The Number One Song In Heaven

ところで、車に乗る楽しみの九割九分九厘は車内でCDが聴けるから、と信じて疑わない私なのである、昨日のエントリを引き合いに出すまでもなく。

そんな私であるが、今朝、車のCDプレイヤーが再生を終了したCDを取り出したらウンともスンとも言わなくなった。どんなCDをかけようとしても、何回か電源を落としても、全然ウンともスンとも言わなくなった。うおお、どうしよう、と思いながらも職場に着いてしまったのでそれはそのままにしておいたのだった。

しかし今日は仕事が手に付かず、修理にはどれくらいかかるのだろうか。いや、金額以上にどれくらいの時間がかかるのだろうか。もしも直らないといわれたらどうしようか。いや、直るだろうけれども直るまで私はどのような心持ちで車に乗ったら良いのだろうか。ラジカセを積むか、否、それはすぐ飛ぶから駄目だ。ipodか、否、ヘッドフォンをしながら車に乗るだなんて。しかもその朝に聴きたいCDをipodにぶち込んでから車に乗るだなんて、遅刻しないわけがない。ということは早起きして仕込みか。ということは夜も早く寝てか朝早く起きる、ということか。とあっという間に考えがそこまで飛翔していったのであった。

と言う感じで不安なまま帰りの車内に乗り込み、恐る恐るCDをぶち込んでみたら、何事もなかったように勢いよくかかったので、マジで涙が流れた、マジで。ちなみにその感動的に最初に聴こえて来たのはBryan Adamsの「Summer Of '69」Recklessの威勢の良いドラムスとギターだった、というのはこの際ちょっとしょっぱくて恥ずかしいのであまり言いたくない事実である。

でも日常的に自分がどんなに当たり前と思っていることに依存しているか、ということを思い知る良い機会になった。文明が進歩して私の身の回りには、そしてあなたの身の回りにも様々な依存を引き起こすものが存在していて、それらは辛うじて今動いているが、いずれ動かなくなる。その際に、どのようなものを自らの「杖」にしたら良いのか、「健康のありがたみは失ってから初めてわかる」ではないけれども、ちょっと考えておく必要があるなあ、と今日の日中のわなわなした感じを思い出しながら深く考えたのであった。やはりLou Reed御大の「ラジオは2つあったほうが良い。1つが壊れたときのために。」という名言を思い出すべきなのだろうか。その前に依存を断ち切る、とか一瞬思いついたりしたんだが、それはもう0.5秒で無理、と判断したので却下、である。

「A Bugged Out Mix By Hot Chip」なるミックスCD2枚組を聴く。思えばHot ChipのミックスCDと言えば以前にもThis HeatまでもミックスしてたCDがあったように記憶しているが、実は未聴。なのでこのCDが初だったりするのだが、これは2枚組であるのがミソなのである。1枚目は実にストイックにダンスフロアを狙い撃ちしたようなクールな4つ打ち中心の結構端正なミックスで、途中のMory KanteのアシッドミックスとかHot Chipの新曲が格好良い、とか色々ハッとする瞬間はあるのだけれども、いつ曲が変わったか注意していないと逃すようなしっかりとした堅実なミックスCDである。これは勿論素晴らしい。しかし問題は2枚目でこれはライナーに「酔っ払ってパーティする時にどんなのかけるか、批評家とかの目を気にせず何をかけるか」というのがテーマらしく、いや、アシッド気味の4つ打ちつなぎとか結構しっかりとつないでいる場面もあるのだが、スティールパンつながりのミックスやらFleetwood MacやらThe Doobie BrothersやらRobert PalmerやらLuther VandrossにDub Narcotic Sound System(!)、SparksやらTerence Trent D'ArbyとDizzee Rascalマッシュアップやら、断然こちらがドキドキするのは多分私が単なるバカだからなのかも知れないが、私が楽しいなあ、と思うミックスCDはOptimoとかAndrew Weatherallとか、良い意味で滅茶苦茶なジャンル横断具合で色々聴けるものばかりなのでまあ、しょうがないであろう。Hall And OatesとかがGang Gang Danceの後につながる、とか本当にワクワクするじゃないですか!?