、いやいやないだろこんなこと、という不思議な感覚を増長しているのである。そのむずがゆさにも似た不思議な感覚がクセになるんだなあ、多分。しかもその1センチずれた世界が現実世界といきなり交差し始めたりするわけだから、頭の中で描いている次元が歪む瞬間があって、それもまた一興、である。
結構わかりやすい形でそのずれた世界と現実との交差が描かれた「悪魔の涎」はあの映画「ブロウ・アップ」(あ、「欲望」か)の元ネタになったらしいし、なるほどなあ、と思ったりするが、私は「南部高速道路」というありそうで絶対にありえず、且つJ.G.バラードの平和版、みたいな世界を描いた短編がとくに止まらなくなった。お陰で珍しく昼寝などしたら何だかかなりへんてこな夢を見る羽目に陥った次第で、そういう影響も含めて凄い短篇集である。
本当は今もまた読み返そうとしていたのだが、The Honeymoon Killersの「Les Tueurs De La Lune De Miei」も聴きたいから聴いている。所謂邦題「蜜月の殺人者」である。この度日本盤紙ジャケでこの作品とこの前の作品(見たことなかった)、そして一足先にAksak Maboulの2タイトルがリリースされる、という世も末な狂喜乱舞せざるをえない快挙があったの嬉しくてのう。しかも全部オリジナルジャケ、ってのが感動的である(とくにAksak Maboulのファースト)。で、この作品であるが、ファーストを出したThe Honeymoon KillersがAksak Maboulと合体したような形態になってリリースした唯一の81年作品である。ファーストでは結構なんだかシアトリカルだったりユーモラスだったりしたのが、バキバキのレコメンノリになっていたAksak Maboulと合体して、なのに両者の美味しいところがうまく合わさってしかもシェイプアップされて、なのに超ポップ、という奇跡の作品である。故Ivonのアグレッシヴ、時にシアトリカルなヴォーカルに時に妖艶、時に可愛らしいVeronique嬢のヴォーカルが絡む、というだけでも面白いのだがキーボードの絶妙にチープな音色を生かしたスピーディなバックと相俟って唯一無二な世界が繰り広げられている。ボートラ以外全編フランス語で歌われているが、そこら辺ももしかしたらこの不思議な音世界に1枚噛んでいるのかも知れない。極私的に、ニューウェイヴ、と聞いて真っ先に思い出すのがこのアルバムだったりするのは、そのあらゆるものを飲み込んでしゃきっと纏め上げている消化力の凄さなのかも知れない。ちなみにFrance Galのカヴァー「娘たちにかまわないで」はこれ以前にもこれ以降にもこういう音はこの世に存在しなかったようなぶっ飛んだキラーチューンになっているので必聴だったりする。