Youth

「見いだされた樹」 2011年11月19日(土)@K.s GARAGE(K.s studio 2階)仙台市青葉区国分町1丁目47 tel 022-263-2360
open 18:30 start 19:00
出演 sekifu, yumbo, Que Sera Sera
前売り予約:2,000円 当日:2,500円
*ドリンク代はいただきません、お飲物はご自由にお持ち込みください。
*前売予約は「お名前、チケット枚数」を明記の上、下記のアドレス宛にメールをお送り下さい。確認次第こちらから予約完了メールを送らせていただきます。前売予約は定員になり次第、〆切らせていただきます。(定員40名)
actuel@ever.ocn.ne.jp
お問い合わせ
ensemble of rests
actuel@ever.ocn.ne.jp

今更大きな夢など見ていませんが、楽しくやってます。皆さんも自由に楽しんでください!ということでご来場お待ちしております。当然ながら、yumboとsekifuを見逃してはならないと思うのですよ、この2011年に。

さて、雑誌『BRUTUS』を買った。「mellow out」だそうで「気持ちいい音楽特集」だそうだ。で、買ってから実は毎日読んでいるのだが、わからない。メロウって、なんだ・・・?

goo辞書によると「音などが、柔らかくて豊かなさま」とある。なるほど、そういう音楽か、と納得はするのだが「メロウに過ごす」とかそういう表現が出てくると、あれ、じゃあ今度のメロウって何だろう?となってしまうのだから私も全くもってめんどくさいというか。

いや、雑誌が悪いと言っているのではない。全然そうではない。多分、なんとなくこういう感じ、というのは誌面からも伝わってくるし、実際紹介されている音源も何枚かは聴いたことがあるわけだから空気はわかる(ただ、ナ○ト・インティライ○とか○ブクロとか紹介されてるのを見ると、あれ、何だかメロウって俺が掴んでいた感じとは異なるのかな、と不安になったりする、余談だが)。まあ、ゆったりのんびり過ごす際に良い感じに雰囲気を作ってくれる感じ、という解釈で良いのかなあ、とか思うのだがどこにも定義がないので不安になったりする。俺のメロウはこの雑誌のメロウとは違うのか、メロウは個々人で感じ方が異なるのか、とか何だか落ち着かない感じになったりする。いや、これはもう私の病気のようなものなんだろうと思う。以前も同じ雑誌で「切ない」という特集が組まれていたけれども、果たして結局「切ない」ってどういうことなのかがイマイチわからなかったりしたこともあった。多分個々人がそれぞれ何となく「切ない」感じみたいなものを感じていれば良いのだろうと思う。そこで止まってれば良いのだろうと思う。

だけど、何だか多分自分は「定義」が欲しいのだ。凄く欲しいのだ。「メロウってこういうことです。だからこういう音盤選んでみました。こういう音が流れている良い感じの空間紹介します。」みたいになっていて欲しいのだろう。上記かぎかっこ内の「メロウってこういうことです」がないままに全てが始まっているから、自分としては果たしてどこに己の立脚点を置いたら良いのかわからない、というか自分が果たしてメロウ音楽愛好家なのかわからない、っていう、「自分探しの旅に出なきゃいけない人」みたいなめんどくさいことになってしまってずっとクエスチョンマークが残ったままなのだろう。

だからそれぞれに「自分はメロウな音楽が好きだ」と思えば良いし、もっと言えば「メロウな人間です」とか言えば良いのだろう。だから私もメロウな音楽好きのメロウな人間です、と主張したい、と思ったが心の片隅ではわかってるんだ、休日の午前中からLou ReedMetallicaの共演盤聴いて、DJではKevin DrummだZ'evだDiamanda GalasだVagina Dentata OrganだHototogisuだ、とかやってる人間は、メロウな側面もあるけど決して「俺はメロウだ」とは言えないんだろう、ってことを・・・。だから自分でも何となくメロウに憧れてその拠り所を今回の特集にすがって見つけようとしたんだけれど、見つけられなかったからもがいているんだ、ってことも・・・。

ということで近いうちに我が盟友のメロウマスターから教えを乞いたい気持ちでいっぱいな気分で、Razikaの「Program 91」を聴く。ノルウェー出身19歳女子4人組である。最近はインターネットのおかげなのか、インディ青田買いみたいなものがかなりヒートアップしていると思うのだけれども、お陰でジャケとかはよく目にすることができるからある意味ありがたい。あんまりやりすぎもどうかとは思うのだけれども。で、このアルバムもジャケはネットで見てて店頭で現物見かけてしまったからついつい聴いてしまっている。これはMatias Tellezプロデュースによるデビュー盤なのだが、なんつーか、こういうのやっぱり良いなー、で終わってしまっても良いかも、というくらい力が抜ける傑作である。まず曲がどれもポップにまとまったメロディで、それを舌っ足らずな可愛いヴォーカルが英語とノルウェー語で歌うのである。で、それだけだったら往年のスウェディッシュポップのバンド群でも良いではないか、という感じなのだがギターの音色が実に気持ち良い。Marine GirlsっつーかBen Wattっつーか初期EBTGというかRough Tradeにもいたような、という音なので一気に甘酸っぱい気持ちにさせられる。そしてかなりの曲でスカのビートが何故か炸裂していて結構しゃきしゃきと進んでいく。しかし、だがしかしこのバンドの一番のポイントはドラムスなのである。バスドラムはキレがあるのにフィルインのところのもたつく感じ、スカのビートの裏打ちが若干スムーズに行かない感じ、これがめちゃくちゃ良い味を出していて、お陰で決して音的にそうではないのに、全体の空気がポストパンク期な感じになっているように思える。いや、決してヘタウマが最高、とかインディはローファイで下手じゃなきゃだめ、とかそういうくだらないインディ原理主義なわけではない。これはファーストアルバムならではの奇跡が起きた傑作なのである、と思う。多分この後更に彼女たちが活動を続けていけば、もっとまとまった感じになったりテクニック面で行けば向上するかもしれないし、音質だってもっとまろやかな感じになっていくかもしれない。それはそれで良い。何よりも60年代ポップスも想起させられるくらいの強力なメロディがあるのだから心配ない。でもこのファーストアルバムみたいな魅力、っていうのは多分このアルバムにしか存在しないようなものなのだろうと思う。だから今のうちにこのアルバムをしっかりと焼きつけておかないと、という熱い想いに駆られたりするのだ。こういう気持ちは思えば久々だなー。ちなみにブックレット(分厚すぎてCDではケースから取り外したら二度と入らなくなってしまって難儀する・・・)の写真を見ると何だかやんちゃな感じ充満していて、このまますくすくガンガン曲作って演奏してアルバム作ってほしいな、と心から思った次第である。