Someone Purer

今月はこういうイヴェントがあります。

5/20(Sun)「RADICAL 3000」@Club ADD Open: 21:00 Entrance: ¥1000 Genre: NEW WAVE
DJ:tdsgk(AOBA NU NOISE) 松尾康史 (LOST WEEKEND) B.Toriyama(NATURAL4)

AOBA NU NOISEの一週間前のイヴェントなのですが、これはジャンルに注目していただきたい。ニューウェーヴ、ってこれは難しいです。パッとニューウェーヴと聴いて個人的に想起されるのは初期Modern English、初期Scritti Politti、The Flying LizardsというかDavid Cunningham、そしてThe Honeymoon Killers、くらいなものであとはどうなんだろう。しかも時代的にはニューウェーヴと言ってよいだろうけれど、音だけ考えると果たしてニューウェーヴらしさを感じてもらえるのかどうなのか、という問題があったりするものもあります。だから逆にジャンルがニューウェーヴとなっている、ということは色んな音楽が沢山聴ける、ということだと割り切って時代も国も音楽性も色々超えて、色々かけたいと思っております。まあ、ニューウェーヴと言った瞬間にあらゆる音楽ジャンルを横断してしまうのだ、ということを体現するような感じになるかと。

と散々言い訳しておりますが、是非遊びにいらしてください。私以外のお二方の選曲が本当に楽しみです!

今日は、ニューウェーヴとは、ということを考えながら過ごしていたものだが、トレードやら中古盤やらブクオフやら到着やらで新しい音源が我が家に結構届いた。しかしZajとDavid JackmanとSheena EastonBarbi BentonとTindersticksとTalk Talkという感じだからニューウェーヴ、ねえ・・・。

しかも今聴いているのはMystry Jetsの「Radlands」である。テキサスでレコーディングされてロンドンで完成された4枚目のアルバムである。彼らと言えばきらびやかな部分も多々ある、いかにもUKらしいバンドサウンドを聴かせてくれていたわけだが、今作では若干のカントリー風味やらざっくりとした砂埃舞う感じが加わっている。それは予想通りと言えば予想通りなのだが、それがごく自然に彼らの音世界にマッチしているから、全くもって「やってみました」感はない。ペダル・スティールの音色がこんなにハマるような音、というのは想定外だったのだが「あれ、今まで入ってなかったっけ?」というくらいのしっくり具合である。それは多分、何よりも彼らの曲作りの巧みさが更にパワーアップしているからこその安定感なのだろう。今作でもポップで、しかも「うわここでこう展開するんだ」とゾクゾクするような曲のオンパレードなので舌を巻かざるを得ない。ほんのちょっとした箇所でも小技が光るメロディやらハーモニーの作りには本当に脱帽、である。また、歌詞のユーモアというか、クスっとさせられるところも健在で、今回はロック名盤のタイトルを歌いこんだ「Greatest Hits」が最高である。ABCやらThe LemonheadsやらThe CranberriesやらTalking HeadsやらRoxy MusicやらMinutemenやらThe Fallやらのロック名盤のタイトルが巧みに歌詞に織り込まれていて、もう拍手喝さい、というかやられた、というか。多分、いや絶対、今のUKで最高のバンド。